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二人のシンパシー

 AI革命が進むことにより、私たちの生活は変化せざるをえなくなります。スマートフォンが登場した2007年を振り返ってみても、最初は戸惑いましたが、慣れればそれほど気にならなく、今では上手に使いこなしている人がほとんどだと思います。

 人間は逃れられない状況に追い込まれると、脳が勝手にその環境に対応しようと頑張るそうです。自動運転が実現し、お掃除ロボットが部屋を綺麗にする。その時人間は、無駄な作業から次々と解放され、本来自分のしたいこと、するべきことに集中することができるようになるはずです。人間がしなくても良いことは、しなくていい。人々の暮らしは、雑事に煩(わずら)わさせられることがなくなり、より人間ならではの行為に邁進できるようになります。それこそが理想の未来ではないでしょうか。2045年までに訪れるといわれている『シンギュラリティ』は、日本語だと技術的特異点と訳されることが多いようです。人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指すそうで、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士により提唱されたものです。『シンギュラリティ』の到来は、すでに前倒しになっているという方もいらっしゃいますが、それまでに、本来自分のしたいことは何なのか?人間が真っ先に取り組む課題は何なのか?を、準備しておく必要がありそうです。

 『シンギュラリティ』が訪れる前までの世界は、『VUCA WORLD(ブカ・ワールド)』であると言われています。すでに私たちも実感してきた世の中の、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた造語です。AI導入などで暮らしがどんどん快適になっていけば、無駄な知識は、頭の中でだんだん必要ではなくなっていきます。調べればすぐその答えが見つかってしまうからです。ダイレクトに情報へつながっていく便利さから、もう後戻りはできません。しかし、これまでそうだったように、知らないことを調べる時間とプロセス、そこで触れ合う予定外な出逢いのように、私たち人間は、そこそこ問題(困難)があるほうが、生きている実感があって、幸せを感じるものなのではないでしょうか?

 「人生を幸せにするのは何か?」この問いは、大きなテーマです。人によって何に「幸せ」を感じるかは、それぞれかもしれません。75年間にわたり、724人の男性を追跡し、仕事や家庭生活、健康状態などを休むことなく記録し調査した、ハーバード大学の研究結果があります。それによると、人を健康で幸福にするのは「良い人間関係」に尽きると結論付けました。良い人間関係を築くには、互いに共感(シンパシー)し合うことが最も大切です。そして良い人間関係は、目標や目的を同じにする「学習の場」だけではなく、自分のしたいことを思いっきりやる「遊びの場」で作られるというのです。あなたの周りには、シンパシーを感じる仲間がどれくらいいますか?最も近い隣人にシンパシーを感じていますか?『シンギュラリティ』を迎える前に準備しておくことは、どうやら「最も近い隣人とのシンパシー」かも知れません。


シンギュラリティ
作詞・作曲:サトシコガ
演奏:WISH SIDE

VU VU VUCA WORLD
VU VU VUCA WORLD

輝いた街の灯が 明かりを失って
残された約束も 時に朽ちてゆく

当たり前の事が 当たり前じゃなくて
こみ上げる悔しさも 闇にかき消される

曖昧な眼差し 夢も語れない
変動の時代は すでに始まってる

君のシンギュラリティ 失うシンパシー
僕のシンギュラリティ 明日が見えない

VU VU VUCA WORLD
VU VU VUCA WORLD

泥沼に浮き上がる 君のきらめきも
偽りの優しさで 闇にかき消される

他人モードに ハイジャックされた脳
複雑なルールで みんなをだましてる

君のシンギュラリティ 失うシンパシー
僕のシンギュラリティ 声にならない

君のシンギュラリティ 二人のシンパシー
僕のシンギュラリティ 愛が見えない

VU VU VUCA WORLD
VU VU VUCA WORLD


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