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とある独身が『子どもが幸せになることば』を読んで考えたこと

 私は我が国における平均寿命のちょうど半分くらいの年齢である。結婚、妊娠、出産、育児、すべて経験したことがない。そして、あんまり憧れてもいない。
 なのに、気になって購入してしまった。

 どのような経緯でこの本を知り、読みたいと思ったのか。
 ツイッターで、ダイヤモンド社の編集者である今野良介さんのアカウントをフォローさせてもらっている。そこでは、ご自身が編集された本に対する読者の感想を次々とリツイートなさっている。それらを読んでいるうちに、特にこの本が気になってきたのだ。
 実生活で子どもに関わる機会は、ほぼない。しいて言えば、幼稚園にいる姪っ子がいるが、遠方にいることもありお話できる機会は少ない。だから、今すぐ実践で使えるわけでもない。
 だけど、なぜだか読みたいと思った。
 kindle版もあるが、姪っ子の母親(私の妹)にも読ませたくなるかも、と思って紙の書籍をアマゾンから注文した。

 そして読み始めたのに、途中でやめてしまった。というのも、著者である田中茂樹先生の提案する「(子どもを)信じることば」の数々が、私が成長の過程でかけられてきた言葉とことごとく真逆だったからだ。
 まだ第1章の「0歳から3歳 子どもが世界と出会う時期」は、当時の記憶があまり無いせいか読みきれた。だが、第2章の「3歳から5歳 『その子らしさ』が出てくる時期」で辛くなってきて、読み進められなくなり棚にしまった。
 再び読み始めたのは、約一か月ほど後になってから。
 しばらく落ち込むことが相次ぎ、「どうやったら自信を取り戻せるんだろうか」と悩んだとき、この本を思い出した。
 この本には、答えが書いてありそうな気がした。
 再び読み始めた後も、途中で本を閉じて泣くことが何度かあった。でも最後まで読み終えた時は、すぐ「また最初から読みたい」と思ったし、妹に送らず手元に置いておきたいとも思った。なので、自分の分はKindle版で買いなおして、紙の書籍を妹に送ろうかとも考えている。


誰にとっての「リラックスできる家」

 この本では終始一貫して、子を持つ親御さんたちに対して「子どもに家で安心して過ごしてもらうこと」と、「子どもの成長を楽しむこと」の重要性が説明されている。
 そして、その考え方でいることにより、まず自分自身がラクな気持ちで子育てをできる、とも。

 果たして私は子どもの頃、家の中で安心して過ごせただろうか?
 そして両親たちは、私の成長を楽しんでいただろうか?
 どちらの質問に対しても、答えは「イエス」と思えない。

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3,742字

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