インテーク面接において大切な3つのキホン

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前回「アセスメントとはなにか?-初心者でもわかるアセスメント-」と題し、アセスメントの概念的な捉え方についてポイントを絞ってお伝えをしました。

アセスメントにおいて、必要となるのはクライアントに関する”情報”です。
(”情報”については、別エントリで記しました)


そして、クライアントに関する情報を得る方法の1つは、クライアントを前にしておこなう面接です。

本エントリでは、【話を聴くために必要なことシリーズ1-面接導入編-】と称し、クライエントとの出会いである初回面接(インテーク面接)の導入における基本的なことですが、とても大切だと考える項目について述べていきます。


1.自己紹介をする

・クライエントの目を見て、自分の名前をしっかり名乗る。
(騒がしい場所や他者の目がある場所で、初対面の挨拶を交わして、その場所から移動し違う場所で面接を行う場合は、互いが席についた時点で、改めて上記を行うと、面接の導入をおこなう上ではよいと思います)

・自分がクライエントにとって何を提供する存在であるかをしっかりと伝える。(所属機関内でのSWの提供できるサービスを簡潔に伝えることも大切です)

これらは、当たり前のことなのですが、であるからこそ、丁寧にしっかりと相手に伝える必要があります。初対面のクライエントとの出会いの場面はいくら大切だと言っても言い切れません。この過程をしっかり行うことは、「この時間をクライエントであるあなたに対して提供します」という真摯で誠実なる態度表明でもあるのです。

どんな技術も知識も、それを扱う人間の態度、価値がクライエントを尊重したものでなければ(尊重しています、というメッセージをクライエントに伝えられるものでなければ)、意味をもちません。このことは何度いっても言い過ぎることはありません。


2.面接の目的を確認する

・なんのために、この時間を共有するのかという確認をする。
(これは初回面接に限ったことではありません。継続面接においては、面接の冒頭に、前回の面接の振り返りを一緒におこなった上で、今回の面接で何を話し合うのかという確認も必要です)

・他職種・他機関からの紹介で、面接に至った場合には、事前に紹介先から聞いている紹介の目的と、クライエントの意向との間に相違がないかを確認する必要があります。

例)「〜と聞いていますが、それでよろしいでしょうか。」

確認する過程でクライエントがみせる反応からも多くのその人に関する情報が得られます。

・積極的、消極的、懐疑的、無気力 etc…

・クライエント自身の問題解決におけるモチベーション、主体的に対処していきたいと思っているかどうか。それとも、対処能力が低下している状態か、などを推測する情報がこの確認する過程から得ることができます。

(面接で話を進めていく中で、目的がより明確になったり、変更・修正が加わることがありますが、クライエントの問題解決に対する動機づけがどのような状況にあるかを教えてもらうために、都度、面接の目的を確認することが大切です。)


3.面接前の事前準備をする.

予定面接の場合は、クライエントについての事前情報を得ることができます。
個別のケースの概要、どのような経緯でソーシャルワーク部門に紹介されてくるのか、そういった事前情報を確認しておくことが大切です。

ソーシャルワーカーは、事前に得られる情報と、面接時にクライエントから語られる情報から、クライエントと一緒に解決するべき問題を明らかにしていきます。

情報については、主観的なもの、客観的なもの、一次情報、二次情報など、その選別も大切になってきます。(これについてはまた改めて記していきたいと思います)


【話を聴くために必要なこと-面接導入編- まとめ 】

0.面接前の事前準備を行う。(客観的情報を収集しよう)

1.クライエントとの出会いの場面で、しっかりと自己紹介をする
(真摯で誠実なる態度表明をしよう)

2.クライエントと面接の目的を確認する
(クライエントの問題解決に対する動機づけがどのような状況にあるかを教えてもらう)

次回【話を聴くために必要なことシリーズ】では、「クライエントに語ってもらうために気をつけるべきこと」と称し、クライエントの「語り」というソーシャルワーク援助の素地になる部分について記していこうと思います。


【参考書籍】
熊倉 伸宏 著 「面接法」 http://amzn.to/2nhg4iH
渡部 律子 著「 高齢者援助における相談面接の理論と実際第2版」http://amzn.to/2ngYfkG
大本 和子 著「 新版 ソーシャルワークの業務マニュアル―実践に役立つエッセンスとノウハウ」 http://amzn.to/2njeNr8


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