2023年のふりかえり
2023年もあと数時間になりました。本年もさまざまな方に助けていただき、生活や活動をすることができました。関わってくださった方、気にしてくださった皆さんに感謝いたします。
以下、2023年に何をしたか(主に仕事)のふりかえりになりますが、ご関心持ってくださった方はよろしければ覗いてみてください。
法人事業
設立当初から行なっていたマクロ実践に焦点を当てた研修事業、SV等を通してソーシャルワーカーの方個人をサポートする事業の2つを終了しました。
2017年度より開始したSocial Change Agency研修プログラムは、半年or通年のゼミ形式のプログラムに49名、講義には延べ1018名の方にご参加いただき、個人向けサポート事業は28名の方に延べ80回以上ご利用いただきました。
Social Change Agency研修プログラムにおいては、ソーシャルアクション、マクロ実践に焦点を当てプログラムを遂行してきました。2021年度より、日本社会福祉士会がマクロソーシャルワーク研修をスタートしたこともあり、弊団体がマクロに焦点を当てたプログラムの必要性を訴えることや実施を行う役割は終えたと考えた次第です。2事業を牽引されたメンバーの方のコメントが以下リンクにありますので、よろしければご覧いただけると嬉しいです。
2024年度は、2022年度から試験的に行なってきた制度情報掲載サイトの運用(+チャットボットでの自動案内+オンラインでの問い合わせ対応)を拡張するとともに、自治体の福祉部門との協働事業(社会保障制度のアクセシビリティに関するもの)、中高生を対象とした社会保障制度に関するプログラムを行なっていく予定です。
制度情報掲載サイトの運用(+チャットボットでの自動案内+オンライン相談)
本年9月に、セミクローズドな事業報告会を開催した際の報告資料になります。現在、制度情報掲載サイトは経済支援制度に限定しています。人員の問題で、主たる経路はリスティング広告に限定しています。以下はGoogle広告運用データ(2022/8/1-2023/7/31 )です。
以下が開始から14ヶ月の問い合わせ・相談数(新規の方)です。平均で新規14名(継続の方は除く)ほどの問い合わせに対応しました。(問い合わせくださった方、もし見ておられましたら、連絡くださって、ありがとうございました。)
直近3ヶ月の月次サイト訪問される方のうち、問い合わせ(LINEやメール、チャットでコンタクトを取ってくる方)率は0.004%になっています(例:サイトを訪れる方の人数5000/月のうち、問い合わせをされる方は20名のイメージです)
自治体の福祉部門との協働事業(社会保障制度のアクセシビリティに関するもの)
2022年度に計画策定をご一緒した自治体の①制度・窓口を案内するウェブガイドの導入、②支援記録の電子化の2点を2023年度は要件定義と実装をサポートさせていただいています。2024年には現物が公開されると思いますのでその際に報告させていただきます。
中高生を対象とした社会保障制度に関するプログラム
こちらは、2024年度に開始すべく準備中です。
来年度以降、引き続き、社会保障制度の申請主義の問題に取り組んでいきたいと思います。
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以下は主に個人の活動になります。
教育
武蔵野大学で 人間科学部 社会福祉学科でのソーシャルワーク演習を担当させていただくのも2年目になりました。学生の方には、架空の事例を題材にして、毎回、考える、書く、話す、書くを繰り返していただくのですが、学生おひとりお一人の変化から学ばされることが多いです。同時に、自分の技術的裏付けが曖昧な箇所の点検にもなっています。
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委員活動
内閣官房孤独・孤立対策担当室HP企画委員会委員(2021年〜)
制度や窓口をチャットボットで案内するサイト「あなたはひとりじゃない」を2021年に要望・提案した関係で委員となり3年目になります。
郵便番号を入れることで、当該自治体のマイナポータルとの接続がされるなどの更新がなされました。また、NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、楽天モバイルとの連携による携帯利用料金延滞者へのプッシュ型配信をする際のリンク先とする連携がなされました。
後者について言えば、情報はそれを届ける手段とセットで考えなければ必要な人には届きません。 サイトの中身やデザイン、SMSの通知文面等、課題はたくさんありますが、届ける手段だけを見れば、「今まさに経済的に困っているかもしれない」シグナルとしての料金滞納の情報を有している各社だからこそできる取り組みだと思います。
こども家庭庁 幼児期までのこどもの育ち部会 委員(2023年〜)
昨年度委員となった「未就園児等の把握、支援のためのアウトリーチの在り方に関する調査研究 検討委員会」を持ちこす形で本年度、上記部会の委員になりました。さまざまな支援制度を利用しやすいものにする観点からの意見、そして、SSWや相談支援専門員などの福祉職の待遇等について意見をしました。前者については、文言として盛り込まれましたが、実際の具体的な施策にどうつながっていくのかが不明瞭ですので、引き続き意見・提案を行なっていきたいと思います。
厚生労働省 社会保障教育の推進に関する検討会 委員(2023年〜)
11月に第1回の委員会が開かれました。
現行の高校の先生方が活用する社会保障制度に関する授業の教材等が生徒の関心を引きづらいとのことで、教材をリニューアルしたい、といった文脈において、2022年に刊行した拙著「15歳からの社会保障(日本評論社)」の書き手である私に声がかかったという経緯です。限定的な期待値ではありますが、「人生の早期に、さまざまな困りごとに対応する制度メニューがあること」を知る機会を社会に増やすことができるよう、自身の立場から、できることを行なっていきたいと思います。
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寄稿/書籍等
知らされなかった者たちへ : 社会保障制度の学習機会の不在とスティグマから権利性を考える(臨床心理学 第23巻第3号:金剛出版)
朝日新聞 Re:Ron連載「知らないのは罪ですかー申請主義の壁ー」(月1連載)
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講演・研修
15歳からの社会保障関係で、多くの機会をいただきました。新たな出会いに恵まれ、とても嬉しかったです。
神奈川県立保健福祉大学 「ソーシャルワークの基盤と専門職」(2023年1月)
こどもの権利を学ぶ勉強会「こどもの権利と社会保障」(2023年2月)
大阪精神保健福祉士協会「2022年度 キャリアアップ研修『気づき』からソーシャルアクションは始まる」(2023年2月)
北海道教育庁「SSW活用事業第2回連絡協議会兼フォーラム」(2023年2月)
TOMY'S ACTION CLUB「地域とともに・未来を変える!ソーシャルアクションの第一歩を踏み出すために!」(2023年2月)
紀伊国屋書店『15歳からの社会保障―人生のピンチに備えて知っておこう!』刊行記念 横山北斗さんトークイベント(2023年3月)
本屋B&B「横山北斗×雨宮処凛「学校で教えてほしかった社会保障――ピンチを切り抜けるノウハウを知ろう!」」(2023年4月)
令和5年度独立行政法人国立病院機構東海北陸グループ 医療社会事業専門員等研修(2023年7月)
北区文化センター区民講座「人生のピンチに備えて知っておこう!~『15歳からの社会保障』の著者横山北斗さんをお迎えして~」(2023年7月1)
社会的孤立ネット「連続学習会【 孤立不安時代のつながりと見守り 】社会保障を身近に感じるために―申請主義の課題を考える」(2023年8月)
多気郡地域児童発達支援センター「15歳からの社会保障セミナー」(2023年8月)
東京都教育委員会ユースソーシャルワーカー研修(2023年8月)
松江市社会福祉協議会 スキルアップ研修(2023年11月)
NPO法人わかくさ福祉会 アセスメント研修(2023年11月)
群馬県医療ソーシャルワーカー協会西毛ブロック会(2023年12月)
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メディア・取材
関心を持ってくださり、取り上げてくださった組織・記者の方に感謝いたします。
朝日新聞(2023年1月22日)
KBS京都ラジオ「笑福亭晃のほっかほかラジオ」(2023年1月18日)
週刊教育資料No.1692号(2023年02月27日号)
自著を語る:15歳からの社会保障 人生のピンチに備えて知っておこう!【横山北斗・NPO法人Social Change Agency代表理事】読売新聞(2023年4月9日)
第三文明2023年6月号 著者インタビュー(2023年5月1日発売)
Eduwell Journal「制度を知っていることが、自分や周囲を助けることにつながる!-10代から知っておきたい!「転んだ先の杖」になる社会保障制度①-②」(2023年4月24日)
山梨日日新聞(2023年6月13日)
上毛新聞(2023年10月18日)
・毎日新聞(2023年11月17日)
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ほか
エルワイスさんのアプリ『社会保障のことてん-お金編』に、拙著「15歳からの社会保障」の巻末資料をご活用いただきました。60ほどのお金の制度をサクサクと探せます。よろしければご活用ください。
地元での仕事や他団体へのお手伝いなどはまた次の機会にまとめたいと思います。
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自分ではどうしようもできないことに見舞われたとき、他者や社会によってどのような応答をされたかということの経験的積み重ねが、個人が社会に対し得る信頼のパラメータに影響しているのだと私は考えます。
社会に対する信頼の総和が少ないことが、個人が、崖から落下しそうな壁面(比喩)で、助けてくれと声をあげたりすることを、無意識化で抑制することに影響するとしたならば、目に見える環境を整えることと同じくらい、「誰かが応答してくれるはずだ」という社会への信頼を社会に満たしていくことが必要だと考えます。
自分は社会を信頼で満たしたいのです。 社会を信頼で満たすには、応答性が必要だと考えます。 血縁、地縁、社縁などの共同体から排除されていても、公平に応答し得るシステムが社会保障制度であるべきと考えているので、今は日本国内で、この問題に取り組んでいます。
来年もさまざまな人や組織、社会のシステムと手を取り合い、粛々と取り組んでいきたいと思います。
法人事業や研究に関する資金として大切に活用させていただきます!