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旅①やっと見れた景色

ここ1年間はほぼほぼ出掛けることができなかった
幼稚園に通い始めた子供の体調が安定しなくて
治っては病みをくりかえすだけの1年間だった

風のにおいを確かめる
日差しに当たる

いつも
そうして外に出ることで
自分のモチベーションを上げていたけれど
それができなかった1年間は
本当にキツかった
そんな日々に順応するように
家にいても
楽しい気持ちになるように
めいっぱい考えた

がんばった
耐えた

あの時よりもずっと
外出自粛状態になってた


そして、
今日、
ようやく旅にでた
春休みで
子供の体調も良かったから
ばあちゃんに会いに行く

寒いけど天気は良く
風も強いけど
気持ちのいい1日だった
いい運転ができた
雪がとけた後の
この時期は
1年で1番 心が晴れやかになる

ずっと見たかった
あの街の
あの海の側を
走る

5号線の噴火湾

沖縄のような
青いキレイな海ではない
白い砂浜でもない
おしゃれな建物やお店があるわけでもない
もう誰もいなくなった
崩れた家や
ドライブインが増えていく

さみしくて優しい
切なくてぬくもりがある
地味で
なんの飾り気もない国道沿い
きっとほとんどの人は
つまらないとか
廃れてるとか
思うだろうけど
その何もなさが
さみしさが
自分にとっては
大好きな景色で
小さな頃から変わらない景色で
ずっと見たかった景色


この街の
この海が
本当に愛おしかった
ずっと会いたかった

でも運転してるから
ずっと眺めることはできない
写真も撮れない
他の誰も撮ろうとは思わないから
残ってないけど

この海を見ながら
聞きたい曲があった

写真に撮れないかわりに
この曲の中にしっかり収めた

LOST IN TIME
「明け星」

色、質感、温度、光、風
全部ここに収めた


初めてこの曲を聴いた時
なぜかこの海を思った


さみしくて優しい
切なくてぬくもりがある
少ない歌詞の間の
余白が心地よくて
何度も繰り返し聞きたいと
思ってしまう


その時見えた美しさが
思うようにいかない日々に
一瞬だけ希望をくれる
そして目にじんわり涙を
にじませては
瞬きでごまかした後
目を閉じて
深呼吸して
前を向ける

応援歌や背中を強く押すような
曲ではない
でも
自分にとっては
すっと気持ちよく風が吹く
そう思える
素晴らしき曲

だからまたがんばれる


ここで聴けて
ほんとによかった

音楽と旅はいつでも一緒
音楽と景色を重ね合わせた瞬間
自分が
日常が消えていく

そうか
自分を忘れるために
曲の中の主人公になり
そして
新しい自分になりたいから
旅をしたくなるのかもしれない

その感覚は
私だけだろうか…


さぁ、今回はどんな旅になるかなぁ

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