見出し画像

今年の春は少し切ない

今日のこの街は
本当にあったかくて
薄手のシャツ1枚でも大丈夫なほど
日陰の歩道に雪が残っていたり
大量に雪がつまれたであろう場所
にはまだまだ残ってはいるけれど
公園も雪がなくなってきていて
日曜日の午後だったから
野球をしてる子供たちや
お散歩している人
ランニングしている人
自転車
バイク
春物の上着
スニーカー
冬にできないことの全部が
解放されて
見ているだけで嬉しくなった

でも寂しい

あんなに自分を困らせる雪も
気づいたらどんどん小さくなって
溶けていって
みんな雪のことなんてもう忘れて
あの辛かった日々も忘れて
気持ちはすっかり切り替わって
楽しい方へ向かっている
眩しすぎる光に照らされて
溶けて消えてゆく


雪解けが嬉しくて仕方ないのに
この雪をなぜか
守ってあげたいと
思ってしまう

この雪と同じように
春の日差しの中で
どこかで
孤独な気持ちに
なっている人が
いないと
いいんだけれど

今日は1人で
大好きな場所へ
大きな街だけれど
ここだけ
優しい風が吹いている
心がすっと軽くなる

ここの木々はみんな
背が高くて大きく立派で
ずっとこの場所で
全てを見守ってきたんだろう
広くて大きな空があって
切なくてあったかくて
優しくて少し冷たい
風が吹く場所

東京では桜が
咲いたんだね
遅かったね
でもそういう時もあるよね
時がきたら
ちゃんと
自分の力で咲くことができる

どうか
咲いてもいいと
自分を許せるその時が
きてくれますように

LOST IN TIME
北風と太陽

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?