【詩】遠足
どんなに小さくても
光っている
遠い空の ひめごと
ぽたりぽたり
ざわめき を
撒き散らして
浮かんでいる 雲 は
き い ろ で
何年も 隔たった
壁のように
動かない
意地悪は 言葉から
不吉な 啓示が
母の唇を 震わせて
あっちゃん
今日は 遠足 ち ゅ う し
だって
わたしは 窓が 忍びやかに
斜めに
ゆ れ る のを
み あげる
視界は 不自由で
きっとそれは 涙のせい
(きのう は 晴れてたのに)
わたしは 探し回る 明るい場所を
しゃがむ 草間から 石を 退けると
楽しみがぱっと
放射状に 蜘蛛の子みたいに
散って 消えた
もう 一度
耳から 呼ばれると
それは朝で
あっちゃん
ゆめ 見たのかい
母は 小さく
笑って
ミライを
お弁当箱に
つめていた
空は
か い せ い が
いっぱい浮かんで
今日は
え ん そ く
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