独立するということ②準備

決断したら、次は準備である。

僕の場合、「これがやりたいから独立する」というのではなく「独立するならどんな仕事をしたいか?」というのがスタートだった。とにかく独り立ちして、自分の会社を作り、事業を興し、運営をしたかった。

なぜそう思うのか?は幾つも理由があるし、また個人毎に違うはずだ。ここでは出来るだけ実用的な事を書こうと思うので、なぜそう思ったかは省く。

独立して何をやるか?という問いについては、本来は前項の「決断」のテーマで書くべきだったかもしれないが、書けなかったので本項にて。

何をやるか分からず決断する人もいないだろう、と思うかもしれない。だが、僕は上司に独立したいから辞職すると言った時は何をやるか決めていなかった。でも様々な要因のタイミングもあり、これ以上先延ばしにする訳にはいかないと思い、自分で覚悟を決めるために伝えた。(結果的にはそれから更に約1年後に退職した)

「情熱をささげられる、好きな事を選ばないと続かない」という人もいれば「自分が得意な出来る事から始めろ。好きで選ぶと失敗する」と言う人もいる。

どちらも正しい意見だと思うが、僕は独立するなら得意な事からスタートした方が良いと思う。そして、自分が顧客か仕入どちらかのノウハウを持っている事が大事。「誰に売ったら良いか分らないし、どこで仕入れたら良いかも分らない」そういう商売では上手くスタート出来るはずがない。

大きな資金があったり、豊富な人脈があれば可能かもしれないが、普通に会社員から独立するにはまず現実をしっかり見るべきではないだろうか。

「君は何だってできる」「君はどこまでも羽ばたける」「自由に好きな事だけして生きよ」的な本が最近は多い。確かにそういう本を読むと高揚感を味わえる。僕も経験がある。そして現実に戻るとまた目の前の商売にとらわれていく。またそういう本を読む。。また現実に戻る。。そういう経験のある方はいるのではないだろうか?

何だってできると思いたいけど、出来ない事もあるって。。

どこまでも羽ばたく...ていうか、羽ばたくって何よ??

マイナーチェンジを繰り返す事でフルモデルチェンジに辿り着く。

気が付けば10年前と全然違った商売をしていた。それが上手くいくパターンの様な気がする。

もう一つの大きなテーマ。

会社にどのタイミングで辞意を伝えるか?

僕の場合は伝えてから約1年後の退職となった。最初に伝えた時から上司と何度も話し合いを重ね、業務の引継ぎのタイミングなどを考慮した上で辞職する月が決まった。

しかしこれについては反省している。僕は数年悩み気持ちの準備を進めていたが、上司にとっては晴天の霹靂である。この温度差は大きい。もっと前から、飲んでる時でも良いから「僕、将来独立したいんです」という気持ちを伝えておけば良かった。

もちろん上司によってはそれを聞いて重要な仕事から外されたり、異動させられる会社もあるかもしれない。しかし僕の上司はそんな人ではなかったし、もっと早くから相談すれば良かったと反省している。信頼できる上司ならば、小出しにして自分の意思を伝えても良いと思う。

今日は前職でお世話になったお客様の元を訪問した。

直接担当させて頂いた事は無いにも関わらず、全面的に応援頂けるとの言葉を頂き本当に嬉しかった。そういう言葉を頂けたのも、歴代の担当者が一生懸命頑張ったことにより愛されたからだろう。

退職した今、同じ職場で働いた仲間は本当にかけがえのない存在だと感じる。だからこそ出来るだけ職場の方に迷惑を掛けない様に準備を進め、理解を頂き、後任への引継ぎの際は商圏が無くならぬよう最後の最後まで全力をもって行う。

これが会社を卒業していく人間の美学だと思う。


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