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文学フリマ東京38出店記~呼び込みさえ億劫~

はじめに

 前回の「文学フリマ東京37」の際は、Web Novel Labo様にて「文学フリマ初出店記」として全2回のドタバタ珍道中を書かせていただき、もう要らねえっつってんのにいつまでもわんこそばを椀に叩き込んでくるおばはんくらいの勢いで、ご提示いただいた想定文字数をぶちやぶった私・西野夏葉。

 今回は自分のnoteにて、出店記を残してweb通販の宣伝を兼ねておきたいと思う。
 何卒何卒


出店申込〜当日まで

出店申込

 まずもって、前回の「文学フリマ東京37」でそこそこの部数を売り上げて調子に乗った私は、今回の「東京38」の申込開始早々に出店申込をした。込み合う地域での文フリは抽選になる場合もあるのだけど、なるべく早めに申し込めば抽選無しで出店確定にしてもらえるので、それを狙った。狙ったというか、申込開始後1分くらいにボタンを力強くクリックしたので、全然余裕だった。
 なんの本を作って売るかも考えていないのに、こういう時だけは行動が早い。実際に書き始めるまでには、老人が雑煮を喉に詰まらせず全て食べきるよりも遅いくせに。

 前回は文月八千代さんとの隣接出店を行うことでぼっちを回避した私は、今回も誰か隣接してくれないかなーと匂わせるどころかモロに「誰か一緒にやろうよー」とTwitterでつぶやき続けた。さながら、病み系アカウントが風邪薬の錠剤をぶちまけてフィルターをバキバキにかけた画像を上げるかのごとき勢いで。みんなありがとね大好きだったよ。それ言うの早いって。まだ出店料も払ってないのに死に損なったふりをするな。

 結果、千羽稲穂さんより隣接出店のお誘いをいただき、遠慮なくその申請を済ませた結果が、当日のブース配置。長机で隣り合わせる、西野と稲穂さん。吐瀉物にドブネズミが群がる夜の繁華街の隙間と、夜空に明るく圧倒的な輝きをもって存在するお月さま。どっちがどっちかなんてもう聞くだけヤボだろ。言わせんなよ恥ずかしい(後半は涙に咽びながら)

以降当日まで

 品揃えとしては、前回の文学フリマ東京37で頒布した「アンソロジー本」「短編集」に加え、新たに「嫉妬にまつわる短編集」を一冊製作して挑むこととした。どうせなら新刊がお品書きにあったほうが真新しさがあるのと、単に既刊だけ持っていくのも芸がないな……と考えたからである。後の苦労も考えずにすべてのことを先延ばしにする、私ならではの思考パターンだ。作るのはお前なのにな西野。お前が始めた物語だ。yeah(ああ)……。
 最後のはキアヌ・リーヴスの声で再生して下さい。

 この後、製作途中で駅の階段から落っこちて利き手の骨にヒビを入れるなどのアクシデントもあったものの、どうにか短編を6本拵えて完成したのが、新刊「嫉妬の波形」である。

適当に作ったわりには表紙気に入ってる

 本をどうやって作ったかは先述・Web Novel Labo様の出店レポでも述べているのでそっちを見てもらいたいのだけど、本文を「縦式」で、それ以外の表紙や扉絵その他すべてを「Canva」で製作した。私みたいなセンス皆無の北京原人でもそれなりの見栄えがするものを作れるので非常に便利。あぁ~~~~~文明開化の音ォ~~~~!!!!!!!!

 印刷に関して、私はブックカバーと冊子本体を別々の印刷所に発注したけれど、めんどくさいなら一緒にカバー巻きまでやってくれる印刷所に頼んだらいいと思う。私はただその方が都合がよかったのでそうしただけです。冊子本体は「ちょ古っ都製本工房」様、カバーは「おたクラブ」様で作りました。

 あと最初めんどくさいから今回は試刷せずぶっつけ本番でやろうと思ってたんだけど、やっぱり不安になって1冊だけ刷って読んでみたら、話の構成が完全にハチャメチャだった作品があって安堵で泣きながら直した。確認は大事だよ。前もこうやって作ったからとにかくヨシ!!!!!!とかやっちゃダメ。


帝都侵攻~当日

前日譚

 くそくだらない上に文フリとまったく関係ないので、箇条書きにします。

・ワープア珍獣の西野、東京への移動は今回初めてANAプレミアムクラスを利用。ANA LOUNGEではビールその他のアルコールも飲み放題とあって、朝7時の時点でアサヒ・サントリー・サッポロの3メーカー製生ビールを完飲という快挙を達成。どうせならキリンも飲んでやろうと思ったけどさすがに自粛した。上空35000フィートで嘔吐はさすがに頭おかしいと思うので。
・航空券の予約時点から、最新機材B787-10が充当される便を狙い撃ちした結果、見事ピカピカのプレミアムクラス座席を堪能。無限リクライニングと巨大な座席モニターをいじくり倒し、もうここに住みてえ……と思いながら機内食(朝食仕様)とスパークリングワイン2本を完飲。ここまで書いてて思ったけどお前何しに行くつもりなの? >西野
・昼間はチェックインまで東京駅近辺をうろうろ、夕方から大学時代の友人2名と飲み会、HUBの店員のお姉さんに北海道土産の余ったお菓子をあげたりして調子に乗り、〆に天下一品ラーメン食って23時過ぎにホテルに帰り、就寝。

 飲んでばっかじゃん。こりゃいくら本売ったって、ダメになった肝臓を治すのに金がかかりそうな人生だよ。(声:TARAKO)

 ひとつだけ文フリに関係ある話をすると、飲み会中に「明日はなんの用事? またずとまよ?」「いや今回違うんよ」「なにさ」「まあ、ちょっとイベントが」「文学フリマか?」「えっ」「えっ」みたいな会話がありました。文フリなんて自分で何か書いてる人くらいしか知らんだろうなーと勝手に思ってたのでびっくりした。侮ってごめん。


当日入場まで

前日でなんだかすっかり満足していたが5/19、文学フリマ当日を迎えた。
 今回は八丁堀のホテルに泊まった。しかし、一駅行って東京駅で京葉線から乗り換えるのが鬼ダルかったので、東京駅までは電動キックボードLUUPを利用した。乗ってる分には楽しいんだけど、たぶん車運転してて道の端っこチョロチョロされたらぶちぎれるんだろうなーって感じ。でもキックボード乗ってる身からすると路駐車両が邪魔過ぎるので、警察は裏金議員をふん捕まえられないならせめてこいつらを一人残らずしょっぴくべき。

到着直後。この時はまだ開催イベントの掲示板に何も掲げられてなかった

 前回の「文学フリマ東京37」でも、受付開始が10時半なのに9時に到着していた西野。いくらなんでも早すぎたし今回はもう少しゆっくり行こうや……と思った結果、なぜか8時50分くらいに会場(東京流通センター)に着いてしまった
 仕方がないのでローソンでブースに貼るものをぶりぶり印刷し、出店受付の待機列でうだうだと待つ。ちなみに西野の前には既に10人くらい待っていたし、一般入場待機列はそれよりたくさん並んでいた。ガチ勢恐るべし。

設営

 10時半に出店者受付が開始され、出店者証とリストバンドを引き換えて、今回の戦いの舞台・第二展示場Fホール(2階)に攻め入る。ウララララララァ喰らいやがれ!!!!とばかりに、さっそく設営に取り掛かった。
 前回はノロクサやっていた結果、お隣の八千代さんに設営スピードを追い越される体たらくだったが、今回はそこそこすんなりと設営が終わった。計算通り、かんぺき~カッターを忘れた以外

入場直後

 あとからお越しになった、今回の隣接出店者である千羽稲穂さんにご挨拶。セルフレジの使い方がわからん耳の遠い老人にも親切に教える店員さんのように優しいお方で、胸をなで下ろす。あらためて思ったけど、やっぱこの距離に5時間以上もまったく知らん人がいるの無理だな私は。まだ西野という愛情困窮者を保護してくださる方がいることの喜びを嚙み締めつつ、鬼の形相で菓子パンを貪り食いながら開場を待った。

新刊だけ見本誌を置いといた図

開場

🦔「……人来ないっすね」
🌾「そうですね……」

 などと初対面の取引先の社員とサシで放り込まれた応接室みたいな会話をしていると、徐々に人がじわじわと湧き水みたいに増えてきた。今回から東京での文学フリマは入場が有料化された(※18歳以下を除く)ので、来場者がどんだけ減るんだろう……と思っていただけに「にしてもこんなに減るか?」と半信半疑だったのだけど、このとき第一展示場はてんやわんやになっていたらしい。

 今回の来店者第一号は神代あられさん。この人あられさんっぽいけど違うかなー、と思っていたらまさにご本人でワァオって感じでした。でもその場で「やー、そうだと思ってたんだわァ」とか言ったら爆裂に噓っぽく聞こえるので黙ってましたごめんなさい

 今回が初対面のフォロワーさんもたくさん来てくださりました。ありがたい。こんな休日はパチンコ打ちに行ってばっかのダメ旦那みたいな見た目の奴が西野でごめんなさい。次までには長谷川博己みたいにシュッとなって出直してきます。oh! 血だらけじゃないか西野。

 あと、お名前は分からなかったんですけど「西野さんのTwitterおもしろいのでいつも読んでます!」と言ってくださる方が何名かいらっしゃいました。まじで? 周囲の人々が「書籍化しました」とか「受賞しました」とtweetしてる中で「暑いので、低温調理されてる豚みたいな汗をかいてる」とか誰も得しない情報を垂れ流しているのにですか? 生まれてきちゃってごめん。chu★

 だいたい1時間に2~4冊くらいずつ売れた。隣の稲穂さんのブースにはひっきりなしに人が来ている中、すっかり油断して、自分で割ってしまったお土産のクッキー(札幌農学校)をモサモサ食ってたら「今回は西野さんと隣接させていただいてて~」とご紹介いただき「あっサクサクサクどうも西野と申しまサクサクす」みたいになっちゃったのは非常に申し訳ない。それもこれも札幌農学校が思春期の一人娘くらいデリケートだったのがいけないと思います。

札幌農学校、うまいんだけど箱から取り出しただけで割れます。
あと受験で北大落ちた人に渡したらブン殴られそうだなーと思った

 私は自分がお店で品定めをしているときは「頼んでない時に話しかけてくんな」と思うタイプなので、せいぜい「手前のやつは見本誌なのでご自由にお読みくだしあ」しか言わないんだけど、もっと話しかければよかったかなあ。立場替われば言うことも変わるってやつで。
 毎回めっちゃ力説したい気持ちは山々だったんですけど、ぐっと堪えて「ごめん、商品説明には行けません。今、シンガポールにいます。」って思いながら黙っていました。半分くらいの人はそのまま見本誌置いて去っていっちゃったので、次からはアパレルに勤めてる女くらい「アッそれ気になっちゃう感じですかぁ~?」って話しかけます。嘘です。

 前回の経験から、16時以降はほとんど売れないと踏み、早めに撤収作業をして退散。

 それで帰って……帰らんで。(演:六代目神田伯山

羽根つき餃子の旅

 終わったあと、はのさんと餃子食べに行きました。ちょろっと今回の反省会をしたりしなかったり。基本的に西野は中華食べて青島ビールをキュッと一杯やりながら「これウンメェ」「やべえ」「どうしようもねえ」しか言ってませんでした。一番どうしようもねえのはお前だって感じです。私がはのさんだったら面と向かって言ってたかもしんないわ。


今回の振り返り

ブース構成

なぁ、西野……。お前が運動後のアクエリアスみてえにグビグビ飲んでるマックスコーヒーが一番目立ってんじゃねえかよっ、ぐぅおらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!

・うにぐり、にらちゃんなど自己主張激しめなずとまろホイホイ
西川貴教総裁応援店仕様(フィナンシェの箱)
・キャッシュレス決済対応:Squareリーダー利用
・100均で売ってるモノで適当に作った即席ポスタースタンド

 前回が近所でも有名な思想強めのゴミ屋敷みたいにうるさい見た目だったから、今回は大人しめにしてみた。結構ずとまよのグッズを身に着けている来場者がいたのはきっと気のせいじゃない。嘘じゃない。私もずとまよのTシャツを着ていたので突っ込んでいただけたのが非常に彷徨い酔い温度って感じでした。
 ちなみに手前の電球は光ります。これを「かわいー」と言ってくれる人もいたので、今後も継続予定。これも100均。

 そして、次はちゃんとしたポスタースタンド買おうと思った。材料費が安くても、バラした後で保管するのが超めんどくさい。絶対掃除してたら「これ何?」ってなるし。

販売結果

 前回がかなり調子よかったので、なんとなく(今回は振るわなかったなあ)と思ってしまったのだけど、それでも3種で全30部くらい持って行ってその半分以上は販売できたため、今は(それなりに健闘したんでないかい)と思う次第。あんだけ人がいる中で、偶然立ち止まった人が買ってくださったのは非常にでかい。
 ただ、売価を1000円じゃなくて900円にしてたらもう少し買ってもらいやすかったかも。おつり用意するのが大変になるけど。あと旅費とかを鑑みると、これ以上下げると最初からほぼ出ない利益が完全に吹き飛ぶんですよね。
 まあ頼まれたわけじゃなくて好きでやってるわけだから、割り切るのも大事かなあ。そのへんも含め、ぜんぶ自分の責任でできるから気持ちもラクです。

 東京みたいにたくさん人が来るときは、たまたま通りがかった人が買ってくれるだろう……などという偶然の確率に期待するとちっとも売れないことが容易に想定できるので、次回の「文学フリマ東京39」への出店にあたっても、事前の宣伝はガシガシやっていく所存。39からは会場が東京ビッグサイトへ移るので、未知数なところもあるんだけど。
 あとGIRL NEXT DOORなら「Winter Game」も好きです。

 そして次回は忘れ物をしないようにしたい。今回はカッターをスーツケースに入れたままホテルに忘れてきたせいで、梱包用のテープを千切るのに悪戦苦闘した。すごい適当に封をしたけど、2日後無事に家まで届きました。着払い2000円弱。くぅ~完敗ですwwwwと泣き顔でスマイル。


終了後

 文フリ当日に売れ残った在庫は、前回同様BOOTHにて販売中買ってください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 心の叫びがだいぶ漏れましたね。

 新刊は通販開始後、おかげさまでだいぶ捌けてきた。それ以外の既刊はまだ残っているから、このままBOOTHに並べておいて売れなかったぶんを「東京39」でまた性懲りもなく並べることになるだろうと思う。
 日曜日開催なので「次の日仕事なのに東京まで行ってられるか」という方もいらっしゃると思うし、西野のぼっちサークル"真夜書房"においては、今後も「文フリ→終了後web通販」は継続しゃす。何卒何卒

さいごに

 そもそもがどんだけ本を刷ろうが、普段書いてるものも含め、作品が面白くないと(これはパスだな)と思われちゃうので、引き続き無理のないペースで創作をやっていきます。

 もし小説が完全に鳴かず飛ばずになったら適当にエッセイストとかアルファツイッタラーでも目指します。
 いつまでも、いると思うな、推し作家。
 西野でした。したっけ(北海道弁で「さようなら」)。


夜10時にこんなに食ったせいで、帰ってきたらすげー肉玉になってた。泣いてる。

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