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失業率と不景気の法則

週末のツィーターワールドの定期巡回をしていたら、ロフさんがカナダの失業率についてリツイートしていたのが目についたのでそこからインスピレーションを受けてまとめてみた。失業率は私は今の局面でとても重要だと思う。普段は遅行指数と馬鹿にしているが、注目している。なぜならトレンドが転換する局面を見届けるためだ。失業率が悪化をはじめればまさに不景気がもうそこに来ているということだから。。



■失業率は超重要だ

■遅行指数だが今の局面超重要だ


今は『経済博士』といわれる銅や
半導体や機械受注は1年以上前から減速が鮮明で、
住宅市場はさらにその数年前に天井をうっている。
これらの動きからも全体として既に景気は加速ではなく減速局面というのは
誰の目にももう明らかだろう。

ここで失業率が悪化トレンドに転換し不景気になれば、
住宅、半導体、機械だけでなくあらゆる業種の業績が悪化する。

失業率は超重要だ。
ぶっちゃけこれは遅行指数で過去の確認で
株式市場の未来を指し示す水晶玉ではない。が、今は超重要だ。

株価指標やあらゆる経済指標、CPIは日々上下に振れる。
上ったり下がったりだ。が、失業率は多少の上下の振れはあれど
基本は上昇し続けるか下降しつづけるかだ。

トレンドが明確なのだ。要は不景気でどんどん人が失業するトレンドか
景気が良くて人が全然足りないトレンドかどちらかのトレンドかだ。


■失業率、不景気のわかりやすい法則

①CPI 
②失業率
③不景気
①②③の関係にはわかりやすい法則性が存在する。

①CPIが高い局面で、②失業率が上昇トレンドに転換すると
③不景気が到来する。これは非常にわかりやすい法則だ。
今は①が高いが②が低いからまだ大丈夫だ。
①を低くしようと各国中銀は躍起になっているが、
②がまだ堅調なのでまだ大丈夫。むしろ、株式市場は②が悪化するのを
心待ちにしているくらいだ。利下げが楽しみなのだろう。

①CPI 
②失業率
③不景気

①が高い中で②が悪化する局面が来れば利下げの援護を期待できるが
当たり前だが③が来る。

③が来ればあらゆる業種の業績が悪化する。特に景気敏感業種は一気に
悪化する。ちょっと前まで強気で絶好調の業績が続いていたのが幻のように。
具体的には、素材、鉄鋼、自動車、機械、部品、海運、陸運、半導体などなど。

■かつての景気後退期 失業率とCPIと景気後退期


CPIは上昇したり下降したり忙しいが、
CPIが上昇しても必ずしも不景気はこない。
が、失業率が上昇を始めた時にCPIが上昇もしくは高止まりしていると50年間100%景気後退期が来ている。
※その前の史料は手元にすぐに出てこないが恐らく100年前もそうだろう。

1.1975年 CPI上昇中、失業率上昇転換不景気
2.1980年 CPI上昇中、失業率上昇転換不景気
3.1982年 CPI、失業率上昇転換不景気
4.1991年 CPI、失業率上昇転換不景気
5.2001年 CPI高止り中、失業率上昇転換不景気
6.2008年 CPI、失業率上昇転換不景気
7.2020年 CPI高止り中、失業率上昇転換不景気

1-7まで、CPIが高い水準もしくは上昇中に、下降トレンドから『上昇トレンドへの失業率の転換』すると必ず不景気となっている。
※1.3.4.7は失業率の上昇転換から不景気突入まで時差なしであり、遅行指数の失業率を確認した頃にはもう世の中不景気だっただろう。


■失業率が上がり不景気になれば相対的に強いセクターは

不景気が訪れた時に市場で相対的に強いのが、公益や成長産業だ。
景気関係なく低収益だが収益が安定している公益、
需要が増大し続ける革新的な成長産業も業績は景気に関係なく強いだろう。


補論■利上げ打ち止め前後に強いセクター★超お宝セクター★


■公益強い
■利上げ打ち止め前の半年⇒後の半年
※00年、06年、18年のリターン%

公益    +9.7⇒+17.2 XLU🌱🍀😋
金融    ▲4.2⇒+15.4 XLF
生活必需品 ▲1.3⇒+14.6 XLP
ヘルスケア ▲0.3⇒+11.9 XLV
資本財   +1.8⇒+08.9 XLI
S&P500  ▲0.0⇒+07.5 SPY 



補論■OECD米国景気先行指数からみる景気サイクル

OECD米国景気先行指数からみる景気サイクル
①拡大➡②減速➡③悪化➡④回復➡①拡大➡.…

現在③悪化だが次は④回復局面



補論■景気サイクルで見る強いセクター


現在は悪化➡次は回復。

悪化で強いセクター 
①生活必需  ②コミュニケーション ③ヘルスケア ④公益事業

悪化で弱いセクター
⑩金融  ⑨エネルギー  ⑧資本財  ⑦素材



補論■景気サイクルで見る強いファクター 

現在は悪化➡次は回復。

悪化で強いファクター
①高収益企業選好ファクター  
②投資慎重企業選好ファクター

悪化で弱いファクター
④サイズ小型株選好ファクター 

大型株高収益で投資に保守的な企業が優位


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