見出し画像

インパクト大で、為替が市場を動かしている 


為替について存分にこのnoteでは語りたい。が、いきなり結論。
為替はドル安ドル高どちらに明日転ぶかは誰にもわからない。
まさに丁半博打だ。
その上で、長期固定枠の主力軍団は、国内資産と海外資産のバーベル戦略。
そう、円資産とドル資産を半々ずつのイメージで、
ポートフォリオのバランスをとっていきたいものだ。

短期遊撃部隊は、時流をみつつ機動的に為替を読んで波乗りを存分に
楽しんでいきたい。



まずは、為替が変動する要因と、その要因毎の今までとこれからについて
語りたい。


■対ドルの為替が変動する4大要因



①政治的な要因
②金利水準、金融政策、緩和か引き締めか
③経常収支、貿易収支 
④投機筋の思惑

特に、中・長期的には①政治的要因が大きいだろう。
ドルは、世界の基軸通貨であり、覇権国の通貨だ。
その米国ドルの価値、為替の水準をどうしたいかは
覇権国の意向が、大きく反映されるものだ。

短・中期的には、②の金融政策が大きい影響を及ぼす。
当たり前だが、他国と比較して金融緩和をじゃぶじゃぶ進め、
円をばら撒き、金利を低くすればどんどん為替は安くなるだろう。

また、短・中期的には、実際の金の流れ。まさに実需。
③国際収支の影響は大きい。貿易、計上の収支が赤字か黒字か。
実際のお金の流れの影響は大きい。

さらに、ド短期では、④の思惑が大きい。
実需の為替の決済とは別に
投機筋の為替取引は数百倍数千倍のヘッジを
かけて巨額のマネーが為替市場を飛び交う。




◆今までとこれから①政治的要因


4大要因のうち④思惑はわからない。
が、①政治的②金融政策③収支については
日々、NEWSを見ていれば方向性はわかるものだ。

①政治的な視点でいけば、属国の日本政府の意向よりも
覇権国の米国の意向が優先されるのは常識的にみて当たり前だろう。

その米国の意向は、今まではあきらかにドル高(円安)だった。
過去10年間、アベノミクスで日経平均が七千円台からなんと
四万円を超えた、あの平成バブル頂点 38,915円を超えたのだ。
その大きな大きな理由は、米国の意向でドル高(円安)の恩恵が大きい。
日経平均が七千円台から四万円超へ暴騰する中で、ドル円も同じく
70円台から160円台へのドル高(円安)となっているのは偶然ではない。

2012年11月 アベノミクス始動時はドル円は75.59円
その後、ドル高(円安)が進み、
2015年06月 125.85円
2022年10月 151.94円
2024年07月 161.67円
このドル高(円安)のメガトレンドは、米国の意向に他ならない。

米中覇権戦争が激化する中で、中国への抑えとして同盟国日本の存在は
大きい。かつてのレーガン政権以来、日本をライバル視し経済的に叩き潰す政策を取り、円高で虐めていた時代はとっくに終わったということだろう。

もちろん、メガトレンドはドル高だが3~4年周期の為替のサイクルはある。
最近でも、トランプ政権下の2017年から2020年にかけて、為替は2016年12月118.6円から2020年3月には101.2円まで円高に振れる局面はあった。

メガトレンドはドル高円安でも、これから短期的な経済政策でドル安円高の政策をとることもあるだろう。
インフレも収まって来たということも大きく、
まさに目先の数年間は、ドル円は短期政策的にドル安円高だろう。

が、そのドル安円高はメガトレンドではない。あくまで目先の揺り戻しだ。
中長期的な根柢の政策のメガトレンドは、ドル高円安だ。
これはしっかりと明記しておきたい。

イメージ:
2020~24年 強いドル高円安 
2024~27年 ややドル安円安 ※ドル安政策でも長期トレンドは円安
2027年以降 強いドル高円安 




◆今までとこれから②金融政策要因


4大要因のうち④思惑はわからない。
が、①政治的②金融政策③収支については
日々、NEWSを見ていれば方向性はわかるものだ。

②金融政策について
ここ数年、世界中の中央銀行が金融政策を引き締めに転換し、
通貨価値の防衛、インフレ抑制に動いている中で日本だけは
金融緩和を継続し、世界中へ「円」をばら撒いて来た。
世界中の中央銀行が撤退戦を繰り広げる中で、
まさに黒田日銀は世界の金融市場と日本の株式市場を
一人で支えるという、、一番しんどい役回りしんがり、
殿軍を行ってきた。
もちろん、いつかはしんがりの日本銀行も金融政策を引き締めに
転換しなければならない。

その撤退を指揮するのは、しんがりを引き受け戦線に留まり
続けた黒田日銀の後をうけた植田総裁だ。
すぐに金利を上げていかねばならないが、経済学者らしくレビューと称して
丁寧に丁寧に時間をかけて利上げについては慎重に慎重に対応してきた。
そして、ここにきてやっと0.25%というなんとも僅かながらの利上げを
行った。0.25%では金融市場にはほとんど影響を及ぼさないだろうが、
次の利上げもまた、慎重にレビューなどで見極めながらだろう。

※余談となるが、今回2024/8/5の暴落については、植田日銀総裁の失言のせいという向きが大勢を占めている。が、あそこまでの暴落はおいておいて、定期的な調整がいつ来てもおかしくない需給であったことが客観的な真実だ。
「空売り残高の巨額の積み上がり」、「日経平均の移動平均との高乖離率」、からも失言がきっかけとなっただけ、真理はあくまで需給である。
植田総裁が当たり障りのないコメントをしていても、別の材料でこの夏には多少の暴落(あそこまでの大暴落ではないにせよ)は起きたことだろう。

米国の金融政策もわかりやすい。今はもはやインフレは抑制され、利上げは停止し、あとは利下げを待つばかりだ。そう、撤退戦は上首尾に終わったのだ。急激な利上げと、金融引き締めで市場が大崩壊することなくだ。












今、まさに為替が株式市場を大きく動かしている。
円安が160円まで進み、企業収益は軒並み最高益。
自動車メーカー、関連部品企業や日本を代表する多国籍企業達が
円安の追い風を受けた。しまいには、国会議員やメディア、SNSのインフルエンサー、YouTubeの煽り芸人達が、円安がどんどん進み国民生活が
破綻すると煽る。


国会議員、民衆の煽りとともに日銀の植田総裁のあの7月の会見に至った。
そして、2024年8月5日月曜日、日本株式市場は未曽有の激震に見舞われる。ジャパニーズブラックマンデーと呼ばれる大暴落が起きたのだ。
8月3日金曜日 ▼2217円安となり、さらに8月5日月曜日 ▼4451円と
金曜から月曜にかけて、なんと▼6668円安という大暴落が起きたのだ。



そして、今は為替はどうだろう。
7/10の161円を天井に、円安ドル高はピークをつけて、8月に入ると150円を切り円高が1か月足らずに10円も進む。そして、9月に入ると140円台を割り込む勢いをみせるようになってきた。9/16には140円だ。

数か月前まで、あれだけ円安の恐怖が煽られる中で、企業収益は最高益をどんどん更新してきた日本の株式市場だが、俄かに危ない警報が響き渡る。
これから日本を代表する多国籍企業達が次々に業績の下方修正を出してくることだろう。円高が進みと、確かに庶民の生活は多少はましになる。生活必需品、輸入肉や加工食品などが円安が修正されるのは助かる。が、世界的なインフレは続き、この円安の修正も持続的に続くかはわからない。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?