エンジニアが成長するための基本のキ

成長したいけどどうすればいいかわからない、たくさん勉強しているのに成長した気がしない、何をもって成長と呼べるのか自分は成長したのか実感を得たい・・などこれから成長したいエンジニアや成長させたいリーダーに向けて入口としてどんなことをしたらいいかを書いてみました。

*この本を読んで、毎日この勉強をして、こんな知識や資格を持つと成長できますよ!みたいな特定の条件や役割に当てはまる人に向けた方法は書いていません

成長欲の素

理由は人それぞれなのでこうあるべきというものはありませんが、自分の成長欲の根源となっているものは言語化しておくのが良いです。
何のために成長したいのか、理由や目的が明確だと目標も立てやすく急角度で成長しやすいです。
何となく成長できたらいいなーという場所からのスタートでもよいのでまずは自分に成長したい欲があることだけは確認しておこう。


成長は線形ではない

成長は時間経過に合わせて線形で進むものではなく、自分の持っている時間やその密度によって急角度にしていくことが可能です。

人それぞれに成長曲線があるので、着実に伸びていくことを望む人もいれば、最大限直角に近いレベルで急成長したい人もいるでしょう。 そこには大きな目標や目指すべき場所、追いつきたい人の背中が見えているかどうかもかかわってきます。

2年後にこうなっていたいという姿から逆算して何を学ぶべきかを考えたり、いつかこうなりたいので今できることをもりもりやっていくぞと考えることもあります。 まずは自分が今見えている範囲でどんな作戦が取れるか考えてみましょう。


どうやったら成長できるのか

たくさん勉強すること?
すごいエンジニアの元で働くこと?
急成長の会社に転職すること?
どれも合っているように見えますし間違ってはいませんが、エンジニアの成長はそれだけではありません。
人之賢不肖、譬如鼠矣。在所自処耳という言葉はありますが、環境のせいにしない成長も可能です。(幅は狭くなるかもしれないが)

まずはじめに、どうなりたいか?どうありたいか?を明確にすること。
ありたい姿もないままに成長しようと思っても行動に移せません。 そこに近づくために何をすべきかを考えられるようにする必要があります。
具体的な目標を定めるのが難しくても、どうなっていたいかはイメージしておきましょう。(それが難しいんだよというのはありますが)

次に日々のふりかえり(最低でも週1回)を忘れずにやる。
ここではYWTのフレームワークをお勧めします。 内省や反省、省察が重要です。 ここで得られた気づきが大きな学びになります。
そして気づきを得るために重要なこと、それは”行動”です。

行動する→経験する→ふりかえる→気づく→学ぶ→行動する(以降繰り返し)

行動からの流れを習慣的に繰り返せるようにしておくと、行動するたびに学びが得られるという状態になります。
例えば、”駅まで歩いた”という行動に何の学びもないと思うかもしれませんが、何に気をつけたか、どんな景色が見えたか、ふりかえれば気づきがあったことがわかり、そこから学べることが見えてきます。(これは歩かないとわからない)

行動はしたけど何の学びも得られないぞ?と感じたら、”観察”が足りないもしくは観察している深さが足らない可能性があります。 表面的なことだけではなく自分の感情や周りの状況、変化したことに注意を払ってみましょう。(感情を書き出してみるのはわりとお勧め)

*ふりかえりのヒントも少し書いたので参考までに

さらに成長していくために、個人のふりかえりも大事ですがチームでふりかえりすると他人の学びも自分の学びにできるのでさらに倍速で成長できる機会を得られます。


コミュニティへの参加で成長を加速させる

自分の時間を割けるなら開発者コミュニティへの参加も非常に有用です。 プライベートはもちろん会社にいても得られない有用な情報や大勢の経験が集まったコミュニティでは、単に知識や経験だけにとどまらず多くの学びを得ることができます。
運営側に回ったり登壇したり、自分のスキルを伸ばす方向が多方面にあるので大いに活用しましょう!そしてそれをまたコミュニティに還元しましょう!


成長させたい側の観点

成長は本人だけでなく、会社の上司やリーダーだって部下の成長を願っています。 世界中どこでも通用するスキルを身につけてなおそこで働く理由を持ってもらうことが究極でしょう。 そうなってもらうために何をすべきか?

経験上メンバーの成長を阻害しているのはリーダーや上司、組織/会社であることが多いです。 それも意図していない場合が多い。
取らざるを得ないリスクや手戻りの回避、これまでの苦労を味わいたくないなど、自分の経験からよりうまくやろうという力が働きます。
過去の成功体験も邪魔をします。
行動したことでしか得られない経験値を周りが削り取っている(そもそも経験しなくていいようにしたりする)事実になかなか気づかないので要注意です。

人は行動して経験して気づいたことから学びます。
ただし行動の動機づけが、指示命令では学びが薄くなります。 オーナーシップや主体性が成長を加速させる要素の一つなので、何か一つでも責任を持って任せる(最後までやらせる)ことを推奨します。 リーダーは、考えてやること/たくさん失敗すること/どうやるとうまくいくかを考えることをアドバイスしたりアシストします。

自分が思う正解を与えたり切り出したタスクを与えてると思考力が奪われて徐々に成長速度が鈍っていくのでこれもまた要注意です。


成長を実感するタイミングはいつ?

さて、エンジニアはいつ自分の成長を実感するのでしょう?
理想は”昨日の俺より今日の俺”と言えるだけのアップデートがあることだと思いますが・・・・それは難しい。

差分を見ることでわかることが多いので、ふりかえりの記録をとって比較できるようにしておくと成長を実感しやすいです。 日記でもいいと思います。
1年前の自分のTweetを見て何だこいつwwと思えれば多少成長していることがわかるかも?

いや、自分の成長を自分で計れないことも多いので、積極的に1on1や評価のタイミングで日頃の成長を客観的にフィードバックしてもらいましょう。
自分の位置が把握できるだけでも成長を実感できますし軌道修正も容易です。

個人としてもチームとしても成長を望むリーダーであれば、任せたことをやり切って充実感に浸るメンバーを褒めて伸ばし、本人に成長を実感してもらう評価をしましょう!
思っている以上に他人からのこまめなフィードバックと評価は成長に重要な成分となります。

何かを覚えたりできなかったことができるようになったのも成長ですが、単に引き出しが増えることだけを成長と捉えずに、自分だけが経験したことや見えた景色、そこに至るまでの苦労も成長の証です。 去年とやっていることが同じでも、また同じ失敗をしたとしても、進んだ時間の分だけ成長した自分が体験しているいることなので、また違った学びを得ているはずです。


さいごに

自己肯定感や承認欲求、充実感を得られたかなど成長していく過程で影響を及ぼすものは多々ありますが、まずは自分でできることからやってみましょう。
①ありたい姿を思い描くこと(成長した自分)
②自分の成長にもっと興味を持って、思い立ったらすぐ行動してみること。
③小さな行動を意識して実行して結果をふりかえること。
④客観的に評価やフィードバックをもらうこと。
⑤ときどき自分のありたい姿と現在地を比較して軌道修正すること。
成長に飛び道具はないですが、急角度にするための行動を起こすことは誰でもできます。

いや、もっと具体的な勉強方法とかショートカットする方法を教えてくれよ!と思ったら、もうあとは行動するのみです。 成長する人はわからないことを放置しないですぐ行動に移して解決しています。
考えている時間も大事ですが、たくさん行動した人=経験値を得た人=成長した人なので、どんどん動いていきましょうー💪

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