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Encry テイスティングセミナー (2019.03.10)

近所のイオンリカーで開催されたシャンパーニュメゾン Encryのセミナーに参加してきた。

このメゾンのイタリア人オーナーエンリコが来日し、10人規模のセミナーを開いてくれた。因みに、2004年の参入に際し、フランス人以外の参入は前例がなく、実質RM(レコルタンマニピュラン)だが、フランス政府はMAという新しいカテゴリーを作ったようだ。

私は普段シャンパーニュは飲まない。苦手なわけでなく、単純に高いからだ。瓶内2次発酵の泡が飲みたくなったら、CAVAを選ぶだろう。しかし、今回は2,160円でブラン・ド・ブランが3種テイスティングでき、かつふらっ~と近所の酒屋に寄り、ほろ酔い気分で帰るのも面白いかと思い、参加を決めた。

もう一つシャンパーニュを普段口にしない理由を上げるとすれば、それは酵母由来の旨味よりも、品種の個性を楽しみたいからだろうか。シャンパーニュ製法で作られるワインは、シャルドネなど比較的個性の少ない品種を用い、酵母由来の旨味を長時間掛けて引き出す。法律的なことは置いておいても、ソービニヨンブランなど個性の際立った品種が用いられることは少ない。私はこういったワインも嫌いではないが、どちらかというと品種の個性によりロマンを感じてしまう。

さて、今回のセミナーだが色々と微笑ましく楽しかった。オーナーのイタリア語を輸出部長(?)の方が英語に直し、インポーターの司会者がそれを日本語に直すという伝言ゲーム。自分も秋以降、同じような経験をするかもしれないと思い、他人事ではなかった。少なくとも皆さん頑張っていたので、スムーズには見えた(笑)

また、プレゼンはインポーターのPCを使って行われたが、パワーポイントではない何らかのアプリが使われており、それが自動で動いちゃうのか、少なくともオーナーの思う通りに動かず、中断と再開を繰り返した。オーナーも"Sorry"と何度も謝っていた。

今回はどういう状況だったか正確には分からないが、これもあるあるだ。私も自分のPCで動作確認したものが他人のPCでは思う通り動かず、何度焦ったことか。

本日供されたワインは全てル・メニル・シュール・オジェ村産100%で作られている。より正確に言うと、SalonとKrugの間にある畑から採れた葡萄で作らている。オーナー本人もラッキーと言っていたが、どうやって外国人である彼がこれほど好立地の畑を手に入れることが出来たのだろうか。富も運も両方持っているということか。

本日試飲したワインは以下の3種。

① エンクリ ブリュット グラン・クリュ
② エンクリ ドザージュ・ゼロ グラン・クリュ 
③ エンクリ ミレジム グラン・クリュ 【2009】

いずれのワインも、品種本来の個性をマスクしたくないという理由でステンレスタンクのみで仕上げらており、③だけマロラクティック発酵しているが、スタイルは一貫している。

個人的には②が好みだ。❝ドザージュ・ゼロ❞は門出のリキュールを添加していないことを表し、ワインが辛口であることを意味している。しかし、ワインの中にはアルコール由来の甘味が存在しており、②のワインからも甘味が感じられる。私はこれで十分だ。

最後に質問タイムがあり、折角なので1つ質問してみた。プレゼンに使われた写真の中に、オーク樽が写っているものがあったので、これは何かと聞いてみた。私自身は決して意地悪で聞いた訳ではないが、司会者が「確かにそうですね、聞いてみましょう!」と言ってオーナーに嗾けるものだから、ちょっと主催者側がバタバタした感じになった(笑)。結局は実験用にオーク樽で寝かせているワインがあり、それが写っていただけということだった。

いずれにしても、何とも人間臭いセミナーだったが、これはこれで面白かった。また機会があれば参加しよう。




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