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「小布施ワイナリーの日本酒」から「サケエロティック」に深化するまでの歴史

元々小布施ワイナリーさんは、清酒蔵としての起こりの歴史があって、2019年12月今現在の代表取締役兼栽培醸造責任者の曽我彰彦さんの先代から、細々とでもいいから日本酒を造って欲しい、という希望があったのだとか。ワインの一大産地フランスはブルゴーニュなどで修業した彰彦さんは自他ともに認めるワイン人間ですけども、宿命的にも酒造りを行なう責務を担い、傍からみると二足のわらじを履く事になりました。ただ一人の醸造家として酒造りにも高い意識をもって臨み、ワイナリーとしての酒造りを探求する一方で、専業で酒造りをする方々への敬意から彰彦さん達御自身達は「趣味のsake造り」などと称しているのをモノのラベル情報から御覧になられた事がある左党様達は少なくはないかと思います。


さて、小布施ワイナリーさんは2011年3月のダイレクトメールで培養酵母など無添加の生酛造りを宣言しました。今ではちらほらと酵母無添加生酛造りのSakeを見かけますけども、当時は商品として片手の指で足りるほどのものしか存在しなかったのではないかと、当時で十年ほど酒類業界に身を置いた自分としては思った次第でした。やるからにはとことんやるのが彰彦さんです。

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余談で、2011年3月のダイレクトメールでは全商品純米化宣言もされました。

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その前年にはアルコール添加のものを造る意味を語っているにもかかわらず(笑)。本当に日々考えて、より良いものを探求するのが彰彦さんです。

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上述の商品のヴィンテージは2010です。小布施ワイナリーさんでは原料米の収穫年がラベルに表記されます。当時は生酛造りのものは酵母無添加のみでした。下記画像は当時の商品リスト。

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その後、2011ヴィンテージには様々なタイプの生酛を造りました。クラシック、ノスタルジーなどの商品名が冠されました。自分が自らの酒場で扱うようになったのはこのヴィンテージからです。

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そして2012ヴィンテージから、通常使用される事がなかった協会の1~5号酵母を復刻醸造。2013ヴィンテージも同様でした。


そして遂に2014ヴィンテージに至ります。そもそも小布施ワイナリーさんでは、生酛造りは出来ないと過去のダイレクトメールで語っていました。主業がブドウ栽培ワイン造りなので酒造りに要せる期間が限られ、その為に時間が掛かる生酛造りには臨めないと。当時の直近の2012~2013ヴィンテージの生酛の商品は各2種ずつ、多かった2011ヴィンテージでも4種でした。

それが、2014ヴィンテージは一気に全商品の生酛造り、全9種の商品にして仕込みタンク数で言えば12本にもおよぶ酒造計画が立てられ、春のブドウ栽培作業開始から逆算して、今までに経験した事がなかったほどい早めの酒造りのスタートに取り組まなくてはならなかったはずです。予期せぬ事態にも見舞われた事でしょう。。。と少し歯切れの悪い言葉使いをせねばならないのは、当時の事はあまり詳しく彰彦さんにはお聞きしていないから。何故なら彰彦さんは当時倒れてしまったからです。2014年から2015年の年末年始は病院でお過ごしなられました。下記画像にも記載あります。

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