一本だけで寿司を通して楽しめるワイン
ワイン名:デヴィーナ 2020 スロボドネ・ヴィナルストヴォ
生産地:スロバキア・小カルパチア地方
タイプ:オレンジ
品種:デヴィン
価格(税抜):¥4,000
寿司とワインを合わせるということ自体は珍しくなくなりましたが、その際ひとネタ毎に合わせていくという考え方が一般的となっています。
もちろんネタごとにベストなペアリングというのは存在しますが、何貫も出てくるお寿司のネタごとにグラスを変えてゆくというのは現実的ではありません。
そこで最近粋であると言われている嗜み方が、タイプの異なるボトルを2本用意し、ネタごとにグラスを行ったり来たりするというやり方で、近頃までは私もそれがベストなやり方だと思っていました。
しかしこのワインと出会ってから、一本だけで寿司の最初から最後まで通す方法があるということが分かりました。
というのも、ジンジャー系に加えて柑橘系の酸があるので、まさにガリのような役割をこのワインが果たしてくれるのです。
デヴィンというスロバキアの地品種は、トラミナーとフェルトリナーの交配品種です。両種のいいとこ取りをし、さらに軽く醸しを加えオレンジワインに仕立てたことで、酢酸ジンジャー感がバッチリ出ています。
寿司を一貫食べこのワインを口にすると、口中がリフレッシュされてまた次の一貫を食べたくなる、言うなればまさにガリワインといったところ。
旨味を増幅させるペアリングではないので、新しい味覚の発見ということには至りませんが、握りの前のつまみから、塩、醤油、詰めなど、どのような一手を加えたネタでも一本だけで対応できるワインというのは、非常に貴重です。
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