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【ご紹介】スコットランドの蒸留所の歴史を視覚的につかむツール

ラフロイグ蒸留所の個別史をたどりながら、スコットランドにおける家族経営の蒸留所が売却されるタイミングについてもっと調べてみたいなと思っていたところ、以前Twitterで共有されたすごいツールを思い出しました。

「DCLすごい!ウィリアム・ロスさん買収しすぎ!」と思わず興奮するものですが、ここまで分かりやすいツールってなんてすごいのだと再認識しましたので、作成者の方がご快諾くださったこともあり、ここでぜひあらためてご紹介させてください。

このツールは誰が構築なさったもの?

このツールは、ブログ『酒は人生の妙薬』を執筆されているK.67さんが作成されたものです。
K.67さんは、2018年12月に、ウイスキー好きなご友人の方々とともに写真・作品展を開催されており、そのときに購入させていただいた素敵なポストカードは、今も私の部屋の壁に飾ってあります。ポストカードを拝見するたびに、ああ私もスコットランドに行きたいなとかみしめております。

〔Tool.1〕蒸留所のオーナーの推移

K.67さんのツールは2パターンあります。1つ目は蒸留所のオーナーの推移です。パソコンやスマホで開いてみると、オーナーの推移が色別になっているだけでなく、右横にある絞り込み機能を使うによって、ピンポイントで調べたい要素(例:〇〇蒸留所の〇〇年時点のオーナーは?、〇〇社が所有していた蒸留所の一覧と所有時期は?等)を視覚化できます。面白い!

さらに、このとても興味深く直感的に分かりやすいツールの元データまでExcel形式で共有してくださっている太っ腹さ、感激です。ラフロイグ蒸留所の調べもので、自分でもscotchwhisky.comのデータ抽出をやってみたのですが、ITスキルが低い私ではTIMELINEのコピペすらできなくて、ものすごく時間と手間がかかったんです。。ツールの共有、本当にありがたい限りです。

〔Tool.2〕年代別蒸留所の増減

2つ目は、その年にいくつの蒸留所が新設や再稼働され、あるいは閉鎖されたかという数の増減がわかるツールです。「パティソンズ社が倒産した1898年と前年1897年には新設の佳境があるな」ですとか、「1965年に新設が多いのはなぜだ」ですとか、「1983年閉鎖しすぎ」というように、傾向とその年の特徴がつかめます。
さらに、右上の▶や◀ボタンを押すと、自動で時代が進んだり遡ったりしながら、地図上の蒸留所の位置を示すオレンジや灰色の●印が増減するので、「スペイサイドに集中して増えたな」ですとか、「ローランド閉鎖ラッシュ」というような動きが見られます。面白い!

「The Wigtown」さんのDHCプロジェクトへの期待:蒸留施設の改修や製造工程の変化を知りたい

吉祥寺にあるスコティッシュパブ「The Wigtown」さんにおいても、2020年5月の時点で、蒸溜所の歴史をチャート化するプロジェクト、通称「DHCプロジェクト」を完成されており、まさに私が気になっているスチルの増設を含む施設改修や製造工程の変化についてデータ化なさっているようでした。

ウィグタウンさんのDHCプロジェクトの公開を心待ちにしつつ、自分もしっかり調べて、仮説を検証していきたいと思います。