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音源設定メモ05 Roland SE-02 その05 公式Editor導入記

〜ウインドシンセ用の音源の設定の備忘録シリーズです〜

 Roland SE-02、音色の保存ができるのは良いんだけど、どういう設定になっているかはわからなくなってしまうのでこれを克服すべくエディターを買って試してみたと言うお話。

 リアルアナログシンセなのに作った音色を128種保存できる点、僕がSE-02を買った大きな理由の一つですが、保存した音色を呼び出しても、当然ですが物理的なツマミがうい〜んと動くわけもなく内部的にパラメータが変わるだけでして、要するに前作った音色の設定がどこがどうなっているかはわからなくなってしまう、ブラックボックス化してしまうのが致し方ない欠点。
 しょうがないので最初の頃はいちいち写真を撮って記録したりしてましたが、何個か音色作った時点で管理しきれなくなったので、SE-02所有の先輩方から教えていただいたSTUDIO ELECTRONICS開発、Roland公認のEditorを購入しました。
https://www.studioelectronics.com/products/synths/software/se-02-editor/

MacまたはWindows、スタンドアロンまたはプラグインとして動作。以下半年ほど簡単に使ってみた感想。

良い点
・プリセット・ユーザーバンクどちらの音色も、全てのパラメータが画面で確認できて、番号だけでなく名前つきで管理できる(プリセット音色はSTUDIO ELECTRONICS命名の音色名が表示される)。プリセットバンクの音色のパラメーターを見て勉強できるだけでも充分価値あります。
・SE-02本体のツマミを動かすと画面にリアルタイムで表示され、NuRADをつないで例えばブレスのCC74でCUTOFFを動かしていたりすると画面上のCUTOFFツマミもリアルタイムで動く。吹きながら最大値までどれくらい余裕があるか見れるので便利。
・スタンドアロンのエディターを立ち上げてUSB接続でSE-02と接続、NuRADとSE-02はMIDIで直接接続。SE-02背面のオーディオ出力からパソコンでなく外部ミキサーに接続、と言うパソコンは単にエディターとして使う、と言う方法で音作りの便利のために利用するぶんには全く問題なく非常うに有用。
・エディター無しで本体だけで作った音色も読み込ませて管理できる。
・音色を外部ファイルとして保存、再読み込みもできるのでプリセットバンク上限128を超えても大丈夫。

イマイチな点
・スタンドアロン版ではMIDI Learnができるらしいのだが僕の環境ではどうしてもうまくいかなかった
・DAWと連携するはずなのだが、僕の環境ではMIDI FXとして立ち上げるとその後一切そのMIDIトラックの音が出なくなってしまう。つまりDAWと連携できなかった(僕の環境:MacBook Air (M1, 2020) OS11.5.2, DAWはApple Mainstage 3.5.3)。本当はMainstageのパッチを切り替えるとSE-02の音色も変わって、SE-02をその場でエディットすればそれも記憶されて、他のソフトシンセの音色も変わって一緒に鳴る・・・ていうのを期待していたんですが残念。

結論
とはいえ、単純なエディターとして、またプリセット及び自分でつくった音色のパラメーターを確認できるだけでも充分すぎるくらいに$24.99の価値はあり、というのが結論です。SE-02でしっかり理解をして音作りをしたい方は必須と言えましょう。

きちんと動作するとこんな感じになります。

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導入時メモ

というわけでDAWとの連携など不安定な部分はあるもののEditorとしては充分満足してはいるのですが、最初インストールするときも結構トラブル続きでしたので、顛末をメモしておきます。買ったは良いけど困ってる方の参考になれば幸い。

1.購入&インストール
デモ版はありません。お試しせずいきなり購入するパターンです。

上記リンク先の「PURCHASE」から「SE-02 Software Editor - Santoul Suite」を選びます。直リンクはコチラhttps://www.studioelectronics.com/online-store/index.php?rt=product/product&path=72&product_id=187

実際の購入には、最初にSTUDIO ELECTRONICSのアカウントを作ります(無料)。その後購入手続きに入りますが、支払いは基本的にPayPal経由のクレジットカードになります。なのでPayPalのアカウントも事前に作っておく必要があります(無料)。
両方のアカウントを作った上で普通にPurchase。24.99ドル=2021年6月購入時点で約2900円でした。支払いが終わるとMY ACCOUNTのページに「Download」と言う表示が出ますのでそこからダウンロードし、インストール。

2.SE-02のファームウェア最新版とドライバのインストール
 これとは別に、エディターを使うためにはSE-02が最新ファームウェア(執筆時点で1.11)にアップされていることと、SE-02をMacまたはWindowsに認識させるためのDriverがMac/Windowsにインストールされていることが必要です。Driverを入れていないとSE-02がMIDIデバイスとして表示されません。両方ともRoland公式ページからダウンロードしてインストール。これは無料。https://www.roland.com/jp/support/by_product/se-02/updates_drivers/

3. Produit ID取得、それをメールで送ってactivation key入手。
 エディターをインストールして起動すると、この時点では全く使用できません。説明書に従って、エディターソフトにProduct IDの番号を表示させた後、その番号をSTUDIO ELECTRONICSにメールで送って、そのメールに返信されるActivation Keyを入力する必要があります。メール返信は自動ではなく担当の方が人力で行うようで、「返事するまで何分か待ってくれ」と公式サイトには書いてあるのですが僕の場合は2時間後に返信がありました。まあこの辺は慌てずにと言うとこでしょうね。
こちらから送るメールは特に本文らしきものは無くても大丈夫で、とりあえず僕の場合は件名activation key(SE-02 Editor)、本文はProduct ID取得画面のテキストのコピペ、念の為自分の名前とメールアドレスだけ打って送りましたが問題ありませんでした。この辺わかりにくいので公式サイトの下の方に動画で解説がありますので参照。

4.トラブル発生(と解決)
 でですね、activationまでは上手くいったのですがその先になかなか進めず、MIDIソースとしてSE-02は選べるのですがどうしても繋がらない。試行錯誤の末、「別途接続していたRolandのMIDIインタフェース(EDIROL UM-2EX)が干渉していた」ことが判明。これを取り外してApple MIDI設定のマップからも削除したら繋がりました!
 さらにですね、繋がったら次はユーザーバンクのパラメーターをSE-02から読み込む、と言うのを行わないと次に進めないのですが、この読み込みがどうしてもできない、前期の動画解説にある「青文字でget bank表示が出る」という動作にどうしてもならないので、これもかなり色々試行錯誤したのですがうまくいかなくて、今年初めまで使っていた古いMacBook Pro(Intel, Early 2011, OS10.12.6)の方にインストールして同様の作業をしたら、問題なく動作するようになりました。
で、後日、同じくEditorを購入した同好の方に教えていただいたのですが、Mac OS11の場合、システム環境設定のセキュリティーとプライバシーのプライバシーの”3つの項目”」でSE-02 deitor.appに「許可」をしておかないと動かない、とのことで、それくらいマニュアルに書いといて欲しいのですが、とにもかくにもそのとおり「許可」したら僕の最新環境(MACBOOK Air, M1, 2020),macOS11.4)でも動くようになりました。Mac版の導入を検討されている方はお気をつけください・・・

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※システム環境設定→セキュリティーとプライバシー→プライバシーから
「入力監視」、「ファイルとフォルダ」「オートメーション」の3つの項目でSE-02editor.appにチェックを入れて「許可」することが必要。

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余談。
このEditorがMainstageで動かなくで悔しかったので自前でMainstage用のconcertファイル兼エディターを試作しました。一応動くけど、重くてライブで使えるレベルの安定性が無いので、お蔵入です。。。

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