音源設定メモ01 Roland SE-02 その01
〜ウインドシンセ用の音源の設定の備忘録シリーズです〜
NuRAD用に"パッチがメモリーできる最近のアナログシンセ"が欲しくて買ってしまいましたRoland SE-02。
Roland公式サイト:
https://www.roland.com/jp/products/se-02/
なんせ本家Mark SterinerさんがNuEVIでCV使ってあれこれやってるし
NuRADとの相性良いはず!と音色メモリーできて小型で比較的安価、net上での音色の評判も上々、ってだけであまり深く考えずに選びましたが、いざ買ってみたら結構、設定にコツが必要だったのでメモ書きします。
まずは公式サイトから、取扱説明書をよく読む必要あり。またSE-02は全てのツマミに固定のMIDIコントロールチェンジ(CC) No.アサインされておりMIDI インプリメーテンションチャートに記載されているのでそれも必読。
https://www.roland.com/jp/products/se-02/support/
1.ウインドコントローラー側設定
結論から言うとブレスの出力として最低限、VOLUME (CC7)と、AftertouchまたはCC74が必要です。つまりEWI-USBでも何とかなりますが、できればさらにもう一つ、ブレスから任意のCCを出したいところなので、EWI5000かNuRADであれば大丈夫。
■以下はNuRADでの僕の基本設定。
・Breath出力A:Volume (CC7), SE-02の音量をコントロール。
・Breath出力B:CC27, SE-02のVCO2の音程(FINE)をコントロール。
・Breath Aftertouch出力:ON, SE-02のVCF cutoffをコントロール。
・右親指LEVER →Glide ON (CC5), SE-02のグライドタイムをコントロール。
・Lip Plate:まだ使ってないけどそのうち何かに設定する予定
※ちなみにSE-02はCC2、CC11は認識せず無視される
【注記:トラブル回避に重要なNuRADの設定】
・ VelocityはとりあえずDYN(動的)は避けて、任意の固定値にする。どうしてもDYNにしたい場合はVEL DELAYをゼロまたは極力小さい値にする。そうしないと音の初めにパツパツしたノイズ的なアタックが入ってしまうため。
・POLY MODEはとりあえずOFFにする。ONにした場合意図せずPOLY MODEに入るキーを押してPOLYモードにうっかり入ってしまった場合、音のつなぎ目に時々ブツブツ鳴るノイズが入ってしまうため。SE-02はモノ音源なので単独使用ではONにする意味がないのでトラブル低減のためOFFが無難。
さて、通常ウインドシンセの設定ってCC2でフィルターcut off freqをコントロール、極端に言えばそれだけでOKなのですがSE-02はそれだけだとピアニッシモで演奏した場合にNote ONの時に音の立ち上がりにパツパツと鳴るノイズが入ってしまうので、Volumeもブレスでコントロールしてこれを消します。シンセによってはこのノイズはVCAのADSRのアタックを少しだけ遅くしたり、ADSRのSをブレスコントロールする設定にしたりすると消えることがあるんですがSE-02ではその設定ではうまくいきませんでした。
で、フィルターの方は、SE-02はアフタータッチまたはCC74が割り付けられているのでこれでコントロール。なお通常はアフタータッチが想定されているようで、[PATCH SETUP]という設定項目でその効き具合を調整できる用にもなっています(取説参照)。僕の場合はこれをとりあえず最大値の127に設定。
※1:基本はこの127で良いのですが、後述するブレスCV併用の場合はお好みで減らす。僕の場合、ブレスCV併用の場合はとりあえず50に設定。)
※2:NuRADの場合、CC74の送信上限の設定ができないので、アフタータッチでなくCC74を使うと、息を吹き込むと結構すぐにフィルターが全開になってしまうので、フィルターが開ききっていない音色が欲しい場合はかなり難しい。アフタータッチならこの問題は無い。CC74とアフタータッチ同時送信の場合はCC74単独の時の挙動とほぼ同じになる。なおEWI5000はCC74送信上限値設定できるのでCC74でのこの問題は大丈夫かも)
Breath Bは設定しなくても問題ないですが、僕はいわゆるSYNC音色が好きなので、これをやるためにBreath BにCC27を設定。そうするとVCO2の音程がブレスで変わるのでこの状態で「SYNCスイッチ」をONにしておくと、VCO2の音色が息を吹き込むと「くわーくわー」となる、マイケルブレッカーがIn A Sentimental Moodとかで使っているSYNC音色になるわけです。
あと、細かいですがNuRADのBreath Bはブレスカーブの傾きが変えられるのですがここの設定値は「✖️1」で。これを大きくするとすぐに最大値になってしまい期待する効果が得られません。
2. SE-2側設定
僕は「VCFのADSRとビブラートとかのLFO的音色変化はなるべく息とベンドで表現してつけたい派」なので
・VCFのエンべローブはADS全てゼロ(ただしCONTORを有効にしたい場合はSを最大または任意の値)
・VCAのエンべローブはADはゼロ、Sは最大
・LFO/GATEスイッチはGATE側。
・LFOはとりあえず基本としては使わないので全てゼロ。
・とりあえずOSC2のSYNCスイッチはON (ケースバイケース)
・とりあえずMTRIG(マルチトリガー)はOFF (ケースバイケース)
一番良い設定を見つけるのに苦労したのがGLIDEツマミ周りの設定。
SE-02は元々モノシンセだからなのか、ポリシンセで良くある「Poly, Mono, Legato」の設定ボタンが無いんですね。Legatoにしないとフォルテで吹きながらタンギングせず運指だけを行うと音の切れ目にちょっとだけアタックが入ってしまいスムーズさに欠けることになってしまうのですが、この設定が無いのであれこれ試してみまして結論としてGLIDE周りの設定で解決。
いわゆるLegatoモード的な挙動にしたい場合はGLIDEをEXPにする。グライドタイムはとりあえずゼロで良い。
いわゆるMonoモード的な挙動にしたい場合はGLIDEをOFFにする。
GLIDEをLIN(リニア)にすると、その中間できな挙動(ごく弱いアタックがつく)
僕の場合は通常はEXPでグライドタイムゼロ。ただしFusion系の曲をコピーするときなどではOFFやLINにした方が原曲のイメージに合う場合もあるのでケースバイケースですね。
これを基本として、いわゆるザ・スクエア時代のリリコンのSAW波音色っぽい設定にしてみたのが上の写真。シンプルにVCO1がSAW波で(VCO2、3は使用せず)、カットオフは最初から少しだけ開いた状態でからブレスでコントロール。レゾナンス(EMPHASIS)少し。内臓ショートディレイをWET40%くらいでかけて、外部エフェクタでリバーブかければOK、みたいな感じです。
テスト的に吹いてみました。最初がこのシンプルなSAW波(ディレイは不使用)、途中Pulse波にSYNCをかける音色に切り替えてます。
3. あとは細かすぎるメモ。
・NuRADで息を入れた時の変化は大体各ツマミの最小値から最大値まで変化するっぽい。変化のカーブの設定や、最小・最大値の設定はできないので、細かな作り込みには限界あり(ブレスでレゾナンスをちょっとだけの範囲で動かしたいとか)。
・Pulse幅は固定の3つの幅を選択する仕様。ブレスでPulth Widthを変えることはできない
・CUTOFFの調節はツマミの量のほかKEY TRACKスイッチも併用。
・SYNCで音が変わる幅は広すぎないので、SYNC特有のノイズ発生は問題ない範囲(最小・最大値設定ができないけど実質上問題なくてラッキー)。
・FILTER開閉のノイズはMIDI駆動でも充分少なくて、ゼロではないけれど気にならないレベル。
4. 感想と今後・・・・
あんまりウインドシンセ的に複雑なことはできないし、例えば往年のSEMだとかMatrixだとかMoogだとかを使ったアノ演奏を完全コピーしたい!という希望のためには作り込みができないので限界があるけれど、よく使う汎用性のある音がシンプルに作れて良い音で鳴る、ちっちゃくて持ち運び楽、音色メモリーもできる、ってことで良い音源だと思いました。
CVでも動くので色々やってみたいです(MIDIだけでも充分問題なくスムーズだとは思いましたが)。
取り急ぎ購入後7日間のまとめでした!
→Roland SE-02 その02(CV制御で色々やってみた)に続く
・テスト演奏のバッキングはこちら↓を使用させていただきました。
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