見出し画像

駒澤大学の全日本大学駅伝を振り返る

トップ画像は(https://www.tv-asahi.co.jp/ekiden53/)さんから拝借しました。

お疲れ様です。ホルスです。

11月7日に大学三大駅伝(出雲、全日本、箱根)と言われる第2戦全日本大学駅伝が行われ全日本大学駅伝史上最小のタイム差の8秒差で駒澤大学の2連覇で幕を下ろしました。
駒澤大学は全日本大学駅伝で通算14回目の優勝となりました。
それでは1区を走った選手から振り返っていきたいと思います。
※ところどころ選手の名前が敬称略で書いてあるところがあります。何卒ご了承ください。

1区佐藤条二 27分05 区間賞 

「悔しさ」
出雲駅伝では同級生で高校時代から同じ県で切磋琢磨して来た篠原選手が起用されており、全日本では佐藤選手が起用されました。駒澤大学が出雲、全日本と2大会連続で1年生しかも異なる選手を起用したのはいつ以来なのだろうか?と思いました。※分かる方いたらコメントやTwitter等で教えて頂けると幸いです。
レースは2021年の箱根の1区のような超スローペースには陥らず、比較的ハイペースとなり、最初に1人飛び出した第一工科大学サレー選手について行く選択をせず、終始第2集団の中でレースを進めるを選択し8.34㎞付近でサレーを第2集団が吸収してからも集団の中で力を貯めながらスパートをするタイミングを伺いながらレースを進めながら、9.05㎞付近でスパートをした時は大丈夫?と思いましたが、中央大学吉居選手に秒差無しでも勝って区間賞を獲得したのは見事だと思いました。
なによりもこの1区に各校が主力級の選手を起用してる中で、この全日本大学駅伝で区間賞を獲得することが出来たのは、自信になるのではないのだろうか。
あとは出雲で篠原選手が1区に起用に抜擢され評価できる走りをしたことによる悔しさがあったのもあって、全日本での1区のこの走りにつながったのではないのかなとも思います。
どうでもいいことなのかもしれませんが、スパッツで走ったのは2021年箱根6区で区間賞を獲得した花崎選手以来2人目で区間賞を獲得しており佐藤選手も今回スパッツで走って区間賞を獲得。

2区青柿響 32分35 区間10位

「どっちに転ぶ?」
今シーズンは箱根1本に向けて調整しているととある雑誌にて記載されたけど、全日本の2区に起用されてどうなんだろう?と思いましたが結果論だけを先に書くと全日本で今これだけ走れたというのは箱根は期待してもいいのではないかなと思います。去年花尾選手が同じ2区走って箱根では7区を走って優勝メンバーになったように。
レースを進める中で気になった事がありまして、集団の中で走ってる時に周りをよくみるのが気になったのですが、集団から離れたら表情も集団で走ってる時よりも良くなったこと。この集団の中で走った中で周りをよく見たのが、まだ自分の走り自信が持てってなかったのかそれとも集団の中で走るのが苦手なのか。
集団から離れてからの走りは自分のリズムで走って前から遅れてきた、青山学院大学、中央大学、東洋大学を拾って抜いていったのは見事だったと思います。もう少し距離があったらその1つ前に位置した東京国際大学も抜けていた可能性も。それくらい集団から離れてからの走りは凄かったと思います。
チーム順位1→7

3区佃康平 34分42 区間12位

「耐える」
オーダーが出る前は走るなら4、7、8のどれかだと思ってましたが、当時変更で3区に起用。佃選手が3区に当日変更で起用された時点で攻めるんじゃなくて耐える3区になると思いました。そもそもチームエントリーが出た時点で駒澤大学の区間配置的に耐える3区可能性が非常に高かったと思います。
結果としては区間賞を獲得した東京国際大学ヴィンセント選手とは1分54秒、日本人トップ区間3位だった青山学院大学岸本選手とは47秒だったので、耐える3区としては成功したのではないかと思います。
チームの順位はタスキを貰った時から7→11に落としましたが、首位とは2分20、当初目標としていた3位以内の3位とは1分18、目標シード権(8位)までは19、対青山学院大学で19秒で留めることに成功したのは、良かったのではないのかと思います。
本人としては、区間順位12でチームの順位を7→11に下げてしまったのは不本意だったと思いますが、充分に役割を果たして後々の逆転優勝へ繋がったのは佃の3区の走りで耐える事が出来たからだと思います。また後続で待つ選手へ勇気をもたらしたとも思います。あとは今シーズン色んな事がチームであった中で、4年生の意地というかプライドみたいなものを感じたように思います。

4区赤星雄斗34分18 区間4位

「断つ」
佃が3区で耐えてタスキをもらったものの、青山学院大学高橋選手と同タイムで区間賞を獲得した東洋大学石田選手が8秒前で走っている少し難しい展開となるも結果的に区間賞のタイム(34分8秒)とは10秒差で走ることが出来たのは経験を考えると上出来だったのではないかなと思います。
首位とは27秒詰めることに成功していますし。ただここで青山学院大学との差が29秒に広がってしまったのは後々に効いてくる可能性もありましたが
チーム順位が11→9に
夏の合宿で距離を踏んでいたみたいなので、距離が約倍となる箱根では7区あたりで起用されてもおかしくないとは思いますが、その前に部内競争を制して箱根を勝ち取ることができるか。
個人的には6区からの逆襲の流れの土台を作ったと思います。ここでの赤星選手の走りには非常に大きかった。

5区東山静也 37分00 区間8位 

「叩き上げ」
テレビにほとんど映らず。
言い方は良くないが、叩き上げの選手で大学駅伝デビューとなったが大きく崩れることなく走って、大学駅伝デビューを終える。ここでもし走りが崩れていたら優勝はなかったかもしれない。
ただここで大学駅伝と優勝を経験出来たのは大きいと思う。
昨年度2冠に大きく貢献した小林歩選手のように羽ばたいていけるか。
チーム順位は変わらなかったけれど9→9 この区間で首位に立った早稲田大学とは2秒詰めたこの2秒は大きかったのかもしれないし、ただ対青山学院大は1分36秒となる。

6区安原太陽 37秒30 区間2位

「反撃」 
出雲では前半突っ込んだ走りして後半に粘り切れなかったということもあり今回は前半は余裕を持って後半に上げていく走りをしていたと思います。
※テレビで映ったのを見るとそうとも思えないですが…
抜いた大学の順番としては中央大学3.1㎞→東洋大学どこで抜いたのか確認できず→早稲田大学9.94㎞→法政9.98大学→青山学院大学タスキ渡しの時
※青山学院大学はタスキを渡す時。見た感じだと同時に見えるんですが記録上抜いたことになっており、駒澤大学のほうが順位が上になってるので抜いたと表記。結果的にチーム順位をタスキを貰った時に9位だった順位を4位まで上げることに。また優勝を考える上で青山学院大学との差を0にすることが出来たのはめちゃくちゃ大きかったと思います。
 この安原選手の6区での走りが7区田澤選手のトップ奪取への走りへと繋がったと思います。勿論それまでの5区間の選手の頑張り(粘り)もあったこともあると思います。
チーム順位を9→4に
 この安原選手の走りが7区田澤選手のトップ奪還→8区花尾選手の優勝テープを切るのに繋がったとは思いますが、MVPなのかと言われるとそれは難しいところだと思います。MVPのことに関しては、最後に書いてあります。

7区田澤廉 50分36 区間賞

「これが最強の大エース」
トップを走る東京国際大学とは1分36秒の差で4位でタスキをもらう。青山学院大学近藤選手と法政大学中園選手とほぼ同時にスタートし早々と法政大学中園選手を離し青山学院大学近藤選手が田澤選手の後ろについてくる展開となる。タスキをもらった時点で15秒前に位置した明治大学に3.1㎞付近で追いつき近藤選手と共に明治大学を抜かして3位に浮上し、6㎞付近の給水地点の前から田澤選手が一気にスピードを上げて近藤選手を引き離しにかかり、単独3位となる。6.7㎞地点で大八木監督から2位を走る順天堂大学との差を37秒その前を走る東京国際大学とは27秒と声が掛かる。この時点でタスキを貰った時から2位順天堂大学とは約40秒、トップ東京国際大学とは約32秒と差を詰める。10.1㎞でタスキを貰った時には1分17秒差あった順天堂大学を抜いて2位に浮上、13.44㎞付近でついにタスキを貰った時点では1分36秒あった東京国際大学との差を詰めてついに先頭に。ここからは後続との差を開いていく走りに。正直なところ13.4㎞付近で1分36秒の差を0にしてしまうとは思いませんでした。首位に立った後は後続との差広げる走りになるんですが、2位の青山学院大学近藤選手が素晴らしい走りをしていたことにより、なかなか差がひろげられない。田澤選手にとってみれば苦しい展開。1位田澤選手2位近藤選手の状況となった展開で田澤選手が16.2㎞くらいからは差を広げにかかる田澤対堪える近藤になる。16.2→17.1までは約14秒~15秒の差で推移するものも最後の500mの最後のスパートで4秒~5秒を離したのはこれが田澤廉だ!てのを改めて見た気がします。 厳しいかもしれないけど、田澤ならあと5秒はいけたのかもしれないと思いたいんですが、青山学院大学近藤選手が凄すぎたと思います!。正直ここまでの走りが出来るとは思ってませんでした。ただ青山学院大学原監督はこの近藤の走りを予想していたような気もします。一方で駒澤大学大八木監督は田澤で何秒差であってもトップに立つことが出来れば良いと考えていたと思うんですが、トップに立ってからは離せ離せと思っていたのではないかなと思います。この区間で田澤選手に声掛けをした後に大八木監督のインタビューがあって「勝ちたいです!」て言ったのは純粋な本音だったと思います。なによりも前日までいつになく弱気発言をしてた大八木監督に「勝ちたいです!」と言わせてしまう田澤の走りはもうなんて言っていいのかわからないですね!「全員抜きます!」とコメント有言実行してしまう田澤選手はただただ凄いとしか言いようがないです。https://twitter.com/komazawa_univer/status/1457173418957152259←田澤の走る前のコメント
後は大八木監督の気迫凄かった…闘将大八木弘明
最終的に2位青山学院大学近藤選手に18秒差をつけてトップでタスキ渡し
 田澤選手の1歩が大きい。
チーム順位4→1

8区花尾恭輔 59分12 区間4位

「ハラハラドキドキ」
最初にこの駒澤大学花尾選手対青山学院大学飯田選手の8㎞~17.7㎞付近までの2人の走り(駆け引き)は非常に見応えがあり高度だったと思います。
18秒差で貰った差が約8㎞地点で青山学院大学飯田選手が追いついて花尾選手が前、飯田選手が後にぴったりと付く状況になり、17.5km~17.7kmくらいに花尾選手がスパートをかけるまでその状況が続く。途中で飯田選手が花尾選手の右後ろについたり、左後ろについたり、花尾選手の横に並んでみたり揺さぶりをかけるも、全く花尾が動じない。優勝後のインタビューで「後ろに引いたら負け」と言っていたので、もしかしたら飯田選手を意図的に前に出さないように走りをしたのかもしません。
 あとは飯田選手が右後ろに左後ろに花尾選手の横にと位置取りを変えるのに必要以上に体力と頭を使ってしまったの対して花尾選手は自分の走りに徹した事もあり余力を残して走っており先に仕掛けのスパートを17.5~17.7kmした時に飯田がついていけなかった要因なのかもしないと思います。花尾選手がスパートについて話している記事のリンクも貼っておきます。http://www.komaspo.com/6964
また全日本後の次の日の記事に青山学院大学原監督がアンカーの事について話してる記事があるのでこれも貼っておきます。https://hochi.news/articles/20211108-OHT1T51163.html?page=1
対して駒澤大学大八木監督は何かしらの指示を花尾選手に出してはいたと思いますが、最終的には花尾選手のレース感に任せたのかもしれないと思います。この花尾選手の走りに関して大八木監督がどこかで話してくれるの期待したいと思います。
実況からは花尾選手と飯田選手の並走が続いた時に花尾選手のほうが不利な状況じゃないかと言われながら、花尾選手が全日本でアンカー優勝テープを切れた事は経験にもなったと思いますし、なによりも本人は計り知れない自信を付けることが出来たのではないのだろかと思います。
他には花尾選手の顔の表情を見た感じ変わってる時があってそれが、13.5㎞付近と15.1㎞付近と17㎞付近と18.7㎞付近で見えるので、それが気になるところです。良い意味で!それと飯田選手が横に並んで来た時が何回かあった時に花尾選手が目線を変えていたので、もしかしたら飯田選手が横に並んで来た時は観察してたのじゃないかなとも思います。並走になった時の主導権を実は花尾が握ってしまってたのかもしれないとも思います。
 まぁ何を言っても花尾選手が強かったし、大八木監督が「田澤選手がトップにさえ立ってくれれば」とレースの途中言ってたので、花尾がアンカーなのは相当な自信を持って送り出していたのではないかと思います。
 最後にしますが、冷静で強気でメンタルお化けだった花尾とゴールテープ切るまでハラハラドキドキだった大八木監督だと思います。
チーム順位1→1

花尾恐るべし。

――青学大の飯田貴之選手とずっと並んで走っていて、引き離すならどこだと考えて走っていたか
「特に何も考えていなかった。タスキをもらうときに(後ろの青学と)18秒の差があったが、それを一気に追い付いてきて、並んだときには『ああ、これ勝てるな』と思った。自分は、スパートはじわじわ上げていくのが得意なので、少しずつペースを上げていって、感覚でラスト2kmくらいでスパートをかけることになった」
――最後のインタビューで花尾選手が「前に出したくない、後ろに引いたら負けと思っていた」と語っていたのがとても印象的だった。解説でも後ろについていた方が楽だと言われていたが、なぜその戦略を選んだのか
「(自分は)長崎出身で、高校の時とかも強い選手が多くいて、後ろに下がる走りをしていた時に自分は絶対負けていた。それもあって、後ろに下がるとペースも落ちるし、相手に有利な流れになってしまうので避けたいと思っていた。攻める走りで自分の走りをして、流れを作りたいと考えていた」
――1位と2位のゴール差が8秒差というのは史上最短らしいが、最後まで迫ってくるのはやはり怖かったか
「2kmで仕掛けたのでいつ追い付かれるか分からないし、ラストスパートは相手の方もあるかなと思っていたので、ラスト700mくらいは怖さや不安も感じていた。それでも、いけるかなというのは思っていた」

MVP選ぶ?

結局どの選手がMVPなの?てなると選ぶのが難しいと思います。
1区で区間賞(区間新)で走った佐藤条二選手
2区で自分の今出来る走りをした青柿響選手
3区で4年生の意地とプライドで走った佃康平選手
4区で緊張と不安がある中で悪い流れを断ち切る走りをした赤星雄斗選手
5区でまた悪い流れにいかないように3年生は田澤だけないて思わせる走りをした東山静也選手
6区で7区に起用された大エース田澤がトップに立つ流れを作った安原太陽選手
7区で1分36秒の差を13.4㎞で0にしてトップに立って後続との差までつけてしまった田澤廉選手
8区で大八木監督をハラハラドキドキさせて優勝テープを切った花尾恭輔選手
短くしたらこのような印象となるので。
 結局のところは今年の全日本は走った選手全員がMVPやと思います。

最後に

鈴木芽吹選手、唐澤選手、山野選手、篠原選手と本来起用したかった選手が出来ず苦しい駅伝になる可能性があると予想された中で連覇を達成することが出来たのは、大きな意味があると思います。
大八木監督の7区田澤選手起用ズバリ!
やっぱり全日本では駒澤大学は強かった。
田澤選手(田澤キャプテン)にとっても今シーズン色々なことがあった中でも優勝出来た事により少しはプレッシャー等から解放されるのではないのでしょうか。
拙い文章でしたが最後まで読んでくれた方々ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?