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2023 全日本大学駅伝 駒澤大学

こんにちは。こんばんは。駒澤にとってみれば記録ずくめの今年の全日本大学駅伝。
今年の全日本大学駅伝は例年になく気候的に暑いレースとなりましたね。
ただただ強かった駒澤大学。
優勝タイムはなんと歴代2位となる5時間09分00秒
※1位は昨年度駒澤が記録した5時間06分47秒。
※3位は昨年度國學院が記録した5時間10分08秒
2位との差は21世紀の入ってからは2番目の大差(3分34秒)での優勝。
※1位は09年の日本大学がつけた3分36秒。
駒澤大学が先月に行われた出雲駅伝に続いて全日本大学駅伝も優勝して2年連続の出雲、全日本、箱根制覇に王手をかけた。
※以後出雲、全日本、箱根を一纏めにする時は学生三大駅伝と表記。
前年度三大駅伝全て優勝した学校は翌年度の全日本大学駅伝は3位になっていたジンクス?も破った。
全日本大学駅伝は2回目の4連覇。学生三大駅伝は5連勝でタイ記録に並んだ。(大東文化大学が1989年全日本~1990年箱根に成し遂げている。)
今回の全日本でも昨年度箱根4区になってから21区間連続トップ通過も継続中となった。
個人としては安原太陽がこの5連勝全てに出場し大東文化大学が5連勝した時に全て出場した樋口一隆さんと並んでタイに。また安原太陽と鈴木芽吹が直近の前年度まで駒澤の絶対エースだった田澤廉と並んで学生三大駅伝個人優勝記録タイとなった。
出雲で篠原と山川が経験者となったのに続いて伊藤が三大駅伝全ての優勝経験者となった。これで駒澤は三大駅伝全て出場しての優勝経験者を6人擁する事となった。赤津は駒澤同世代では花尾、芽吹、白鳥、青柿、赤星、安原に続いて7人目の三大駅伝どれか出場しての優勝メンバーとなった。
前置きが長くなってきたのでそろそろ本題へ。


1区赤津勇進

27分19秒 区間賞
藤田監督の観察力。チャンスを貰ってチャンスを物にした。
全日本大学駅伝には1年2年とエントリーはされるも出走しておらず、2年生の時出雲5区以来の学生三大駅伝の出走となった。
スタートの位置はコースの真ん中で青山学院若林と國學院後村の間。序盤は中央大学吉居駿恭をマークしながら集団の前でレースを進めていった。1㎞通過2分45し3㎞通過8分36していった。4㎞を過ぎたくらいに青山学院若林が集団から抜け出すも、追いかけていく事はせずに2位集団の中には入らずやはり集団の前を走り続けた。
早稲田間瀬田が8㎞くらいからペースを上げたのにも対応し残り500mで青山学院若林を間瀬田と共に捉えた。残り350mくらいのところでタスキを外すに少し手間取って中央と早稲田に前に出られてしまうも、最後は抜き去り1秒差で、2区佐藤圭汰にタスキリレーをした。
自身初となる区間賞を獲得これで駒澤同世代では4人目の区間賞獲得者となった。1区をトップで抜けられた事により駒澤完全優勝への道がひらけた。おそらくは他の学校は赤津のところが今回の駒澤につけいる隙と考えていたのだろうけど、赤津が区間賞をとってしまうともどうにもならないと思ってしまったのではなかろうかと思う。区間賞インタビューで「もう勝ったなと確信してます。」と言うのはそれだけ今回の全日本大学駅伝に駒澤が自信を持っていたのだろう。
いやそれにしてもですけど、藤田監督がレースでも練習でも外した事がないからチャンスを与えたと言ってそれを物にして区間賞を獲得して最高の藤田監督へのアピールになったのではないのだろうか。

2区佐藤圭汰

31分01 区間賞
2年越しの区間賞
昨年に続いて2区を走る事になった佐藤圭汰。最初の1㎞通過2分37秒で通過し、3㎞を8分10で通過した。5㎞手前にある給水はとれず。5㎞前後から早稲田山口を突き放しにかかる。5㎞の通過は13分48で通過して独走状態に。9㎞を25分14秒、10㎞を27分50をしていった。タスキを貰った時には1秒差だった2位との差を16秒まで広げて3区篠原にタスキリレー。区間タイムは従来の記録よりも11秒上回った。
 2区に佐藤圭汰が起用される事によって優勝を狙う学校や、駒澤に背中を見せたいと考える学校としてみれば、エース級の選手を起用せざるを得なくなる事によって後ろの2区間が少しきつくなるリスクがあるから起用が難しくなりますよね。駒澤側してみれば、1区で多少の出遅れでも挽回出来ると考えられるからこそ2区の佐藤圭汰の存在感は偉大。また3区の選手は圭汰が流れを作ってくるから走りやすくなりますよね。今回は1区赤津が先頭で圭汰にタスキリレーをした事によって圭汰は圭汰で自分のレースにいけたような気がします。

 1㎞通過2分37 3㎞通過8分10 5㎞通過13分48 10㎞通過27分50

10㎞までの通過タイム

3区篠原倖太朗

33分39秒 区間2位
エース会
エース会の1人である篠原は昨年度の5区で起用されたのに続いて今年度は当日変更で、3区での起用となった。最初の1㎞通過2分47秒でいった。3㎞通過8分23秒して5㎞通過14分01秒で通過。少しずつ後ろとの差を広げていき11㎞31分13秒で通過してタスキを貰った時には16秒差だった2位との差を1分差まで広げて4区赤星雄斗にタスキリレー。
3㎞まではゆったりとしたペースで走って動きを変えて徐々にペースを上げていくという先頭で走るメリットを最大限に利用した走りだった。
この3区に篠原を起用出来るというのも今年度の駒澤の強さなんだろう。

4区赤星雄斗

34分26秒 区間2位
無敗
前回大会は5区に登録されるも篠原との交代。今年度の出雲は5区に登録されるも交代で出走出来ずその後に行われた記録会で調子が良いのをアピール。2年生の時同じ区間を走って以来の5区での出走となった。
最初の1㎞通過を2分46秒で通過して、5㎞の通過が14分27と淡々と走っていく。7㎞を20分20。徐々に苦しくなってくるが、9㎞を26分16でいき10㎞を29分10前後で通過して苦しそうに見えたが、実は後ろとの差を1分22秒までひらいてそのまま5区伊藤へタスキリレー。
赤星も篠原と同様に前半はゆったりとした入りをして後半上げるレースをしていたように思える。藤田監督は暑さが苦手と言って不安だったらしいが、ここまで暑くなっても起用されたて事はそれだけ赤星が練習出来ていたから起用出来たのだろうと思う。というよりも今年の伊勢路は例年になく暑くなった。後述するが赤星が走った駅伝は駒澤は全勝中。

5区伊藤蒼唯

35分56秒 区間2位
攻めた攻めた
2位出雲で凱旋レースをして優勝メンバーになって次は昨年度自身は走れず悔しい思いをした一方で同級生山川が鮮烈な学生駅伝デビューをした全日本。2年待ち望んだ全日本での出走。1㎞通過を2分58秒。3㎞通過8分35秒と暑い中攻めた走りで走っていく。
沿道から監督スタッフが声をかけられるポイントのところで藤田監督から「後半だよ後半、まだ上げないとだよ」と声がかかり大八木総監督からは「ここからだぞ、ここからだぞ」と声がかった。10㎞28分50を通過した。中盤以降はすっと苦しそうな走りだったが、タスキリレーをした時のタイムが従来の区間新と9秒しか変わらない35分56秒だった。
2位との差をタスキを貰った時は1分22秒から1分55秒と更に33秒ひらけた。
この暑さの中で給水を2回とれなくてよく途中で脱水症状ならなかったとは思う。給水が1回でもとれていたらもっと後続との差も広がってもおかしくなかったのだろう。

6区安原太陽

37分16秒 区間賞
集大成
6区に登録されていた花尾との交代で今年も6区での起用となり、3年連続での6区で出走となった安原。3㎞通過8分27分くらいで通過し快調に走っていく。10㎞を29分04秒くらいで通過した。伊藤にタスキを貰った時は大会記録から遅れていたが7区キャプテン芽吹にタスキリレーをする時には再び大会記録よりも2秒速くした。自身も3年目にして初の全日本での区間賞獲得となった。また3年間の全日本6区での経験からの区間賞なのだろう。
給水を2地点共ともとれたので終始余裕があるような表情をしていたようにも見えた。2位との差を更にひろげて2分21秒までした。この6区安原の存在非常に大きかっただろう。

7区鈴木芽吹

51分13秒 区間3位
田澤への挑戦
昨年田澤がとてつもない記録で走って区間新を出した区間を走る事となった芽吹。これは田澤へ挑戦するチャンスが到来したので、挑戦するだろうと思っていたら最初の1㎞を2分41秒でいき5㎞の通過14分01と田澤よりも3秒遅いだけでいった。7㎞通過19分40でいきまだ6秒遅れ。10㎞を28分28とさすがにこの暑さできつくはなってきたが、それでも10㎞通過はトップだった。13㎞を37分20秒で通過。田澤との比較では52秒となった。
※(田澤の13km36:32)
10㎞を過ぎたあたりから17㎞手前までは表情が険しいように見えたが17㎞過ぎ最後の下りを越えたとこから表情は険しいが、走りは1秒を絞り出す走りをしてアンカー山川にタスキリレー。
安原からタスキを貰った時は2位との差が2分21秒だったのを更にひろげて2分49秒にした。田澤との記録比較では最終的に1分35秒となった。
田澤が49分38秒で芽吹が51分13秒

1km2:46
3km8:21
5km13:58
中間点24:35
11km30:49
13km36:32
15km42:13
finish49:38

田澤が全日本7区の区間記録出した時の記録

区間順位は3位になったがこれは田澤への挑戦をした結果だと思うので区間順位はあまり気にならないと思う。区間賞を獲得した國學院平林とは6秒で区間2位の中央大湯浅とは1秒差での区間3位。また芽吹のこの攻める姿勢こそが今年度の駒澤の強さの一端なのではないのだろうか。ここでキャプテン芽吹が無難な走りをしたらいたらチームにも良い影響は与えられないだろうし。キャプテン鈴木芽吹の意地が見られたような気がしました。
やっぱ今年度の駒澤のエースは鈴木芽吹ですわ。この7区での走りは芽吹にしか出来ないと思いますし。

8区山川拓馬

58分10秒 区間賞
攻めの手を緩めず
昨年の全日本4区に続いて今年はアンカーでの起用となった山川。5㎞の通過を14分45秒で通過して7㎞通過20分38秒でいった。11㎞を32分35秒通過していきここからペースを上げて、11.8㎞通過で2位とは2分58秒の差だったのが、ゴールの時は3分34秒と36秒も7.9㎞でつけた。自身は2年連続の区間賞獲得となった。個人タイムは58分10秒と2位の國學院伊地知と41秒の差をつけていた。
山川は昨年区間賞を獲得した花尾と比較して11.8km →19.7km を1分も速く走っていた。

山川 7km 20分38 11km 32分35 11.8km 34分55 19.7km 58分10
花尾 7km 19分54 11km 31分38 11.8km 33分55 19.7km 57分30

山川と花尾のラップ比較

この走りをして自身が走る前に設定したタイムよりも10秒遅かったとのことなので、山川自身は57分台を狙っていたんでしょうね。

藤田監督

今回は出雲と違って余裕があるように見えた気がします。途中テレビ中継で増田明美から自分が大ファンのB'zの事をふられた時も笑ってましたし。出雲の時ならそんな余裕がなかったでしょうし。やはり藤田監督も大八木総監督みたいな声のかけ方をするような気がしました。まだまだこれからでしょうけど。その点箱根で運営管理車からの声かけには注目してたいです。

大八木総監督

やっぱり大八木総監督は全日本大学駅伝には必要だ。藤田監督と一緒にバスに乗ったには少し驚きましたが、圭汰、篠原、芽吹が大八木総監督が主だって練習見てるのでそりゃそうかと思いました。
声かけもまだまだ闘将大八木弘明でしたね。出雲の時は笑顔だったのが、全日本は監督だった時の表情だった気がします。
「圭汰、行くぞ」 衰えぬ総監督の情熱 監督車で感じた駒沢大の系譜

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レース全体見ての印象

今回の駒澤選手は出走した選手全員が時計を付けて走っていたのには驚いたが、やはり昨季学生駅伝三冠を成し遂げた最強チームに対する挑戦へするためにも全日本でも出雲に続いて大会記録の更新を狙うためにも個々に細かく設定がなされていて地点ごとに確認しながらレースを進めていくためだったのだろう。8区山川が時計を付けていたのは少し驚きました。山川が昨年時計付けず区間賞を獲得したイメージが付いていたからかもしれませんが。
この暑いコンディションで帽子を被って走った選手が居なかったのはやはり走りに影響が出るとの判断だったのだろうかと思う。
給水が上手いかなった選手はよく走りきったと思う。
走った8選手それぞれだが、篠原と安原は前半はゆったりとしたペースで走り出して後半ペースを上げるレース。圭汰、伊藤、芽吹は前半から攻めの走り、赤津はずっと緊張していたか?赤星は暑さの戦いだったか?山川は自身の設定タイムと戦っていたか?

赤星雄斗

赤星は出走した駅伝は全て優勝している。
赤星が出走したのは

2年生時全日本大学駅伝4区4位
3年生時箱根駅伝8区4位
4年生全日本大学駅伝4区2位

その一方で当日変更を4回経験している。

2年出雲2区安原 箱根8区芽吹
3年全日本5区篠原
4年出雲5区安原

赤星が出雲駅伝の後インタビューで当日変更の事について言ってる記事があったので載せておく

最後まで読んで頂きありがとうございました。
おわり。

個人成績

1区赤津勇進27分19 区間賞
2区佐藤圭汰31分01 区間賞
3区篠原倖太朗33分39 2位
4区赤星雄斗34秒26 2位
5区伊藤蒼唯35分56 2位
6区安原太陽37分16 区間賞
7区鈴木芽吹51分13 3位
8区山川拓馬58秒10 区間賞
合計タイム5時間9分00秒

おまけ

1区赤津勇進27分19 
2区佐藤圭汰31分01 大学記録 区間歴代1位 
3区篠原倖太朗33分39 大学記録 区間歴代5位
4区赤星雄斗34秒26 
5区伊藤蒼唯35分56 大学記録 区間歴代4位
6区安原太陽37分16 大学記録 区間歴代4位
7区鈴木芽吹51分13 大学歴代3位 区間歴代7位
8区山川拓馬58秒10 大学歴代6位 
合計タイム5時間9分00秒 歴代2位

1区2分52秒
2区2分47秒
3区2分49秒
4区2分55秒
5区2分54秒
6区2分54秒
7区2分54秒
8区2分57秒
ゴールタイム2分53秒

今回駒澤の選手の走ったタイム1㎞の平均値
あくまで参考値
昨年と今年の区間順位比較と8区間平均


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