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今更ながら『サクラ大戦』のお話し。

もう、20年以上も前の話しになっちゃうんですねぇ……

『サクラ大戦』という作品、ご存じの方も多いかと思います。
もともとは、セガサターンのゲームソフトとして世に出た作品ではありますが、その独特の作風……ゲームシステムはテレビアニメを非常に意識した作り、プレイヤーは主人公・大神一郎となり、銀座に位置する、大帝國劇場をメイン舞台にして、初心者でも比較的わかりやすい戦闘システム、ラブコメ、戦隊ヒーローもの、時代劇、大正浪漫、勧善懲悪など、あらゆる要素がたくさん詰まっていて、主題歌は今でも色々なところでカバーされ、さらにゲームだけではなく、「メディアミックス」な展開をみせて、今でいう「2.5次元ステージ」の最初期というか……ゲームをやったことがない人でも、主題歌「ゲキテイ!~檄!帝国華撃団~」は、きっとどこかで聴いたことがあるんじゃないでしょうか。

で……なんで今更、サクラ大戦?って思われた方も多いと思うんですが……
いやー、これね、私、本当に好きなんです。セガサターン(のちにドリームキャスト)を手に入れたのも「サクラ大戦」をやりたくて……という具合。ゲームそのものも大好きですが、特に好きなのが、初代・帝都花組の「歌謡ショウ」「スーパー歌謡ショウ」と言われる、舞台版。
これは、ゲームでキャラクターを演じている声優さんたちが、役柄そのままで舞台を演じるという、もんのすごい贅沢なもの。
今でこそ、アニメやゲーム、マンガの「2.5次元舞台」って花盛りでございますが、『サクラ大戦』に関しては、その中でも最初期&特異なものじゃないかな~って思っているんですよね、私は。
もともと、原作者の広井王子さんが、とある作品を観に行った時に感じた、ご自身の「考え」から、声優さんを起用したという経緯もあるとか(つまり、「サクラ大戦」は、舞台を想定して起用した)。
舞台版には、ゲーム本編には登場していなかった登場人物が、人気になったり、逆にその後のゲームに登場したり、マンガ版に登場したり……という「逆転現象」もあったりします。たとえば、中嶋の親方、その弟子の広井(広井王子さん本人)、ダンディ団の3人などなど。
公演そのものが、2~3時間くらいにわたる長丁場。
内容は、前半は帝劇の面々の日常・ドタバタ劇を描き、後半は劇中劇という具合。
また、新春公演もありまして、この時はお芝居ではなく、日常&大喜利、双六大会、歌謡ショウなどの内容というのが、ほぼ、お約束。
チケット争奪戦がすごかったことを今でも思いだしますねぇ……ええ、私もいくつか観劇に行きました。楽しかったなー。舞台と客席が一体となる不思議な感じ。
「ここは、架空の太正時代、大帝國劇場!そういう設定でございます」
という、中嶋親方と広井さんのやりとり、思い出しますねぇ。

あ、メインキャスト、帝劇メンバー、ご紹介します。

帝国歌劇団・花組
真宮寺さくら:横山智佐さん
マリア・タチバナ:高乃麗さん
神崎すみれ:富沢美智恵さん
アイリス(イリス・シャトーブリアン):西原久美子さん
李 紅蘭:渕崎ゆり子さん
桐島カンナ:田中真弓さん
ソレッタ・織姫:岡本麻弥さん
レニ・ミルヒシュトラーセ:伊倉一恵さん

大神一郎:陶山章央さん
藤枝かえで:折笠愛さん

米田一基:池田勝さん

帝国歌劇団・風組
藤井かすみ:岡村明美さん
榊原由里:増田ゆきさん
高村 椿:氷上恭子さん

帝国歌劇団・薔薇組
清流院 琴音:矢尾一樹さん
丘 菊之丞:松野太紀さん
太田斧彦:郷里大輔さん

ね、これだけですごいでしょ?

数日前から、手持ちの「歌謡ショウ」DVDを見始めてしまったら……再燃してしまった……やっぱり、面白いんですよね。
みなさん、それぞれの役柄にしっかり、徹していらっしゃることもあれば、羽目を外して、ちょっと違うことをしてみたり、とか。
歌謡ショウの部分は、宝塚歌劇団や松竹歌劇団などをレビュウを参考にしていて(実際に花組のメンバーは観劇したそうな)、とても華やかで美しい場面がたくさん、あります。
また、田中公平先生による音楽も魅力的。
劇中音楽はもちろん、キャラソンも盛りだくさん。なんでも『サクラ大戦』シリーズ全体を観ても、歌詞がある曲だけで300を超えるんだとか。
公平先生自ら指揮する、バンドでの生演奏でのライブ上演もありました。

ステージの準レギュラーで、今はお亡くなりになった方がいます。

前出の、中嶋の親方こと、中嶋聡彦さん。
そして、もうおひとりは、東中軒雲国斉こと、浪曲師の国本武春さん。
親方……中嶋さんは、いわゆる「前説」で、広井さんとの軽妙なやりとりが印象的で、これもおたのしみのひとつでございました。たまーにセリフをすっ飛ばしたり、噛んじゃったり、台本にないことを振られると、言葉をにごしたりして、広井さんにイジられることもありましたが(笑)、それすらもご愛敬。劇中でも、なにかと帝劇メンバーや、ダンディ団とのやりとりで登場してくれました。
国本武春さんは、幕間に登場、軽妙な話術と三味線、時にはブルースハープを自由自在に操り、観客を楽しませてくれました。もちろん、劇中にも登場していて、さくらさんとのデュエットも披露してくれたこともありました。この方も唯一無二な浪曲師ではないでしょうか。
おふたかたとも、早逝されたのが本当に悔やまれる……
今は、中嶋の親方と一緒に、お酒を飲んでいるかな~。あちらの世界でも、あの名調子を聴かせていらっしゃるんじゃないかと思っています。

ほかにも、毎回ではありませんでしたが、薔薇組・太田斧彦役の郷里大輔さんも数度、出演。
さくらさんのお父様・真宮寺一馬役の野沢那智さんも出演されたこともありました。

とにかく、出演者が豪華だった、今では考えられないくらいに、豪華メンバー勢揃い。ゲストも多数。その時の演目に合わせて、様々なジャンルのプロの方々(「新・西遊記」の時は、本場の川劇……一瞬で仮面=隈取が変化することで有名な、中国の伝統芸能=も登場。あれは素晴らしかった!)などなど……

ほかにも、さくらさんの剣術、マリアさんのガンアクション、紅蘭の発明(爆発しちゃいますが)、織姫の機転の良さ、レニの博学聡明、カンナさんのワイヤーアクション、アイリスのフライングアクション、すみれさんの長刀(富沢さん、一時JAC=現在のJAEに所属していたということもあるのでしょうか、長物を使った殺陣を披露することが多かった)……声優のみなさんも、たくさんの稽古を積んで、私たちを楽しませてくれました。
観客から自然発生的に始まった、コスプレ観劇、掛け声……
最後は「ゲキテイ!」を、出演者全員と客席で歌って踊って締める!

書き始めたら、キリがないくらいです(笑)

あー、久しぶりに、カラオケでサクラシリーズ、うたいたい。
ゲームも久しぶりに……ドリキャス、引っ張り出してくるかな~。まだ動くかしら。