フランス映画好きによるお気に入りフランス映画3選
この記事は、にまめさんの好きなものーと2023という下記の企画の趣旨に賛同して書いています。
にまめさんは同じトロントに留学されているお友達。新年の抱負の記事で、好きなものはと問われて、詰まってしまったことがあり、質問してきてくれたお相手がすらすらと話せることにギャップを感じたエピソードを添え、この企画を考えたとシェアしています。自分の好きや自分自身のことをすらすらと話せることは素敵なことだなと思います。そんなことが出来たらいいなと思ってこのnoteをやっているところがあるので、この企画に参加させてもらうことにしました。
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フランス映画と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。リュック・ベッソンのTAXi? それとも、ジャン=リュック・ゴダールの難解でつまらない映画? あるいは、オドレイ・トトゥの主演したアメリのシニカルで不思議なイメージ? どれも古い映画なのでフランス映画を知らないと答える人も多いだろう。
私はフランス映画が好きだ。私のフランス映画好きは高校時代に遡る。当時私がフランス映画に抱いていた印象は、ジャン=リュック・ゴダールの難解なイメージだった。それをいい意味で覆してくれたのがスパニッシュアパートメントシリーズの一作目、その名も(そのまま)『スパニッシュアパートメント』。
この映画は国籍もバックグラウンドもバラバラな大学生が、お互いの文化の違いに悩みながらも、スペインの小さなアパートで共同生活をするドタバタ劇だ。当時、大学で留学をしたいと思っていた私には憧れの映画になった。古い映画だが、見やすいので初めてフランス映画を観るという人にはおすすめすることが多い。
さて、ジャン=リュック・ゴダールの映画は私はその後も苦手だったのか。答えは否、私はゴダールの映画が好きだ。その後フランス語を少し学んだりして、その奥深さの入り口を知ったような気がした。とはいえ、お気に入りは少しポップな『はなればなれに』。
ジャン=リュック・ゴダールの好きなところはその新奇性。彼はフランスのヌーヴェルヴァーグという映画運動を代表する映画監督なのだが、ハリウッドが屋内スタジオで映画を撮っていた時代に、機材を街へ持ち出し、街中で映画を撮ったのだ。そのことがよくわかるのが『はなればなれに』だと思うのだが、そんな難しいことを考えなくてもカフェで踊り、あのルーヴル美術館を駆け巡るシーンはとってもポップでキュートだ。そしてなんといっても劇中のアンナ・カリーナが可愛い。
さあ、フランスといえばパリ。そのパリのアイコニックな美術館、ルーヴル。そのルーヴル美術館を舞台にした映画がある。タイトルは『パリ・ルーヴル美術館の秘密』。
この映画はルーヴル美術館がいかにして出来上がるのかということを描いたドキュメンタリーだ。大きな絵画を皆で協力して搬入したり、絵画の配置で揉めたりするのだが、ニコラ・フィリベール監督の描くドキュメンタリーの登場人物はみんなどこか愛嬌があって、とても愛らしい。冒頭でローラースケートで出勤してくる青年は見ていて楽しくなる。サブスクでは見つけられないのが本当に残念な作品だといつも思う。
フランス映画はとっつきにくいとか言われることもあるけれど、私は、たとえばハリウッド映画に比べるとダイレクトな表現が少なく、また必ずしもハッピーエンドばかりじゃなくて寂しさが漂うところなど、フランス映画は日本文化と近いものがあると思っていて、だからこそ、日本人にこそフランス映画は刺さることもあると思っている。今回は古い映画ばかりになってしまったが、ゆくゆくはNetflixなどで見られるフランスコンテンツも紹介したい。
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