カナダのカレッジってなに?

私は現在カナダの公立カレッジに通っている。
友人などに、カナダのカレッジに行くことなったよと話すと、カナダは北米だからか、あ、コミュニティカレッジ?とアメリカのコミュニティカレッジと混同された。友人たちが果たしてアメリカのコミュニティカレッジについてどの程度のイメージを持っていたのか分からないけれど、私の通っているカレッジは、アメリカのコミュニティカレッジとはだいぶ様相が違う。

アメリカのコミュニティカレッジの存在を私がきちんと認識したのは、『コミ・カレ!!』というアメリカのドラマを見てから。弁護士をしていた主人公は学歴詐称がバレて、必要単位を取るためコミュニティカレッジに入学する。そこには高校卒業直後の学生はもちろん、シングルマザーや、自分の父親ほどの年齢のおじいさんまでいて、愉快な仲間たちと学生生活を送る。そんなドラマだ。

アメリカのコミュニティカレッジは、アメリカの大学の学費が高いという背景から誰にでも教育をと設立されたもののようだ。コミュニティカレッジで良い成績をおさめれば大学(ユニバーシティ)への編入の扉も開く。ドラマには本当にいろんな人が学んでいる様子が描かれている。

一方で、カナダのカレッジは少し様子が違う。もちろん、カレッジから大学(ユニバーシティ)に編入する人もいるのだけれど、職業に直結した実践的なコースが多く、日本の専門学校のような雰囲気だ。とはいえ、日本の専門学校が専門に特化した学校であることが多いのに比べ、こちらの公立カレッジは、私が知る限り、ホスピタリティ(観光業)から私の学ぶプログラミングまで、幅広いコースを提供しており、一般教養のクラスでは様々な分野を学ぶ学生に会うことができる。

また、そのほとんどが留学生であるクラスメイトたちと話していると、まだ確実に取るかどうかはさておき、永住権を視野に入れている人がとても多い。というのも公立カレッジ卒業後は、ポスグラと呼ばれる特殊な就労ビザへの申請が可能なのだ。

それから、これはおそらく知っている人も多いと思うけれど、入学するのが簡単で、卒業するのは一苦労というのもこちらのカレッジのひとつの特徴だと思う。入学時には、英語の要件以外は高校、大学、専門学校の成績を全て提出したことくらいで、入学試験はもちろん、エッセイすらなかった。

そんなこんなで、クラスメイトの中にはおそらくコンピュータについてほとんど何も知らないまま入ってきている学生もいるようで随分苦労しているように見える人もいる。かくいう私も、ゼロからのスタートだったので毎日ひとつ以上ある締め切りをどうこなしていくかに第一セメスターは大変苦心した。

カナダのカレッジはカナダそのもののように様々なバックグラウンドの人が集まる。私の友人たちだけでも飛び級した17歳から40歳で異業種で働いてきて今はプログラミングを学ぶ人まで様々だ。

刺激的にもうつる学生生活についてあまりこれまで触れてこなかったのには、少し理由がある。というのも、私のコースは開講されているほぼ全てのクラスがオンラインで、私が第一セメスターで履修した授業は全てオンライン、クラスメイトには一人も会ったことはないし、先生も含めて顔も知らない人がほとんどだ。

留学をしながら、全てオンラインで受講していて大変だなと思うのは、友人が本当に出来ないこと。もちろん、WhatsAppを通して日々連絡を取り合っているクラスメイトは、友人だと思っているけれど、現地で気軽に会える人がいないというのはとても厳しい。第二セメスターもオンライン開講が決定しているが、来年からは、少しでもオフラインで会うことのできる友人ができればいいなと思う次第である。

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