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「死」とは何か、を読んだ感想

仕事にやる気が出ない人が読むと少しは効果があるかもしれない哲学の本だ。太く短く生きるか、細く長く生きるかみたいな話とか、分厚い本なのでいろいろなことが書かれている。

例えば、「永遠の命は本当に欲しいのか?」みたいなテーマがあった。
このテーマで延々と書かれているのだが、「何をしても飽きるので永遠の命なんかいらんわ」というような落ちだったと思う。
(1万年、100万年、1兆年と生きて、囲碁でも将棋でも数学でも次から次にやっても全部飽きる。永遠に死ねないというのは不幸であるという話だ)

でも私はこの辺りを読んでいて「は?」と思った。
私は永遠の命が欲しいと思ってしまったからだ。
それは「そもそも地球の最後が見たい」という欲求があるからだ。
(ゲームでいうとエンディング)

星の命は100億年と言われている。現在地球は46億年ぐらいらしい。
あと50数億年生きることができれば星の最後が見られる。きっと美しいはずだ。それを見てから死んでもいい。

つまり、そもそも人間や生物は地球があるから存在するのであって、「永遠の命も星がなくなれば終わるのだ」ということが私には言いたいのだ。
宇宙空間でもフリーザみたいに生きられるという前提の命の話をしているようには見えなかったし、そういう不老不死の無敵状態で生きられるなら広い宇宙を旅しまくればいいわけだからやっぱり永遠の命は欲しい。

だから、地球の中で永遠に生きる(地球は滅びない)という前提で書かれているような感じがして、そこらへんから読むのがきつくなり、最後のテーマ「自殺」については結構飛ばした。

***

とはいえ、生きるモチベがない人はちょっと読んでみて欲しい本かもしれない。

人生一回、何に時間を使うべきかを考えさせられるからだ。
くだらねーnoteを不特定多数のために無料で(アフィリエイト貼ってるけど)書くよりどっか旅にでて美味いもの食べていた方が価値があるかもしれない。

何に価値があるのか、結局それが全てだ。そして価値観も年齢によって変わってくる。自分が90歳ぐらいになってヨボヨボになり耳も聞こえず目も悪くなったりしたら「もうええか」と思っているかもしれない。

この本は、腰を落として死を考えることによって、価値のあることをするために、今やってる下らないことをやめるという決断ができるかもしれない良い本だろう

生きる身としては死について一回学んでおくのも有意義なので読んでない方はぜひどうぞ。