黒い窓と白い空

日頃、想像とかするのが好きです。 映像作品では仮面ライダーが好きです(変身はロマン) …

黒い窓と白い空

日頃、想像とかするのが好きです。 映像作品では仮面ライダーが好きです(変身はロマン) 短めの小説やエッセイなどをボチボチ書こうと思っています。

最近の記事

心のかけら売りシーネス 2ピース

かけらうりからジグソーパズルのピースのような物を渡された後、未色は自分の住んでいるマンションへ帰りそのパズルのピースのようなものを見つめていた。 「一体何なんだろう、これは」 目の前のパズルピースは特に仕掛けがあるわけではなく、こいつが今の自分の悩みを解決するといってもそのビジョンがまるで見えてこない。 しかし、未色はこのパズルピースから何か大きな魅力のようなものを感じており、こうしてパズルピースと向き合っているのだ。 そんな時間を過ごしていると未色の身体から腹を空かせる音が

    • 心のかけら売りシーネス 1ピース

      ここは組絵町。 日本を歩いていれば、どこにでもあるようなありふれた町。 そんなこの町にも一つだけありふれていない噂話があった。 それは「心のかけら売り」の話 シルクハットに赤いジャケット、黒いズボン、髪の毛は水色で毛先を紫色にグラデーションされている長い髪の女性の話。 日々を過ごしていく中で擦り切れていくように削れてしまった心を持つ人に現れては、その心を埋める欠かけらを渡すのだという…… 「未色、またミスしたのか。これで何回目だ」 「すみません……」 未色壇はバイト先である

      • 絵は描けなくなって文章が書ける理由

        私は大学に入ってから「自分の世界を表したい」という思いが強くなり、絵をかいたり、何かを作ろうとしたり、こうやってnoteに文章を書いたりしているのですが…… 私は今絵を一切描かなくなりました。 もちろん今でも、自分のイメージを絵にしたい、イラストにしたいって思いはあるのですが、 自分で描いた絵が下手すぎて、もう絵の練習をするのが嫌になりました。 そんな僕でも、文章を書くのは嫌になりませんでした。 私は「どうして、絵はかくのが嫌になって、文章は毎日かけるのだろう」と考えました。

        • 愚かな人間と怪人

          「人間とは愚かなものです……」 怪人はビルの屋上で人間達を見下ろしながらそう言った。 「自分たちの生きやすいように自然を改造し、自分たちが飢えないように動植物たちを管理し、はたまた個人が得をするために人間同士で争いあう……この地球で最も愚かで救いようのない生き物です。そうは思いませんか、そこでコソコソしているあなた」 怪人はそう言うとくるりと後ろを見る。 そこには、怪人に向けてリボルバーを構えている一人の人間がいた。 しかし、その人間は自分の存在が怪人にばれても顔色一つ変えず

        心のかけら売りシーネス 2ピース

          生きる理由

          「俺はどんな時でも考えるのをやめないのを信念にしてるから」 親友のそんな言葉を聞くたびに感心する。 そいつは、昔から地頭のいい奴だった。 そいつは大学に入ってからドンドン俺をおいてく。 こんな混沌としている非常事態の今の世の中で、ちゃんと理にかなった自分なりの考えをもって、自分の基準で行動している。 俺はずっと迷ってばかりなのに。 寂しがりやなところが玉に瑕だが、彼ならきっとこの先、世の中がどんなに大変になっても生きていける。 「これならもうレベル全部MAXだわ」 友人のそ

          落ちこぼれの死神

          死神の仕事は生き物の命を絶つことだ。 命を絶つ対象を苦しませることなかれ、慈愛の心をもってあの世に魂を届けることをモットーとしながら今日も死神たちは仕事をこなす。 そんな死神たちの中で一人だけ、生き物の命を絶つことができない死神がいた。 その死神は、生き物の命を絶つ直前になって他人の命を絶つという行為に罪悪感を感じてしまうのだ。 そのせいでその死神は一度も仕事をこなせたことがなかった。 それどころか、命を絶つ行為を途中でやめてしまうので対象の生物を無駄に苦しめてしまうことが多

          落ちこぼれの死神

          天使と王様

          天使の仕事は人間の社会を見守ることである。 そのため天使一人一人に担当の王国があり、その国の王様は一度だけ天使に願い事を叶えてもらうことができるのだ。 しかし、ベテラン天使のミカはもうこの仕事にうんざりしていた。 自分の担当している国の王様はいつもいつもろくでもない奴ばかり。 天使に叶えてもらう願い事もどの王様も決まって 「国民の情報を操作する力が欲しい」というのだ。 そうして、国民の知らないところで王様だけが得するような国づくりをしていた。 そんなことばかりが続くのでミカの

          常識を叩いて砕く

          「自分の世界観を小説にして表したい」 俺はポツンとそんな愚痴をこぼす。 「じゃあ、書けばいいじゃない」 同居人の彼女はそう言葉を返す。 「やってみたけど小説っていうには少なすぎる文字数しか書けなくてさぁ」 やっぱり自分に小説を作るのは無理だと考える。 「超短編小説ってことにすればいいじゃん。俳句に比べれば十分文字数は多いんだし」 彼女はポテチをつまみながらそんなことを言う。 随分めちゃくちゃなことを言われた気がするが、無理に文字数を増やして書くよりその方がよっぽど自分の創作活

          常識を叩いて砕く

          狂うほど“キミ”の話が書きたいのに

          もう何十回も頭に叩き込んだあの曲。 一度、私の耳に入れたらもう最後。 その曲によって創られた世界は私を逃がさない。 私を現実にもどしてはくれない。 そんな空想の世界で“キミ”は一人微笑む。 その仕草が、雰囲気が私を狂わせる。 でも私は、君の容姿も性格もワカラナイ。 私の身体は“キミ”の魅力で勝手に踊らされる。 リアルでは意味を持たないその動きはまるで挙動不審。 この世界と“キミ”の魅力を共感してほしいから、もっと鮮明なものにしたいから。 足りない頭と貴重な時間を使って君の話を

          狂うほど“キミ”の話が書きたいのに