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#23 Small world

『そよ風』の夜です

冷え性泣かせの冬が近づいているのを実感しております、風見鶏です。
いやあ、手が。手が冷たいんじゃ。
体はそこそこぬくぬくしていても関係ないってのが意味わからないよ。
でも貼らないカイロは使わない主義。強情。

さて、今日はBUMP OF CHICKENの『Small world』について、風見鶏の思うことをぽやぽや書く。それだけでございます。

いやいや何故急にこの曲なん?と思ったそこの方。
リリースから2年たった今になって、やっと風見鶏がこの曲をわかったように思えたからです。
たまにないですか?環境が変わったり年を取ったりしてから、心にストンと落ちてくる曲。

前置きが長いね。

ささやかな世界を覗く

正直、まだ咀嚼中なんです。
解釈もまだまだだし、それを書き表すのはさらに未完成状態。
それでも喋りたくなっちゃったんだなぁ。お手柔らかにお願いします。
解釈・考察だと思って読むと違うかもです。

それでは、”Small world”こと”ささやかな世界”へ参りましょう。

1番

いろいろと下手くそな僕は
この道しか歩いてこられなかった
出来るだけ転ばないように
そして君に出会えた

不器用で世渡り上手ではなく、無難な道しか選べなかった主人公”僕”。他の選択肢がなかった、というよりは選ぶ権利がないと感じてしまってそう。
褒められるようなもんじゃない、自分にとっては普通で平凡な人生。でもその平凡な人生すら慎重にしか生きてこられなかったんだよ。そんな気持ちかな。
そして”君”に出会う、と。

まぶた閉じてから寝るまでの
分けられない一人だけの世界で
必ず向き合う寂しさを
きっと君も持っている

目を閉じたときの、本当に孤独な世界。確かに、どうやっても誰かに共有できるものではない。これが『Small world』?どうなんでしょう。
それから。寝る前って後悔とか不安とか考えてもどうしようもないことを思い出したり考えたりしがちじゃない?自分自身と1対1で向き合うあの時間が「寂しさ」。
”君”はきっとその「寂しさ」を知っているだろうと思う何かきっかけが”僕”にはあったのね。

秘密のため息は 夕陽に預けて
沈めて隠していた事
どうしてわかるの 同じだったから

一日の終わりに夕日に託した秘め事が、地平線の向こうに沈んでいくんです。人に言えないこと、言いたくないことを、明日にもっていかないように隠してしまう。こういう藤くんの言い回し、好物です。
誰にも弱さを見せないために隠していても、”君”には気づかれてしまった。「どうしてわかるの」とたずねる”僕”と、「同じだったから」と答える”君”。他に何を言わずとも、通じ合えた二人。同じような孤独や不安、そして「寂しさ」を抱えていた仲間でした、と。

散らばった願いの欠片で照らされた夜も
どこかへ向かうパレードも 誰かの歌う声も
僕らにはひとつも 関係ないもの
一緒に笑ったら その時だけは全部
僕らのもの

散らばった願いの欠片=星だと思っているのですが、なんちゅう表現するんだ藤くん!(歓喜)
人々の願いがつまった星空の夜も、人々の幸せそうな瞬間も、”僕”と”君”には無縁の明るい世界の話。それでも、一緒に笑う、それだけで明るい世界が自分たちのものになる。自分と他人は別の存在、それでも理解しあえればお互いの世界を共有できる。
”君”との出会いは、”僕”が一緒に歩く人を見つけた出来事だったわけだ~。

2番

すぐに言葉間違えそうで
傷付けたり怒らせたりしそうで
気をつけるようにしていたら
ただ喋れなくなっていた

伝えたいこと・話したいことはあるけれど、結局飲み込んでしまう。相手に嫌な思いをさせたくないのはもちろん、「相手を不快にさせた」という失敗を自分が抱えることも避けたいと”僕”は思ったんじゃないかな。(風見鶏が”僕”に共感する部分が多いので重ねすぎているだけかも)
でも飲み込み続けた結果、自分だけでスッキリ解決させられるわけではないから悩み・ため息になってしまう。悪循環、苦しいよね。

君だけの思い出の中の
君の側にはどうやったって行けないのに
涙はそこからやってくる
せめて今 側にいる

出会う前の”君”を知らないことは当たり前。それでも過去の出来事に苦しむ”君”を助けてあげたくて、でも何も出来なくて。
せめて、そばにいさせてほしい。この気持ちとてもわかる。

そうしたいと思うのは そうしてもらったから
何も喋らないのにさ
まんまるの月が 君の目に映る

”君”に寄り添いたいと思うのは、”君”にそうしてもらったから。ただただ何も言わずに"僕"のそばにいてくれて、救われた。
感謝の気持ちと、お返しの気持ち。暖かいね。
そして唐突な「まんまるの月が 君の目に映る」という歌詞。これについては次のフレーズの後に色々書かせてほしい。

叶わないままの夢はどんな光より綺麗で
変われないのに変わりたいままだから苦しくて
流れ星ひとつも 気付けなくても
君を見つけて 見つけてもらった僕は
僕でよかった

叶わないままの夢、すなわち”僕”が叶えることはなく他人が叶えようとしている夢が眩しくて羨ましくて。隣の芝生は青く見える的な?
変われない現実から逃げて「変わりたい」の一心で苦しみもがいて。(変わりたいのに変われないまま、とは違う!)
それでもです。願いを叶えてくれる流れ星には不運にも頼れず、泥臭くもがくしかない人生でも、”君”に会えてよかったと言い切ってしまいます。

考察:まんまるの月

まんまるの月。これ解釈色々あるんじゃないかなと。
まず、Small world。どこにいようと夜空を見上げた”僕”が”君”と共有できる唯一のもの、それは月です。見えている景色も聞こえている音もそれぞれであり、願いを向ける星だって無数にあるんですから、どれか一つで一致させるのは難しいです。月は誰にとっても同じ、あの一つ。お互いの存在があって初めてわかり合えた・共有できた小さな世界を、お互いの目に映ることのできる太陽に照らされた満月に例えているのではないでしょうか。
もう一つ、"僕"にとっての"君"と"君"にとっての"僕"。"僕"を救いだして前に進ませてくれる"君"は真っ暗な夜道を照らす月明かり。「君の目に映る」まんまるの月="僕"とすると、"君"がしてくれたようにただ側にいた"僕"は、ちゃんと"君"にとっての月明かりになれた。そんな感じかなって。自分で光る太陽じゃなくて太陽から光をもらって輝く月、ってところも、結局導く側の光るエネルギー源は相手に依存している感があります。あるよね?相手がいなきゃ始まらない優しさなのかなって。
違う解釈あればぜひ聞きたい!!

ラスサビ

散らばった願いの欠片で照らされた夜も
どこかへ向かうパレードも 誰かの歌う声も
僕らにはひとつも 関係ないもの
一緒に笑ったら その時だけは全部
誰にも気付けないくらい ささやかな世界の中でも
僕らのもの 僕らのもの

「誰にも気づけないくらい ささやかな世界の中でも」の解釈。ここ難しい。
他の人は見つけられない”僕”と”君”だけのささやかな世界。皮肉なようでワクワクする内緒ごとみたいだなと思います。わかる人にはわかる、些細で静かな幸せ。いわゆる普通ではなくても、僕らには幸せなんだよ感。
こんな感じ?どうなんだろう。この一文で伝えたい事…難しい。

どうしてわかるの 同じだったから
まんまるの月が 君の目に映る 夜が騒ぐ
ポップコーン転がっている クライマックスのパレード
関係ない世界が 僕らを飲み込む ルララ ルララ

ここまでの解釈でくみ取った"僕"と"君"の世界が共有された瞬間。そのときの様子を描いて曲は終盤に。
ポップコーンみたいにはじける喜び、賑やかさの増したパレードみたいに沸き立つ感情、これまでは無縁に見えた幸せが降り注ぐ。関係ない他人の世界と自分の世界が、静かに穏やかに打ち解けていく。これが「夜が騒ぐ」ことなのかなと。出来上がった『Small world』に思いをはせて、”僕”は筆を置く、そんな終わり方に感じました。

おわりに

ぽやぽや書きました。
BUMPの歌詞、メッセージは真っすぐに飛んでくるのに部分的な歌詞を見ると表現が凝ってるので、自分がどう受け取ったか語ろうと思うと苦労しますね…。伝わってるといいな。
冒頭でも述べた通り、『Small world』は今年に入ってからとても好きになった曲です。色々、気持ちや環境の変化があったからかもしれないな。

BUMPばっかり紹介していますが、他のアーティストさん・楽曲も好きなのたくさんあるのでね、いずれ!でもBUMPも語らせて!(笑)

音楽は最高ですね!また書きます、こういう系。
それでは。

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