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忍殺トリロジー感想【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】

◇注意◇
現行AoMシリーズからニンジャを読んだ人が、
旧三部作(トリロジー)に戻って色々読んだ感想記事です。
感想の中でAoMのお話もします。

こんばんは!『スズメバチの黄色』→『AoM』→『トリロジー物理書籍』の順で忍殺を履修して感想を残している人です。
第三部の物理書籍を二冊目(『死神の帰還』)まで読んだところなのですが、ナビゲーション役の夫くんから、次は【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】のTwitter連載版(=noteアーカイブ)を読んでほしい、という要望がありました。物理書籍版の加筆修正要素などで消えたシーンが惜しいからだそうです。
さっそく読んだので、今回はその感想を書きますね。

前回感想はこちらです。

◇◇◇

今回読んだエピソードはこれ。
無料アーカイブ記事なので誰でも読めます!

第三部【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】

ネオサイタマに戻ったフジキドは、新たに探偵業を始めた。此度の依頼人は、愛娘とその婚約者を惨殺された老夫婦。調査から浮かび上がってきた所属不明の愚連隊「サークル・シマナガシ」に当たりをつけた彼は、やがてオムラの遺産を巡るバイクレースに巻き込まれていく。

フジキドさんがまともそうな探偵業をしている。
新鮮な驚き。
ニンジャを残忍に追い詰めて殺すことを探偵行為だと思い込んでいるおじさんじゃなかったんだ!

ネオサイタマにもヤンキー暴走族がいるらしい。へー。まあいますよね。

 彼らのファッションはロッカーめいた鋲付き革ジャケットが基本装備であり、剃り込みを入れたヘアースタイル、額には捻じったタオルをしめ、シート背もたれは天を衝くほどに高く、エビやシャチホコの意匠を取り入れ、丸みを帯びた書体の「大漁」「頑張り」「無免許運転」のノボリ旗を

ストップ。待って。理解できなくなってきた。

剃り込みを入れたヘアースタイル辺りまではギリギリついていけたんですが途中から脳が処理落ちした。いえ、一昔前の暴走族漫画のあの感じだと思えば、まぁ理解できなくも……でも海老やシャチホコといった単語が激しいノイズになって情報処理を阻む!

「ナメてる?ナメてるッて?」アフロヘアーにオールドファッション・サングラスの男は薄ら笑いを浮かべた。スリムジーンズに、上半身は裸、鍛え上げられた肉体をさらし、背中には威圧的なタトゥー。「……俺たちがか?」

いい感じにオラついてるスーサイドさんを見ると(【ニュー・メッセンジャー・オブ・パスト・アンド・フューチャー】を読んだせいもあり)でも、こんな姿を今のヤモトさんに見られたら目を逸らして逃げちゃいそうで可愛いな…と思ってしまいます。ふふ……。

一方でフィルギア氏はずっと可愛い子ぶっていて可愛くない。コラッ。「コワいもの」じゃないんですよ。無免許とか気にもしてないくせにまったくこの人は。あなたの方が怖いですよ。

そこからやや遠く、ハイウェイの道路状況液晶表示板の上に腕組みして直立する赤黒の影が、夜風にマフラーめいた布をはためかせ、その有様を注視していた!

フジキドさん何してんの?www

フィルギアは真顔になった。「もうちょい……もうちょい右だ」

フィルギアさんの真顔、ズルなんですよね……普段ヘラヘラしてるせいで真顔になっただけで読者をハッとさせるという効果だけに留まらない、彼特有の謎のズルさがある……

◇◇

アナイアレイターの作戦はこうだ。暴走族クランを挑発し、後ろ盾のヤクザ経由でニンジャを引きずり出す。ニンジャはアマクダリ・セクト所属のはずだから、そいつらをヤッてアマクダリに宣戦布告する。完璧! いくぜ!

段取りも実行もグダグダすぎるwww
ヤンキーの浅知恵感あっていいですね(褒めてる)。

フィルギアがジョイントを咥え、火をつけた。スーサイドは火を借り、自分のタバコに着火した。ルイナーは辞退。

ル、ルイナー氏……

アナイアレイターさんの暴走に気づいたフィルギアさんが一番速く地面に伏せたの、そういうとこだぞ!と思いました。同時に彼が長い人生で潜ってきた修羅場の数が明確にわかる一文でもありますね。

「カケル=サン……キ、キング!」「キング……」「キングだよ!」「カケル=サン!」「カケル=サン!」「ワオオーッ!」

この、おつむは足りないが衝動だけは溢れるほど過剰な有象無象ヤクザ未満ヤンキーたちの中で、ほんの少し数ミリ釘の頭が突出していただけだったカケルくんが責任の重さに焦り、彼なりにカリスマっぽいと思い込んでいる示威行為を行い、それに何となく皆が盛り上がってついていっているだけ……という上滑りな空気感の描き方がすごくうまくて感心しています。

イッキ・ウチコワシやザイバツもそうでしたが、独特な空気を持つ集団の狂気を書かせると抜群にうまいですよね。

フィルギアはルイナーの肩に腕を回し、アナイアレイターを見る。

また軽率なボディタッチをして!

つまり、サークル・シマナガシを作ったのはフィルギアだ。

ほら~~~~~!!!
好みの男を集めて居心地のいい空間を作っておられるんですよね!? 男と男のアクアリウムを! なんて罪深いリアルニンジャ野郎なんだ!

フィルギアはいつも、三人目のタイミングで、同意の挙手をする……。

ほら~~~~~~~~!!!!!!
自分の意見がないように見せかけておきながら、実質的には彼の挙手で多数決の天秤が傾くんじゃないですか! なんて罪深いリアルニンジャ野郎なんだ!!

アジトに帰ってきたらソファーに座ってる赤黒忍殺おじさん迷惑すぎるw
若者の秘密基地に父親くらいの年齢の人が座り込んでるの普通に嫌がらせだよ。

「くだらねぇ!」スーサイドが吐き捨てた。「ンな事をして、俺らに何の得がある」「その申し開きをせよ」とニンジャスレイヤー。

「申し開きをせよ」じゃないんですよ一方的に疑いをかけておきながら、フジキドさんはまったく……

フィルギアはニンジャスレイヤーに瓶を掲げた。「そこで俺に提案がある……俺がアンタについていく。ニンジャスレイヤー=サン」

自ら人質姫になるんじゃありませんよそんな自然な流れで……フィルギアさんはまったく……

フィルギアはアナイアレイターの肩を抱いた。「同じ事を言わせるな。アナイアレイター=サン。しつこいぜ」

また軽率に肩を抱いて!!!!

そしてまた真顔! ズルい! この人はズルい! ギーーッ!!

◇◇

ニンジャの手によるハイウェイ男女殺人事件。ニンジャスレイヤーは容疑者と思しき「サークル・シマナガシ」のアジトを強襲するが、一同は頑として犯行を認めない。さらにメンバーの一人である謎めいた男が、無実を証明するためにと共同捜査を持ち掛けてくる。謎めいた美しい男…フィルギアは、ナラクとニンジャスレイヤーを一方的に知っているようだった……

「ナラクの何を知る」「そう、その話だよ」真顔で見返した。

また真顔!!!!

「そいつは暴れ狂って、いっぱいニンジャを、モータルを、殺した。殺しまくった。ヒヒッ……当時の俺の妹と恋人も死んだ」

は~……。フィルギアさんの口から、ニンジャスレイヤーの一番最初の始まり(イチロー老人でしたっけ?)が、もうこの時点で語られていたんですね。一番最初の長編エピソードから、本当にあったことを素直にそのまま、一対一で打ち明けていたのか。ちょっと意外でした。そうなんだ……。

でもAoMの時代と違って、トリロジー時系列において「リアルニンジャ」は神話的存在でしかなかったのですよね。唯一の例外は神話の時代から生き続けるユカノさんですが、彼女も膨大な記憶メモリの負荷に耐えきれず、人格を転々としてきています。ゲンドーソー先生も第一部で亡くなっていますし、彼もリアルニンジャとしては若かった方でしょう。

だからトリロジー時系列のこの時点で、当時の記憶を持っていると自称して物語に登場したリアルニンジャはフィルギアさんだけのはずで……だから、これだけ素直に情報を出していても、相当に怪しい印象があったのではないでしょうか?

「おっかなくてしょうがない……いずれ、ちゃんとしてくれねえと……真実を……俺やアンタの知らない真実……ナラクが何なのか…どうやって生まれたのか……ちゃんとしてくれねえと……ヒヒッ……」

おお、そこにも踏み込むんだ。
第三部の間に実際どこまでナラクちゃんの謎に迫っていくのか。何も知らないのでドキドキしてきました。どうなるんだろ。

◇◇

スピードレースでの敗北以降、カケルの暴走が止まらない。ヤクザサツガイの責任を負わされることを拒み、派遣されたヤクザを逆に囲んで殺害。さらには協定を破り、他の暴走族連合を襲い始める。そのとき、不気味なLEDライトが猛スピードで迫り……

そう、協定だ……ルート808を根城にする三つのバイクチームは、過去の抗争の果てに協定を打ち立て、週ごとのシフト制の暴走行為に落ち着いた。

シフト制の暴走行為

患者のふりをして情報を盗みに入るフジキドさん。

「モリタ=サン、初めて、モリタ=サン、倦怠感ねこれ。倦怠感これ」

自我障害ねテクノストレスこれね自我が障害、現代の病ですねIRCとか。そんなにやってなくてもね。テクノストレスすごい避け難い現代社会これ」

お医者さんの独特な口調が本当にいそうな感じで面白いですねw

「こんな事、犯罪だよ、犯罪……いけない事だぜ」フィルギアはニヤニヤと呟いた。「犯罪者だよ……」

ニヤニヤすんな! 歩く18禁!!(地団駄)
あなたこそワイセツニンジャ罪ですが!?

「ドーモ、イチロー・モリタです」ニンジャスレイヤーはオジギし、デッカー手帳を見せた。偽造品だ。

フジキドさんまた堂々と嘘ついて……。
脱法に一切の躊躇がなくてすごい。


◇◇

被害者の男性側には、よくよく調べれば確かな違和感があった。プロフィール詐称。自我科への通院歴。違和感を辿り、フジキドとフィルギアは真実に迫っていく。

ニンジャスレイヤーは言った。そしておもむろにUNIXデッキのボディパネルを引き剥がし、記憶ディスクを取り出した。

コラコラコラ!!!
破壊に躊躇がなさすぎる。ガンドーさんが頭を抱える幻が見えそう。

しかしオムラか……オムラね……。個人的にはもうオムラ嫌なんですけど。具体的にはユンコちゃんの父を名乗る不審魚が悪い。

 熱した針を体幹に打ち込むことで血流を整え、治癒を促す古代技術……ニンジャにおいては、常人とは比較にならぬほど様々な治療効果があるとされる。それはなぜか?不用意に歴史の闇に触れるのは得策では無いと申し上げておこう。

は? こういうのほんと許せないんですよね。
地の文さん絶対自我があるよね。フジオに欲情してるしフジキドさんがあからさまな嘘をついても肩を持つしケイトーの偽名乗りにもツッコまないし……。たまに襟掴んでガクガク揺さぶってやりたい衝動に駆られます。何か企んでいるんじゃなかろうな。

UNIX画面が瞬き、監視モニタ映像を映し出した。彼は息を呑んだ。ケンザ=サン?違う。長髪の……女?いや、男だ。一人だ。カメラ方向に手を振っている。

「こんな事、犯罪だよ、犯罪……」もなかは呟いた。
監視カメラの向こうで手を振ってくる魔性の男はニンジャえっち罪だよ。

科学、進歩、発展を信じ、鉄の質量を、実行力を疑わない無邪気さだ。ニンジャスレイヤーはそれが産み出してきた無数の悲劇を知る。それは邪悪な無邪気さである。

この表現好き。
「邪悪な無邪気さ」、オムラって今も昔もまさにこの理念が具現化した会社なんじゃないかという気がします(じゃあちょっとイヤかな…)(てのひらを返す)

「事件の後……生きてるんじゃねえの……どうなの……知ってるんじゃねえの……仲良しなんだろ……」

フィルギアさんの口から発せられる「仲良し」という単語、我々の知ってる「仲良し」とは違って隠語っぽい感じになってるので忍倫にかけてピー音鳴らすべきでは?

フィルギアがイノエの肩を抱いた

また! 軽率に! 肩を! 抱いて!!!

倒産後にオムラの復活を呼び掛けた者がおり、集った人々がいると…なるほど。

「復活のノロシを上げよう。雷神はモーター理念のもとでふたたび蘇る。集え!」……送信者の名はタイサ・ルニヨシ。(略)そしてイノエにケンザが応えた。彼らだけでは無かった。トコロ・スズキ。シムカギ・ジチロー。様々に散ったオムラの遺伝子たち。

この中にユンコちゃんを苦しめた回遊魚類がいるってこと? あいつの本名は? どいつを殺せばいいの? お兄ちゃん教えて。犯人が魚類に転生する前に止めてやる。あたしが歴史を変えてみせるから。

パイプ椅子ガタガタ揺らしながら笑うフィルギアさん、さすがにえっちすぎて逮捕案件じゃない? でも独房にぶち込まれたフィルギアさんもえっちすぎて起訴案件になりそうだからシャバでコロナ煽ってもらってた方がマシなのかもしれない。

◇◇

死んだと思われていたケンザ=キシオミは生きていた。ハイウェイの都市伝説、クロームの死神、イルカクロイの乗り手・クロームドルフィンとして……!

ゴウ。ゴウゴウ。路側灯が風を切り、ガードレールの奥には不夜ネオン光景。あれは星々だ。夜空の星々と同じぐらい、カケルとは縁の無い世界だ。

良い文章~~~~!

「アイ……アイエエエ!」キマリテ首領の悲鳴をヘルメットが拾う!

この表現も素晴らしい!

バイクチェイスの描写もキレッキレで最高です! 

鬼瓦ツェッペリン……否!鬼瓦フライングパンケーキである!

フライングパンケーキって何!?

へええ。実用には至らなかった円盤翼を持った航空機。そんなのがあるんですね。軍事関係は不勉強なので面白いです。

読者の皆さんの中にご存知の方もおられるやも知れぬ。これこそ、悪魔じみた可変ロボニンジャ「ドラグーン」だ!

知りませんが!? 変なもの作らないでくださいよ、怒るよ!

……反射的に怒ってしまいましたが仮面ライダーアクセルみたいな感じと考えれば普通にかっこいいのかも。アクセルいいですよね。

彼のニンジャ視力は当然、既にその新手のニンジャの正体を捉えていた。爆炎に逆光となったその赤黒のニンジャを。そのメンポに刻まれた「忍」「殺」の二文字を!「貴様!貴様はニンジャスレイヤー=サン!」

オーファンさんかわいそう。
キンボシ、手の届かないお空に飛んで行っちゃったね……。

「何故貴様が!」

ほんとだよね……。
かわいそう。

◇◇

もう少しでビッグディールが成功だ! 大金星だ! ここまではオーファンの目論見通りであ「ドーモ、ニンジャスレイヤーです!」~次回最終回! 私のキンボシはどこへ!? 終わりなきキンカクへの旅路! みんな、見てくれよな!!

「私が考えておらんとでも思ったか貴様……グワーッ!?」オーファンはミラーを凝視!「ニンジャスレイヤー=サン!」ニンジャスレイヤーは真後ろにつけている!

怖っ……オーファンさんかわいそう……。

「ザザザ、ピガーッ!?バカナ、ニンジャス」「レクティファイアー=サン?応答せよ!」

怖っ……レクティファイアーさんかわいそう……。

ハイウェイはトリイ地帯に差し掛かる。ライトアップオカメを戴く無数の巨大トリイの列をくぐり抜ける直線路だ。

ライトアップオカメ……何? 脳が情報処理を拒んでいる。

スターゲイザーさん、「上位者」と書かれているわりには「俺は詳しいんだ」発言などのせいでどうにも小物っぽく感じられて不安になります。

「何が目的だ。探偵気取りめ!」「探偵だ」ニンジャスレイヤーは言った。「ニンジャを殺す探偵だ」

堂々と名乗れば何とかなると思っているフジキドさんシリーズだ!
「ニンジャを殺す」と「探偵」の間の係り結びがおかしいんですよね。文章がつながっていないですよ?
もちろん「探偵」という自己定義が、彼の新たな人生に対する大きな一歩であり、大恩ある盟友に灯された明かりの先の道であることはよくわかっているんですが、それはそれとして探偵が堂々とニンジャを殺してどうするんだよ!という話であります。推理をしろ!なおニンジャの仕業と決めつけるのは推理とはいいませんからね。わかってる?

◇◇

私は暗黒非合法探偵フジキド・ケンジ。ニンジャの悪行に苦しむ人々の依頼を受け、ニンジャを殺す仕事をしている! ニンジャを殺す探偵だ!

それは探偵とはちょっと違うお仕事でしょ! ガンドーさんこの人に何か言ってやって!

大混戦状況にさらにシマナガシの四人+棺桶が乱入。棺桶って何!?

なお、チョッパーバイクには鎖が繋がれ、その先にはカンオケがあった。

え、誰だろ。ジェノサイドさん?
でもジェノサイドさんだったら薄幸そうな女性に連れられてくるはずですよね、こういうとき。若い男に連れられてくるイメージがない。

山高帽のニンジャはどろりと濁った目を虚空に彷徨わせた。「ハァー……エルドリッチです」

あっエルドリッチさんか!
何しているんでしょうここで。経緯が気になる。

「そりゃ、煩わしくしてやりに来たんだもの」フィルギアが言った。「わざとだよ……構ってくれッて(略)」

ヒッ! 空間の対象年齢を引き上げないでくださいよ!

「興味あるかい」フィルギアは囁いた。

さ、囁かないで。こわい。

◇◇

シマナガシ・アマクダリ入り乱れる混戦のさなか、クロームドルフィンがイルカクロイに跨り集団を抜け出した。猛追するアイアンオトメのニンジャスレイヤー、やや遅れてアマクダリのドラグーンを駆るブラックオニキス!

スターゲイザーは片手を掲げ、この時間差攻撃をも防御!鋼鉄メンポから蒸気が噴き出す。「貴様ゾンビーニンジャか。リー先生のザルめいた管理ときたら!」

スターゲイザーさん、リー先生のお知り合い? だから怪我をしても治るんでしょうか。改造とか受けてるのかな。

高速走行するバイク上でのチョーチョーハッシ乱打戦のさなか、やがて、風に乗って白い雪めいたかけらが舞い始める。ハイウェイ左横、観光名所としても名高い、ビル15階の高さがある巨大バイオ桜だ!

急に何!?

「やめろ!」クロームドルフィンが拒絶した。「くだらぬ事を」「くだらぬ事?」ニンジャスレイヤーは続けた。「私はこの話をしに来た」

愛した人を弔え。私はこの話をしに来た。

ここまで通して暴走族と愚連隊のドンパチやスピード狂のバイクチェイスを見せつけられてきたのに、最後の最後でこんな……愛した人の弔いの話を持ってくるの、ずるいよ。フジキドさんが伝えるからこその重みがあるじゃないですか、愛した妻を失った男だからこそ言える言葉が……。このために、この話をするためだけに、クロームドルフィン…否、ケンザ・キシオミさんに「ハイウェイの先を見つめていないで、胸の中のマカナさんを弔え」と伝えるためだけに、フジキド・ケンジは、探偵として、ここまで追いかけてきたんですね……確かに彼はガンドーさんの志を継いで動いているんですね。

と感動する反面(やっぱり「ニンジャを殺す探偵だ」の名乗りはおかしくなかった?)と冷静になっている私もいます。おかしいよね?

どこか寂寥感と不完全燃焼完の残る幕引きですが、それも含めてよかったです。クロームドルフィンさんは、カケルと並走しているかぎりは少なくとも、孤独にはならないのかも。それが救いなのかもしれません。

って続くの!?

ど、どういうことなんでしょう……。カケルのその後の話とか?

サークル・シマナガシの戦いもこれからといった感じでしょうか。まだまだ顔見せという感じだったので、これからが楽しみです。

【N-FILES】

ルイナー氏の情報にビックリしました。
ゴダさんちの子だったんですか!?

ルイナー / Ruiner:本名ヒガ・シロキ。ゴダ・ニンジャクランのグレーターニンジャソウル憑依者。

言われてみれば確かに……なんというか……うまく言えないんですけど、魂の種類が相似形を取っているような気がします。まだルイナー氏のこと何にもわからないけど……。

今回はここまで。
夫くんによれば、このまま続けてモータードリヴン・ブルースを読んでほしいそうなので、感想記事も物理書籍の前にこちらが先に上がると思います。
それではまた、次の感想でお会いいたしましょう!

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次の感想はこちら。

【感想目次】



楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。