忍殺トリロジー感想【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】
こんばんは!『スズメバチの黄色』→『AoM』→『トリロジー物理書籍』の順で忍殺を履修して感想を残している人です。
第三部の物理書籍を二冊目(『死神の帰還』)まで読んだところなのですが、ナビゲーション役の夫くんから、次は【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】のTwitter連載版(=noteアーカイブ)を読んでほしい、という要望がありました。物理書籍版の加筆修正要素などで消えたシーンが惜しいからだそうです。
さっそく読んだので、今回はその感想を書きますね。
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前回感想はこちらです。
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今回読んだエピソードはこれ。
無料アーカイブ記事なので誰でも読めます!
第三部【ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード】
ネオサイタマに戻ったフジキドは、新たに探偵業を始めた。此度の依頼人は、愛娘とその婚約者を惨殺された老夫婦。調査から浮かび上がってきた所属不明の愚連隊「サークル・シマナガシ」に当たりをつけた彼は、やがてオムラの遺産を巡るバイクレースに巻き込まれていく。
1
フジキドさんがまともそうな探偵業をしている。
新鮮な驚き。
ニンジャを残忍に追い詰めて殺すことを探偵行為だと思い込んでいるおじさんじゃなかったんだ!
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ネオサイタマにもヤンキー暴走族がいるらしい。へー。まあいますよね。
ストップ。待って。理解できなくなってきた。
剃り込みを入れたヘアースタイル辺りまではギリギリついていけたんですが途中から脳が処理落ちした。いえ、一昔前の暴走族漫画のあの感じだと思えば、まぁ理解できなくも……でも海老やシャチホコといった単語が激しいノイズになって情報処理を阻む!
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いい感じにオラついてるスーサイドさんを見ると(【ニュー・メッセンジャー・オブ・パスト・アンド・フューチャー】を読んだせいもあり)でも、こんな姿を今のヤモトさんに見られたら目を逸らして逃げちゃいそうで可愛いな…と思ってしまいます。ふふ……。
一方でフィルギア氏はずっと可愛い子ぶっていて可愛くない。コラッ。「コワいもの」じゃないんですよ。無免許とか気にもしてないくせにまったくこの人は。あなたの方が怖いですよ。
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フジキドさん何してんの?www
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フィルギアさんの真顔、ズルなんですよね……普段ヘラヘラしてるせいで真顔になっただけで読者をハッとさせるという効果だけに留まらない、彼特有の謎のズルさがある……
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2
アナイアレイターの作戦はこうだ。暴走族クランを挑発し、後ろ盾のヤクザ経由でニンジャを引きずり出す。ニンジャはアマクダリ・セクト所属のはずだから、そいつらをヤッてアマクダリに宣戦布告する。完璧! いくぜ!
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段取りも実行もグダグダすぎるwww
ヤンキーの浅知恵感あっていいですね(褒めてる)。
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ル、ルイナー氏……
アナイアレイターさんの暴走に気づいたフィルギアさんが一番速く地面に伏せたの、そういうとこだぞ!と思いました。同時に彼が長い人生で潜ってきた修羅場の数が明確にわかる一文でもありますね。
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この、おつむは足りないが衝動だけは溢れるほど過剰な有象無象ヤクザ未満ヤンキーたちの中で、ほんの少し釘の頭が突出していただけだったカケルくんが責任の重さに焦り、彼なりにカリスマっぽいと思い込んでいる示威行為を行い、それに何となく皆が盛り上がってついていっているだけ……という上滑りな空気感の描き方がすごくうまくて感心しています。
イッキ・ウチコワシやザイバツもそうでしたが、独特な空気を持つ集団の狂気を書かせると抜群にうまいですよね。
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また軽率なボディタッチをして!
ほら~~~~~!!!
好みの男を集めて居心地のいい空間を作っておられるんですよね!? 男と男のアクアリウムを! なんて罪深いリアルニンジャ野郎なんだ!
ほら~~~~~~~~!!!!!!
自分の意見がないように見せかけておきながら、実質的には彼の挙手で多数決の天秤が傾くんじゃないですか! なんて罪深いリアルニンジャ野郎なんだ!!
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アジトに帰ってきたらソファーに座ってる赤黒忍殺おじさん迷惑すぎるw
若者の秘密基地に父親くらいの年齢の人が座り込んでるの普通に嫌がらせだよ。
「申し開きをせよ」じゃないんですよ一方的に疑いをかけておきながら、フジキドさんはまったく……
自ら人質姫になるんじゃありませんよそんな自然な流れで……フィルギアさんはまったく……
また軽率に肩を抱いて!!!!
そしてまた真顔! ズルい! この人はズルい! ギーーッ!!
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3
ニンジャの手によるハイウェイ男女殺人事件。ニンジャスレイヤーは容疑者と思しき「サークル・シマナガシ」のアジトを強襲するが、一同は頑として犯行を認めない。さらにメンバーの一人である謎めいた男が、無実を証明するためにと共同捜査を持ち掛けてくる。謎めいた美しい男…フィルギアは、ナラクとニンジャスレイヤーを一方的に知っているようだった……
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また真顔!!!!
は~……。フィルギアさんの口から、ニンジャスレイヤーの一番最初の始まり(イチロー老人でしたっけ?)が、もうこの時点で語られていたんですね。一番最初の長編エピソードから、本当にあったことを素直にそのまま、一対一で打ち明けていたのか。ちょっと意外でした。そうなんだ……。
でもAoMの時代と違って、トリロジー時系列において「リアルニンジャ」は神話的存在でしかなかったのですよね。唯一の例外は神話の時代から生き続けるユカノさんですが、彼女も膨大な記憶メモリの負荷に耐えきれず、人格を転々としてきています。ゲンドーソー先生も第一部で亡くなっていますし、彼もリアルニンジャとしては若かった方でしょう。
だからトリロジー時系列のこの時点で、当時の記憶を持っていると自称して物語に登場したリアルニンジャはフィルギアさんだけのはずで……だから、これだけ素直に情報を出していても、相当に怪しい印象があったのではないでしょうか?
おお、そこにも踏み込むんだ。
第三部の間に実際どこまでナラクちゃんの謎に迫っていくのか。何も知らないのでドキドキしてきました。どうなるんだろ。
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4
スピードレースでの敗北以降、カケルの暴走が止まらない。ヤクザサツガイの責任を負わされることを拒み、派遣されたヤクザを逆に囲んで殺害。さらには協定を破り、他の暴走族連合を襲い始める。そのとき、不気味なLEDライトが猛スピードで迫り……
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シフト制の暴走行為
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患者のふりをして情報を盗みに入るフジキドさん。
お医者さんの独特な口調が本当にいそうな感じで面白いですねw
ニヤニヤすんな! 歩く18禁!!(地団駄)
あなたこそワイセツニンジャ罪ですが!?
フジキドさんまた堂々と嘘ついて……。
脱法に一切の躊躇がなくてすごい。
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5
被害者の男性側には、よくよく調べれば確かな違和感があった。プロフィール詐称。自我科への通院歴。違和感を辿り、フジキドとフィルギアは真実に迫っていく。
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コラコラコラ!!!
破壊に躊躇がなさすぎる。ガンドーさんが頭を抱える幻が見えそう。
しかしオムラか……オムラね……。個人的にはもうオムラ嫌なんですけど。具体的にはユンコちゃんの父を名乗る不審魚が悪い。
は? こういうのほんと許せないんですよね。
地の文さん絶対自我があるよね。フジオに欲情してるしフジキドさんがあからさまな嘘をついても肩を持つしケイトーの偽名乗りにもツッコまないし……。たまに襟掴んでガクガク揺さぶってやりたい衝動に駆られます。何か企んでいるんじゃなかろうな。
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「こんな事、犯罪だよ、犯罪……」もなかは呟いた。
監視カメラの向こうで手を振ってくる魔性の男はニンジャえっち罪だよ。
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この表現好き。
「邪悪な無邪気さ」、オムラって今も昔もまさにこの理念が具現化した会社なんじゃないかという気がします(じゃあちょっとイヤかな…)(てのひらを返す)
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フィルギアさんの口から発せられる「仲良し」という単語、我々の知ってる「仲良し」とは違って隠語っぽい感じになってるので忍倫にかけてピー音鳴らすべきでは?
また! 軽率に! 肩を! 抱いて!!!
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倒産後にオムラの復活を呼び掛けた者がおり、集った人々がいると…なるほど。
この中にユンコちゃんを苦しめた回遊魚類がいるってこと? あいつの本名は? どいつを殺せばいいの? お兄ちゃん教えて。犯人が魚類に転生する前に止めてやる。あたしが歴史を変えてみせるから。
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パイプ椅子ガタガタ揺らしながら笑うフィルギアさん、さすがにえっちすぎて逮捕案件じゃない? でも独房にぶち込まれたフィルギアさんもえっちすぎて起訴案件になりそうだからシャバでコロナ煽ってもらってた方がマシなのかもしれない。
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6
死んだと思われていたケンザ=キシオミは生きていた。ハイウェイの都市伝説、クロームの死神、イルカクロイの乗り手・クロームドルフィンとして……!
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良い文章~~~~!
この表現も素晴らしい!
バイクチェイスの描写もキレッキレで最高です!
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フライングパンケーキって何!?
へええ。実用には至らなかった円盤翼を持った航空機。そんなのがあるんですね。軍事関係は不勉強なので面白いです。
知りませんが!? 変なもの作らないでくださいよ、怒るよ!
……反射的に怒ってしまいましたが仮面ライダーアクセルみたいな感じと考えれば普通にかっこいいのかも。アクセルいいですよね。
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オーファンさんかわいそう。
キンボシ、手の届かないお空に飛んで行っちゃったね……。
ほんとだよね……。
かわいそう。
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7
もう少しでビッグディールが成功だ! 大金星だ! ここまではオーファンの目論見通りであ「ドーモ、ニンジャスレイヤーです!」~次回最終回! 私のキンボシはどこへ!? 終わりなきキンカクへの旅路! みんな、見てくれよな!!
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怖っ……オーファンさんかわいそう……。
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怖っ……レクティファイアーさんかわいそう……。
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ライトアップオカメ……何? 脳が情報処理を拒んでいる。
スターゲイザーさん、「上位者」と書かれているわりには「俺は詳しいんだ」発言などのせいでどうにも小物っぽく感じられて不安になります。
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堂々と名乗れば何とかなると思っているフジキドさんシリーズだ!
「ニンジャを殺す」と「探偵」の間の係り結びがおかしいんですよね。文章がつながっていないですよ?
もちろん「探偵」という自己定義が、彼の新たな人生に対する大きな一歩であり、大恩ある盟友に灯された明かりの先の道であることはよくわかっているんですが、それはそれとして探偵が堂々とニンジャを殺してどうするんだよ!という話であります。推理をしろ!なおニンジャの仕業と決めつけるのは推理とはいいませんからね。わかってる?
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8
私は暗黒非合法探偵フジキド・ケンジ。ニンジャの悪行に苦しむ人々の依頼を受け、ニンジャを殺す仕事をしている! ニンジャを殺す探偵だ!
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それは探偵とはちょっと違うお仕事でしょ! ガンドーさんこの人に何か言ってやって!
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大混戦状況にさらにシマナガシの四人+棺桶が乱入。棺桶って何!?
え、誰だろ。ジェノサイドさん?
でもジェノサイドさんだったら薄幸そうな女性に連れられてくるはずですよね、こういうとき。若い男に連れられてくるイメージがない。
あっエルドリッチさんか!
何しているんでしょうここで。経緯が気になる。
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ヒッ! 空間の対象年齢を引き上げないでくださいよ!
さ、囁かないで。こわい。
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9
シマナガシ・アマクダリ入り乱れる混戦のさなか、クロームドルフィンがイルカクロイに跨り集団を抜け出した。猛追するアイアンオトメのニンジャスレイヤー、やや遅れてアマクダリのドラグーンを駆るブラックオニキス!
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スターゲイザーさん、リー先生のお知り合い? だから怪我をしても治るんでしょうか。改造とか受けてるのかな。
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急に何!?
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愛した人を弔え。私はこの話をしに来た。
ここまで通して暴走族と愚連隊のドンパチやスピード狂のバイクチェイスを見せつけられてきたのに、最後の最後でこんな……愛した人の弔いの話を持ってくるの、ずるいよ。フジキドさんが伝えるからこその重みがあるじゃないですか、愛した妻を失った男だからこそ言える言葉が……。このために、この話をするためだけに、クロームドルフィン…否、ケンザ・キシオミさんに「ハイウェイの先を見つめていないで、胸の中のマカナさんを弔え」と伝えるためだけに、フジキド・ケンジは、探偵として、ここまで追いかけてきたんですね……確かに彼はガンドーさんの志を継いで動いているんですね。
と感動する反面(やっぱり「ニンジャを殺す探偵だ」の名乗りはおかしくなかった?)と冷静になっている私もいます。おかしいよね?
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どこか寂寥感と不完全燃焼完の残る幕引きですが、それも含めてよかったです。クロームドルフィンさんは、カケルと並走しているかぎりは少なくとも、孤独にはならないのかも。それが救いなのかもしれません。
って続くの!?
ど、どういうことなんでしょう……。カケルのその後の話とか?
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サークル・シマナガシの戦いもこれからといった感じでしょうか。まだまだ顔見せという感じだったので、これからが楽しみです。
【N-FILES】
ルイナー氏の情報にビックリしました。
ゴダさんちの子だったんですか!?
言われてみれば確かに……なんというか……うまく言えないんですけど、魂の種類が相似形を取っているような気がします。まだルイナー氏のこと何にもわからないけど……。
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今回はここまで。
夫くんによれば、このまま続けて【モータードリヴン・ブルース】を読んでほしいそうなので、感想記事も物理書籍の前にこちらが先に上がると思います。
それではまた、次の感想でお会いいたしましょう!
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次の感想はこちら。
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【感想目次】
楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。