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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_幕間【ロンドン・コーリング】前編

お久しぶりです!
AoMシリーズからニンジャに出戻りしてはや3年!望月もなかです。時が経つのは早いですね。

前回のトリロジー感想記事から8ヶ月も間が空いてしまいました。
その間何をしていたかというと、『ファウンデーション』シリーズを読破したり、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に転げまわったり、リングフィットアドベンチャーを始めたりマーヴェリックになったり弾丸列車に乗車したり二次元推しアイドルが青炎を出しながら半裸で闘うイベントに狂ったりしていました。入間くん第3シーズンも嬉しいですね!

推しがかわいいので見て

というわけで元気にやっておりましたが、普通にニンジャも恋しくなったので戻ってきました。トリロジー第三部をどの順番で私に読ませるべきなのか、重度ヘッズの夫くんがああでもないこうでもないと悩んでいるようなので、結論が出るまでAoMの感想行為をします。書籍をそのまま読むんだと何かが抜け落ちちゃうらしいです。ほーん?

前回のAoM感想はこちら。10ヶ月ぶりです!ワオ!

【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(諸事情で中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』で復帰
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍12冊目(今ここ)

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。
シーズン4の第4話と第5話の間にTwitter連載されました。時系列としてはプレシーズン4にあたるエピソードですね。

もともとはスレイトの連作まとめをPLUSで更新⇒のちに加筆修正を加えてTwitter連載、という形をとったみたいです。私はnote版でまとめ読みしましたが、S3までをNJRecallsアプリ(togetter)で読んでいた身としては、無料で読めるバージョンができたことも嬉しいです。

では行きます!

シーズン4幕間:「ロンドン・コーリング」(前)

ドラゴン・マウンテンの霊廟が破られた。霊廟深部にてユカノが目撃したのは、神器の空座と、冒涜的儀式の痕跡であった…。犯人は、サツガイ。己の似姿を創造し何を成そうとしているのか。如何なる異変が世界に訪れようとしているのか。事態を重く見たドラゴン・ユカノは、旧知の友…ゴダ・ニンジャに知恵を借りるため、フジキドと共に死都ロンドンへと旅立つのだった。

 ♯1

何度も繰り返すようですが、初めての方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて申し上げておきます。

私はですね、血のつながらない、家族未満の擬似姉弟という関係性にめちゃくちゃ弱いんですね。強くて頼れるけど妙にポンコツでマイペースな姉役と、ときに呆れながらも義姉の存在そのものに実家とか故郷的なものを見出している弟役、好きなんです。加えて「姉から弟への発情ベクトルがない」ことが狂うための必要条件なんですけど、忍殺のユカノーフジキドラインはまさに、まさにこのど真ん中を射抜いてきてまして、出てくるたびに呻きながら身を捩って顔を覆っているのであります。ほんとなんでこんなドストライクフェンスオーバーみたいな剛速球が存在してるの?! 聞いてないんですけど!出戻りするまでまったく知らなかったんですけど!!
【参考】『ドラゴン・ドージョー・リライズ始動編』感想

というわけで冒頭からすでに正気がダメ。

「フジキド=サン。どうかセンセイをお願いしますね」タイセンはシルバーキーの幽体を気にしながら、フジキドに頭を下げた。

ウヒョ~~~~~ッ(顔を覆ってジタバタしている)

延々と読み返してはウヒョヒョ笑いで変な笑いを漏らすだけの変な生き物になってしまう!!最高!!弟子たちからも大切な師匠を託せる保護者兼家族未満な存在だと見做されてるの最高〜!好き〜!!!

でも岡山県に山岳ラマがいるのは生態系がダメじゃないですか? ダメなのは私の精神状態だけでいいんですよ? まあそれを言ったら岡山県に山脈が聳えてる時点でアウトなんですけど…

そういえば「炎のツルギから蘇り、黒いをトリイをくぐって何処かへ去ったスルト・ニンジャ」ってその後、出てきていませんよね。
今後AoM本編に出てくることもあるのでしょうか。

フジキドが気遣わしげに彼女を見ていた。周囲の乗客が怪訝そうな目をフジキドに向けると、彼はペコペコと頭を下げた。

ン~~~~~ッフフフフフフフ!! ユカノさんの代わりに周囲に頭を下げるフジキドさんからしか得られない興奮物質が存在しているヨホホホホ! 甲斐甲斐しくお茶を差し出すフジキドさんからしか得られない感情が人々を笑顔にし巡り巡ってささやかな善意となりこの世を少しずつ良くしていくって寸法よ!

「ウチが一番安全」「積荷保証」「クール・クール・ブリタニアなロンドン観光は当社」「完全武装なのでゾンビをドリルで倒しながら走ります」「ちょっとやめないか」「パンクス・ノット・デッド」「十字架の力」。広場には無数の装甲バス。

ロンドンもう駄目だよ。
KOL、なんでこんな国に本社おいてるの? 撤退したら? それともなし崩しにロンドンからリバプールへの首都移転をもくろんでいる? 泥棒猫企業だしあり得る。(マッポ―の世における英国王室どうなってるんだろうな…)

◇◇

 ♯2

ドゥルジ・ニンジャに支配されたロンドンは今やゾンビたちの徘徊するネクロポリスと化していた。装甲バス! 幽霊列車! 銃声と盛り塩とニンジャ! スモトリズンビー! 投げつけられるもなかさんの閲覧端末!!!

尼僧の両腕には鋼鉄の鎖が巻かれ、両腿のホルスターには大型の聖職者拳銃が備わっていた。

ウキヨエなどで受動喫煙だけはしていましたが、実際に読むとスマイターさんめちゃくちゃえっちじゃないですか!?

勢いで一晩……勢いで一晩。なるほどね。勢いで一晩を明かして。そうですか。勢いで、一晩、二人で。はい。そうですか。なるほどね。

傘のニンジャと道案内ニンジャのゾンビまみれロンドン巡りも絵的に魅力的でとてもいいです。幽霊列車もゴシック的で良い。

「ハッハア!」BRATATATATATATAT!「アバー」「アババーッ!」弾丸! 肉片! 汁! ナムサン!

忍殺のこういう思い切りのいい文章好きです。

◇◇

 ♯3

屍者の都ロンドンを潜り抜け、大英博物館を目指すには土地勘のある案内人が必要だ。博物館の至宝を狙うトレジャーハンター、博物館に眠るミイラに用がある者たち、そしてカタナ・オブ・リバプール、第七小隊唯一の生き残り。彼らの案内人もまた、一癖も二癖もあるニンジャであった。

ユカノさん出先でもブログ書いてる。好きだね…。フジキドさんがユカノさんのブログにノーコメントを貫くの笑ってしまいます。

「この度に貴方が同行してくれてよかった。感謝しています。フジキド」「構わん」二人の旅人は情報屋を出た。

「構わん」っていうフジキドの瞳の穏やかさがさァ!
いや別に瞳の描写はないですけど私には見えるので……鮮明に。表情は一見何も変わらないんですけどよく見るとほら眼の色がやや深く、親愛を湛えているのが。ほらそこに。見えるでしょ。穏やかな瞳で頷くフジキド。お父さんお父さん! そこにほら! 穏やかな瞳のフジキドが!!!(坊や、ああそれは枯れた柳の幹だよ)

地下鉄通路、ホーム、廃線路、それら全てが人間の居住区だ。壁にはグラフィティが施され、監視カメラが動き、曲がり角には必ず盛り塩がある。

イギリスに盛り塩の習慣はない

……ないよね? ちょっと不安になってきた。調べてきます。

よかった。中国由来だった。私は間違っていなかった。

「ムーブ……」兵装ズンビーがハンドサインし、何体かが横へ走った。(略)「ムーブ」「ムーブ」闇という闇から兵装ズンビーが走り出る。

兵装ズンビーって何?
屍体の分際でハンドサインをしないでほしいんですけど……。

あと「フライパンから逃げて焚き火に落ちるを地で行く流れ」とは? と思って調べたらこれ、忍殺語じゃなくて英語圏のことわざなんですね。

out of the frying pan into the fire.
…一難去ってまた一難の事態で、踏んだり蹴ったりで

英辞郎 on the Web 

勉強になる。
でも盛り塩みたいなフェイク入れてくるから油断ならない、それが忍殺。

◇◇

 ♯4

ゴダの領域侵犯を目論むケイムショは、大英博物館周囲に呪われし聖騎士パラディンを放っていた。博物館に近づくには、恐るべきニンジャを避け地下道を行くか、カラテで押し通るしかない。アンブレラ・デッドアイズ組は前者を、ドラゴン・スプリガン組は後者を選ぶのだが……

フジキドさんとユカノさんのタッグ戦闘嬉しい! この二人がバカ丁寧かつ面で制圧するみたいな力押し連携をするところ、まさにドラゴン姉弟って感じでとても好きです。息ぴったりで潤う。ふふ。

「それから遠くに見えるデカい光源……直視するな。見られるのもダメだ。悪名高きロンドン・アイだ」

ロンドン・アイってそういうのじゃなくないですか? 薄々思ってはいたんですけど……ずっと……ほんとに眼になってどうするんだよ……

フジキドとユカノはそれを追う。格子塀の薔薇蔦はあきらかに意思をもって、三人に棘まみれの蔦先を伸ばしてきた。

ハッ!触手!

……思わず応援のために腰を浮かせてしまった。邪心が抑えきれなかった。

◇◇

 ♯5

アンブレラ・デッドアイズ組は、奇妙な女性の二人組と合流した。退廃尼僧とカタナ社のモータル……屍都のただなかにあって、偶さか遭遇した生者は敵か、味方か、あるいは。

頂点はロンドン塔のケイムショ。両性具有の古代ニンジャ。

ケイムショさん両性具有なんですか!? 初耳ですよ! 眼球に性別あるのかと一瞬思ってしまいましたが、本体もいるんですよね? 多分。

アンブレラの奸計によって囮にさせられたスマイター&メイ組がぼろぼろで抱き合うシーンからLoveロマンスの波動が押し寄せてきてよろめく。ひえ……Loveがすごい……。

ニンジャでこんなド直球なLoveカップルが現れるの珍しいですよね? 少なくとも(AoMとトリロジー一部・二部までの)私は、キョート編終盤のジャビー&オーブ以来な気がする。はわわ……。


そこそこの文字数になったので、前半でいったん区切ります。
こんな感じでまたぼちぼち書いていきますので、よければお付き合いください!

ではでは、また後編の感想記事でお会いいたしましょう!

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次の感想はこちら。


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