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写真集8

いつも見ていただきありがとうございます。

梅雨真っただ中です。
梅雨といえばシトシト雨の印象なんですが、今年はメリハリがはっきりしたスコールのような降り方です。
スコールのような降り方のほうが、虹が出るかもしれないので、私的には大歓迎ですが、一方で家で写真集を眺めていることも多くなりました。

さて、今回は、私が撮らない(撮りたくても撮れない?)被写体の写真集です。


「1985-1990 赤瀬川原平のまなざしから」赤瀬川原平

1冊目は、赤瀬川原平氏の「1985-1990 赤瀬川原平のまなざしから」です。
都市にある「トマソン」を撮影した写真集です。

「トマソン」って何?って思いますよね。
これを読めば、「トマソン」のルーツと意味がわかります。

四谷で見つけた階段から事が始まります。
そして、江古田の駅の窓口、お茶の水の三楽病院の門が発見されます。
どれも立派に階段なり、窓口なり、門なんですが、どれも本来の目的の機能が使えず無用のモノです。
これらのモノが「超芸術」だと気づいたとのこと。
そして「トマソン」って命名されたのです。

「トマソン」とは・・・ <ーオイオイ種明かしするのか!
昔、巨人軍にトマソンという野球選手がいました。
トマソンは、豪快にスイングするのですが、空振りばかりで全くバットに当たらない。扇風機というニックネームまで付く始末w
身長185cm 体重82kgと立派な体格なんですが、役に立たなかった選手です。
立派な身体を持ちながら、巨人軍に貢献できなかったトマソンと重ね合わせたネーミングです。
酷いけど、なんか笑えます。

「トマソン」、都会の無用なモノ(過去の残骸)を集めた写真集です。
新たな視点を与えてくれる写真集です。
「超芸術トマソン」の書籍は、オヤジギャク的な感じなので、ある意味注意ですw


「ありふれた景色」立木義浩

2冊目は、立木義浩氏の「ありふれた景色」です。
立木義浩氏といえば、女性を中心に撮影されており、加賀まりこさんをはじめ、芸能界などの著名人の写真集を多く出されています。
そんな中で「ありふれた景色」に魅かれたのは、人の面白さです。
写真は、ありそうなシーンですが、そう滅多にないだろうと思う写真ばかりです。
さらに、それら写真にはユーモアが織り込まれていて、うすら笑いを浮かべながら見てます。
他の人がいる前で見ないほうがいいかもw


「MY AMERICA」立木義浩

3冊目は、同じく立木義浩氏の「MY AMERICA」です。
女性以外の被写体を撮影した写真集に興味が出たので入手しました。
思ったよりサイズが小さくて、文庫本サイズでした。
「MY AMERICA」は、1980年の集英社発刊と1982年の集英社文庫発刊の2種類があるようです。
私が手に入れたのは1982年集英社文庫発刊のものです。
主要都市で撮影されたものが中心ですが、マリリンモンローからアングラ系も含まれていて、ふり幅がすごく大きく、なかなか見られないような写真が多くあります。
しかも、Kが3つ並ぶ団体まで撮影していて、命がけの1冊です。
良くも悪くもアメリカの凄さが感じられる写真集です。


「花気色」立木義浩

4冊目も立木義浩氏です。「花気色」です。
中古本を通販で購入したのですが、本屋さんが無料て付けてくれるブックカバーがかかって届きました。
何冊も中古本を通販で購入してますが、ブックカバーがかかっていたのは初めてです。
まぁ、この表紙ですから、よろしくない本に見えたのでしょうw
さて、花気色を開くと、若かりし松本伊代さんの和装姿から始まります。
モデルは萬田久子さん、夏目雅子さんなど、錚々たる女性たちが和装姿で撮影されています。
和装の色っぽい写真と死の写真が対になるように、「生と死」ではなく「性と死」が表現されています。
有名な女性達による、過激な写真集はなかなかないと思います。
使用カメラがリンホフテヒニカ、プラウベルマキナ、Canon F-1という、錚々たるカメラで撮影されてます。
文庫本サイズなので、モデルもカメラも本来の実力がこのサイズでは見られないのが残念です。


「Natural Woman!」立木義浩

5冊目も、立木義浩氏です。「Natural Woman!」です。
素人女性10人のヌード写真集です。
当時、TVの企画で集まった一般女性がモデルになってます。
宮沢りえさんの1991年に写真集「サンタフェ」が発売され、ヘアーヌード解禁と騒がれた後、1994年にこの写真集が発売されており、当時の言葉でいうと、ヘアーヌード写真集です。
バブルの余韻が残っていたのか、ロケーションが10人とも異なっているようで、一般女性の写真集としてはお金がかかってます。
グラビアアイドルや、芸能人の写真集は星の数ほどありますが、一般女性の写真集は貴重です。
今後、こんな写真集は出てこないでしょうね...


「EROTICA LAROTICA」立木義浩

最後も、立木義浩氏です。 「EROTICA LAROTICA」です。
立木義浩氏の写真集の中では、一番のお気に入りです。
ディナ・ラロさんの絵とモノクロ写真の組み合わせは芸術性が高く、タイトルどおり女性の魅力にあふれてます。

今年5月~6月にEROTICA LAROTICAの写真展が開催されました。
写真展の案内の写真(写真集の中表紙の写真)は、ふり返る女性の美しさと対照的に床に寝そべる犬に目が惹かれます。静と動。
今からお出かけなのかなと想像してしまいます。

私は、この写真展(見に行ってませんが)で、写真集の存在を初めて知ったのですが、価格が高騰して、とても数万円も払えませんでした。
写真展が終わり、皆さんの興味がなくなった頃に、運よく手頃価格で手に入りました(^^)

立木義浩氏の写真は、モノクロで、部屋撮りの写真が多く、横からの光でできる陰影が美しさを引き出して芸術的です。
ディナ・ラロさんの絵は過激で、「大人のお○○ゃ」を使っている絵が描かれていたりします。
ディナ・ラロさんは、ウィーン出身の女性なんですが、かなり思い切った作品です。

写真集が発刊されたのが、昭和47年(1972年)なので、もう50年前です。
ディナ・ラロさんは、現在も創作活動を続けているようです。


さいごに

今回は6冊の写真集を紹介しました。
うち5冊は、立木義浩氏の写真集でしたから、立木義浩氏の特集のようになってしまいました。
立木義浩氏は、「舌だし天使」などの写真集のほか、グラビアの写真も多く撮影しているので、男性なら頻繁に見ているのではないかと思います。

私が立木義浩氏に興味が湧いたきっかけは、Canonのイベントでお喋りしている映像を見たからです。
いくつか映像があるのですが、その中でもCanonの日本再発見がイイ。
立木氏が撮影しながらのお喋りしているのが好きなんです。撮られる側も楽しいでしょうね。


最後まで見ていただき、ありがとうございました。



江の島の夕暮れ

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