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趣味を習慣に、習慣はどこかへ

オーストラリアから帰国し、本を読む機会が圧倒的に増えました。

渡豪する前も家に小説や本はありましたが、時間を見つけて読むというより、唐突にやってくるブームで買い漁り、積読状態になることがほとんどでした。シャーロック・ホームズシリーズや、太宰治の『人間失格』などがそうです。

ワーキングホリデーは半年と少し、学生時代の留学と合わせても、人生で計1年ほどしか日本を離れていませんが、それでも日本の素晴らしさを改めて感じることができました。

生活スタイルや文化についてもそうですが、今日は言語について記したいと思います。

オーストラリアでは英語が使われているので、表記から始まり、電車のアナウンス、カフェでの会話など、すべてが英語でした。英語力が鍛えられてくると、内容が瞬時に理解できるようになり、日本語との違いを楽しむことができました。

ここで言う違いとは、日本語と英語という言語の違いそのものではなく、表現の仕方、物の伝え方、物事に対する着眼点です。

例えば、挨拶の「Hello, how are you?」に相当する「調子はどう?」というフレーズが、友達同士や知り合い同士だけでなく、客と店員の間でも使われます。他にも、日本語には豊富なオノマトペがあり、英語は結論ファーストであるなど、ここでは書ききれないほどの違いがあります。

帰国した今、なぜか日本語の素晴らしさを再認識し、日本語に最も触れることのできる本を読むことにハマっています。

また、将来の夢は字幕翻訳家になることですが、ワーキングホリデーを終えた今、本格的に勉強を始めています。翻訳家になるためには英語力はもちろん、日本語力も必要なので、日本語力を鍛えるために読書を習慣化しています。

ここで本を読むことが趣味になって新たに発見した楽しさを共有したいと思います。ちなみに私は書店に行き、紙の本を購入する派です。

まず初めに、本を読むためには手元に本がなければならないので、本屋に向かいます。
そこで楽しみポイントの一つ目、
①本屋という空間を楽しむこと。
私だけかもしれませんが、本屋にいる自分を俯瞰し悦に浸ることがあります。休日にカフェや娯楽施設ではなく本屋に赴き、本を選ぶ少し知的な自分。他のお客様も自分と同じように読みたい本を探しているんだなあと共感します。

本を選び出す前から、本を読む楽しさは始まっているのです!

次に、
②本を選ぶ楽しさ
読みたい本が決まっている時に、手に取ってくれと言わんばかりにどれもが主張している背表紙の中から目当ての題名を見つけ出した時の喜び。
はたまた、何故か気になった本を少し手に取ってみたりなど。
先日、本屋さんで何を購入しようかと立ち読みをしていたところ
たまたま隣に居合わせた友達同士だろうか、片方がもう片方に「これ読んだけど面白かったからおすすめ!」と言っていたのを耳にして、その本を手に取って購入してみました。
勝手に相手の知らないところでおすすめをしてもらう。それもなんだか楽しく、普段自分では進んで手に取らないようなジャンルの物語に出会えたりするんです。

本が手元に届いたなら、
③読む楽しさ
物語を追っていく楽しさはもちろん、読み進める中で出会うあの一文、あの表現、あの伏線、あのセリフ。なぜか惹かれる表現やセリフに出会えた時の喜び。そして、こんな素敵な文を考えられる人がいるんだなあと作者に対する関心までも楽しみの一部になります。

そして次こそが一番好きなポイント、
④読んだ後の楽しさ
読み終わった後にあれこれと考えることに楽しみを覚えます。本の読み方に正解はありません。だからこそ読んだ人の数だけ、その本に対する解釈が生まれるのです。自分の考察と比較して他人の考察を読むのも読書の一部です。同じ考えの人がいれば共感できて嬉しいし、たとえ違っても、そんな読み方があるんだと感心します。思考することが楽しいのです。

また、思考すること以外に、表現をして楽しむという方法もあります。

自分の考えを文字にし、公開することで共感してくれる人がいた時の嬉しさ。最初は他人に読まれることに抵抗があるかもしれませんが、慣れれば特になんとも思わなくなります。(攻撃してくる人がいれば別ですが、それもまた一つの学びと思ったり思わなかったり)

ワーキングホリデー中、毎日の日記を書くことを続けていました。帰国した今も、たまに「気まぐれ日記」として書き続けています

一番初めの日記に
「頭の中を書き記すことができるのはこの文で記すという方法しかないと思っています。しかし今の私は恥ずかしながら、これまで読書をしてきたわけではないので、文章力や語彙力があるとは言えません。語彙力があれば、より詳細に具体的に記録ができるのに。。よし、読書も毎日の習慣に取り入れてみよう!」
とありました。
まだまだ文章力が上達したと言えませんが、「特になし」で締め括った日の日記に比べれば
だいぶ書けるようになったのではないでしょうか。

ですが、本を読んでも人におすすめできるような文章伝達能力がまだ不足しているので、日々精進していきたいと思います!

自分の考えを文字にする楽しさ、読書によって表現力が養われ、少し凝った表現を使える嬉しさ、読んで考えて知識が増える楽しさ。読書という趣味を習慣化することで、日々知的好奇心が刺激されていくことに楽しさを覚えます。
とてもINTJ的

<追記>
「趣味を仕事にするとダメ」という言葉をよく耳にします。趣味だったものが勉強や調査の対象になり、純粋に楽しめなくなるからだそうです。先の文章で、自分は日本語力を鍛えるために読書をしていると言いましたが、私はそうは思いません。
仕事にするからこそ勉強し、詳しくなる。詳しくなれば、以前には見えなかった観点から作品にアプローチでき、何通りもの方法で楽しめる。仕事にするからこそ、より深く楽しめることもあるのではないかと思います。
まあ、駆け出しの発想かもしれませんが。

まあ読書は楽しいってことよ!

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