成功者は、おかねにうるさい。普通の人の想定のはるか上を行くほどに。
ヤンキーの虎であり、ビジネスの成功者であるAさんの話が続きます。
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Aさんが、どれだけ変なのか、具体例をひとつ。
彼は工場施設をいくつか持っています。その一つに訪問し、見学したときのこと。
ある設備の前で私は立ち止まりました。その分野の工場ならどこにでもある、珍しくもない設備です。しかし、Aさんの工場のそれは、木製でした。
この設備、木製もあるんですね。鉄製しか見たことないです。そう言うと、Aさんは「おれが作ったんだよ」と。
改めて設備を見ました。木製のフレームはきれいに直線と直角が出ています。各パーツの合わせ目に隙間はありません。手作りとは信じられないクォリティです。
モーター、チェーン、スプリングなど鉄製のパーツは、スクラップから流用したそう。漫画みたいじゃないですか。
なぜ作ったんですか。こういうの、売ってるでしょう?
私の質問に、Aさんは怒ったような表情で答えました。
「高いんだよ。あんなのにおかね使えないよ。自分で作ったら10分の1以下だよ」
それが本当なら大きなコストダウンです。高級車1台分ぐらいの。
しかし、時間がかかりそうです。こんなの作ってる時間がもったいなくはないですか。
何か言いたそうな私の表情で察したのか、Aさんはさらにまくし立てました。
こんなの作るの簡単だよ。おれはなんでも作ってきたから。だいたい、高いおかね出して買った設備なんてまともに動かないんだよ。メーカーの担当者呼んであれこれやってるうちにおかねも時間も消えてくんだよ。おれはもうほんとにおかね使いたくないんだよ。おかね稼ぐのがどれだけ大変か、キミもわかるだろ。
ええ、まあ、わかりますけど。
おかねを使わない。節約する。この人が商売を大きくしてきた鉄則のひとつが、それなのでしょう。
節約なんて誰だってします。成功してる人は、おかねに厳しいです。Aさんの場合は、そのやり方が「変」ですし、スケールが大きいのでした。
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