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W Consumer Bootcamp参加者と座談会

「次世代のスタンダードとなるコンシューマーサービスを創る起業家へ」W fundは国内唯一のtoC特化型VCファンドです。これまで数多くのtoC事業を運営するスタートアップを支援している中で、2023年12月より「W Consumer Bootcamp」(以下、「WCB」)という支援プログラムを開催しました。世界中で利用される「コンシューマーサービス」を作るために、W fundが培ってきたネットワークや知見をプログラム化しました。そしてこの度、2024年7月より「W Consumer Bootcamp」第2期の募集が始まりました。そこで、「WCB」参加者の皆さまとW fund パートナー 東 明宏の座談会を開催しました。ぜひ、お読みください。

座談会メンバー

大石 裕明氏
stadiums株式会社 代表取締役CEO
リハビリやアスリートスポーツなど、医療現場やスポーツで培った知見を生かしたプログラムを独自開発。リアルプログラムとデジタルサービスを組み合わせた運動習慣プログラムを様々な場所で提供している。

山田 真愛氏
株式会社My Fit 代表取締役CEO
更年期女性のために 個人にあった解決策を提供するプラットフォーム「MYLILY」。オンライン診療による処方がメインになるが、属性・既往歴・症状の重さ・閉経時期・生活習慣を基盤に個人に合わせて解決策を提案し提供までをワンストップで行う。あなた専用のプロテインの定期便「my fit」も提供中。

酒匂(さかわ)ひな子氏
株式会社Entale Founder 代表取締役CEO
LINEを利用した生理日予測・パートナー共有サービス「ペアケア」を提供。独自のAIで生理日・排卵日を予測し、恋人や家族・友人などのパートナー共有も可能。日々の体調記録に加えて、婦人科医師監修の充実したコラムで疑問を解決することもできる。

丸橋得真(えるま)氏
Starley株式会社 代表取締役
生成AIを活用した、音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」を提供している。

「C向けサービスの法則を見つけに」WCBに参加


東:みなさん、今日はよろしくお願いします。改めてW Consumer Bootcamp(以下WCB)に応募した「きっかけ」を教えてください。

山田:私は初期の資金調達のお願いに伺った際に、WCBへの参加を誘っていただきました。講義してくださる方々がとにかく豪華で惹かれました。C向けサービスの立ち上げは、toBとは違って、再現性がないのかなと思っていました。しかし、何か自分なりに法則的なものを見つけられたらいいなと思って、参加しましたね。

酒匂:西川順さんのご紹介で2年ほど前に東さんと出会いました。その時は自己資金で頑張っていたのですが。昨年、プレスリリースでWCB参加者の募集を拝読して、C向けでこういった取り組みができるのは面白そうだなと思い、締切日ギリギリに申し込みました。C向けのサービスを取り組んでいる起業家同士で、横のつながりを持つことを期待しつつ、C向けサービスの起業家同士のコミュニティに魅力を感じました。

丸橋:toCに特化したプログラムはなかなか日本にはないと思うので、勇気を出して応募しました。

C向けサービスの「PMF」について見識が深まる

東:次に、WCB内で、特に印象に残っているプログラムや心に響いた言葉などがあれば教えてください。

大石:WCBに参加したことで、自分自身すごく自信になりました。特に印象に残ったのは、「C向けサービスのPMF」のプログラムです。「どこをPMFとするか」という視点が人それぞれ違うこと、プロダクトやサービスによって千差万別。またどこをPMFと設定するかは経営者のセンスと意思が重要だと理解しました。特に、登壇者であった、原田 明典さん(Coalis ジェネラルパートナー)のPMFに対する考えが、すごく腹落ちがして、心に響きました。

山田:「感情のないところにマネタイズがない」という言葉がすごく心に残っています。奥山 翔さん(株式会社MIXI 上級執行役員)のお話で。「便利なツールは感情が動かないからマネタイズが難しいよね」という話をしてくださりました。SaaSとは違ってC向けならではの概念だなと思いました。「感情がいかに動くか」みたいな視点を早くから考えて、ブランドアプリを作っていくという視点を捉えられたことが、すごく良かったですね。私たちのサービスは、「ただのオンライン診療」と思われたくない気持ちがあり、便利だから使ってもらうというサービスではありたくないと強く思っているので、この言葉はより一層響きました。

酒匂:印象に残っている言葉はたくさんありますが、強いていうなら、小泉さん(株式会社メルカリ 取締役 President(会長)兼 株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長)のお話ですね。あれだけすごい方でも、本当に泥臭く資金調達に回って、数字を因数分解して相手に伝えて、会社を成長させたというストーリーを聞き、社内に持ち帰って自分たちも頑張ろうというエネルギーになっています。

東:小泉さんは、その講義で「ファイナンス活動、みんなちゃんとやっていないでしょう?」と、全体に向けて発信してくれましたよね。採用についても朝昼晩1人ずつに会えば、1日3人、1ヶ月で60人には会えるよね、という話は私の記憶にもあります。カツを入れてもらったなと。

丸橋:プログラム参加当初は、創業してまだ数ヶ月だったこともあり、毎月の定期的なイベントがあることで、1日のリズムができて、とても助かりました。講義の後の質疑応答の時間も個別に設けていただき、豪華な講義者の皆様に相談に乗っていただけたのは、本当にありがたかったです。また、協業につながるような案件も出てきそうなので、感謝しています。

東:なるほど。このプログラムを「良いペースメーカー」として使ってもらっていたのですね。

丸橋:そうですね、小泉さんが「どこにお金をかければ、どう事業が動く」みたいな考え、ファイナンス思考での方程式を作れていない経営者が多い、という言葉は胸にグサっと刺さりました。C向けサービスであったとしても、しっかり「ファイナンス思考」に基づいて意思決定するべきだ、ということを学びました。

WCB参加者どうしの横のつながり

東:C向けのサービスを事業にしていると、初期的にユーザー、プロダクトのことは考えるけれど、事業経営者として、どこにお金をかけて、どうレバレッチさせていくかという視点は、もしかしたら抜けがちなのかもしれないですね。WCBの参加者どうしの「横のつながり」で良かったことはありましたか? 

大石:プログラムが終わった後、席が近かった人と多少話をする機会があったり、Slack上で、質問や意見交換をさせていただきながら、仲良くなった参加者もいます。同じような目線で事業を興している起業家の皆さんから刺激をもらいました。

山田:実は、このプログラムからのご縁で、弊社へエンジェル投資家が出資してくれることになりました。プログラムの最中に「初めまして」の挨拶をして、1ヶ月くらいで決めていただいたので、コミュニティのご縁には本当に感謝しています。

酒匂:参加者のみんなが若くて刺激を受けました。勉強会の後に、インスタグラムやTikTokの活用法など、教えてもらいました。逆に、私が持っている「マッチングアプリ」の知識など、伝えることもできました。ギブアンドテイクの関係はできてたかなって思っています!

丸橋:同じ年齢層のコンシューマー事業をやっている経営者と出会えて、話せたことがとても貴重で嬉しかったですね。同じフェーズで話せる経営者はなかなかいないので。

東:横のつながりを作れる活動はもう少し時間を作れたらよかったよねという意見も出ているので、2期はそういう時間も増やせるようにしたいなと考えています。では、最後にWCB終了後に、自分たちの事業について、役に立てたことがあったら共有してもらえませんか?

山田:私も以前から様々なプログラムに参加させてもらったりしましたけれど、WCBは特段プログラム内容が手厚いことを伝えたいですね。デモデイの審査員の方や聴講してくださる方の数が多いことには驚きました。皆さん、ピッチ後のアンケートもきちんと書いてくださったので懇親会では、話せなかった方ともアンケート内容を見て後日アタックすることができました。ありがとうございます!

酒匂:最後のデモデイは、メンタリングをしてもらいながら伴走してもらい、プレゼンを仕上げる経験が初めてだったので、自分自身も勉強になりました。他の参加者の皆さんのビフォーアフター、最初のプレゼンと本場のプレゼンのクオリティの違いや変えてきたところなど、客観的に見て、すごく勉強になりました。私は、プレゼンなど得意なタイプではなかったのですが、反響もあったので、もっと頑張ってプレゼン力を磨いていこうと思いました。

大石:ピッチを突き詰めていく壁打ちに対して、Wの担当者さんがここまで丁寧に伴走してくれるのだと感動しました。皆様の前で恥ずかしくないピッチができたのでよかったです!

丸橋:隣の人のピッチを見るのがすごく楽しかったです!他の人がどんなプロダクトに思いを込めて事業をしているのか、自分も聴衆として楽しむことができました。

東:コンシューマー向けのサービスを事業にしている人のピッチは、千差万別。様々な人のピッチのバリエーションを見るだけでも価値があるのかもしれませんね。

WCBは「C向けの人には心からお勧めできる」

東:では、今、募集しているWBC2期生への推しポイントを教えてください!

大石:プログラム全体を通して、誰もが知っている有名起業家の事業立ち上げ時期の生の熱量を肌で感じることができました。例えば、「モンスト」は、実は初期プロダクトにかかった具体的な予算など。あの場でしか聞けない話を聞くことができたことがよかったです!

丸橋:プログラムに関しては、「C向けのサービスを運営されている人には心からお勧めできる」と思っています。僕にとって一番良かったのは、日々の業務や足元のプロダクトから離れて長期的な視点を持つことができたことです。すでに10歩20歩先に行っている人たちの話を聞くことで、自分の事業を逆算しながら考える機会はなかなかありません。超大先輩の話と自分たちの事業をリンクさせる場として、ぜひコンシューマー事業をされている人にはお勧めしたいです。

酒匂:先人の知恵を教えていただき、再現性があるところは絶対に真似しなきゃならないと思いました。私はもともとマッチングアプリの「Pairs」を運営する株式会社エウレカで働いていて、C向けサービスに自信があったのですが、それでもやはりゲームやライフスタイル系など、様々なジャンルがあります。正解は一つだけではなく、トレンドも移り変わっていくので、笠原さんのような、インターネット黎明期からずっとビジネスをしてきた方々でも常に次のトレンドを追っていて、今後こういうことが起こり得るよね、という話を聞いていて、自分はまだまだだなと感じ、彼らみたいになりたいなと思いました。

WCB第1期DEMO DAY

東:最後に、2期の参加者にアドバイスをお願いいたします。

丸橋:今回のプログラムを通して、Wの皆さんにガンガン相談すると、皆さん協力的にアドバイスしてくれます!参加費無料なのに(笑)、ここまでやってくれるの?と思いました。参加者側は場によっては萎縮してしまうこともありますが、このプログラムでは萎縮することなく、ガンガンと攻めの姿勢で質問や相談をしてください!

酒匂:私はできなかったのですが、公開コンサルをされていた参加者の方もいらっしゃいましたね。予め、公開コンサルされるぐらい準備をして、情報を整理しておくとよかったなと思います。2期生の皆さんは、ぜひ「公開コンサル」を希望すると良いと思います!。

大石:実は、デモデイ後に審査員の方から直接フィットネスに興味があるという話をいただき、個別で面談しまして、事業のこれはどうしているの?など、ディスカッションさせていただきました!業界ではレジェンドの皆様に興味を持ってもらえたのは自信になりました。

山田:アドバイスよりも、これをやっておけばよかったなという視点で言うと、予め出てくださる講師の方のバックグラウンドや情報をもっと調べればよかったと思いました。なかなか会えない方々なので、最後の交流会時にきちんと話して、次のアポまで繋げられた方がもっと多かったらよかっただろうと反省はしています。

東:割と近い距離感で話すことができるので、更に関係性を作ることもできたかもしれませんね。2期に参加される方は、更に深い関係性作りにチャレンジしてもいいかも。2期の募集を7月から始めていますので、継続的にコミュニケーションさせてください。貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。

W Consumer Bootcamp 2nd Batchの募集期間は、8月9日(金)23:59までです。 toC起業家の皆様からのご応募をお待ちしております! 詳細は以下よりご確認ください。 https://w-inc.vc/incubation/w-consumer-bootcamp/


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