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5回目で受かる!簿記2級

仕事で会計をしていて、簿記には普段から触れているという人はかなり多いと思う。ぼくは会計側の人間ではないので、簿記については完全にただの教養として勉強を続けている。

そもそも簿記を勉強し始めようと思ったのは、「借方ー貸方」ってなんだ?という疑問が生まれたのがきっかけだった。金額を計算するプログラムを覗いているときにこのワードを見つけて、そうか、これは簿記の思想なのかという知見を得て興味を持ったのだ。

簿記における「仕訳」の論理は目から鱗だった。「現金の減少」という現象を「資産の増加」「負債の減少」あるいは「費用の支出」へと振り替える。こうした仕訳を繰り返し、最終的に費用と収益の差額から純利益を生み出す。この一連の仕組みに対して、正確に言えば、ある事象に対して、それと対応する別の事象を、状況に応じて組み替えて計算していくという思考回路そのものに対して、未知の文明と遭遇したかのように、視野が広がる体験をしたのだった。

仕訳自体は魅力的だったが、しかし簿記の試験には試算表や精算表の作成という計算問題もあった。もともと手を動かすのが苦手なので、これに苦戦して1回目の簿記3級を落としてしまった。頻出問題の対策をして、2回目での合格となったが、これもギリギリの点数だった。
2級も苦戦が続いている。長期的にまとまった時間を確保できなかったのも問題だし、新たな仕訳のルールも全く覚えられていなかった。簿記という試験は、解法が分かっていれば、現地では手を動かすだけの試験だ。それは分かっているが、どうしても当日までに入れるべき知識をインプットできない、新しい考え方をインストールすることができないという、苦しい状況が続いていた。

そんな折、実は工業簿記については、4回目の試験の直前に急に理解できるようになったのだった。誰しも多かれ少なかれ経験があると思う。わからないことを勉強していて、懲りずに何度もテキストを読み返していると、不意に知識がまとまって定着することがある。少しずつ勉強してきた成果が出てきたのだろう、今までわからなかった原価計算の種類と解き方の違いや、勘定連絡図の考え方が、すっと頭に入ってきたのだった。この変化は大きな希望だ。知識は一箇所マッピングできると、残りは連鎖的に理解できるようになる。今回はダメだったが、次回までに商業簿記の仕訳がしっかりできていれば今度こそ合格できるはずだと、現実的なゴールに向かって一歩前進できたのである。

あと少しだ。足掛け3年になってしまったが、来年こそ合格してみせる!