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呼吸法の後で、すぐに冷水シャワー浴びなくてもいいの?FAQ集

ここ最近ワークショップを月2-3回ペースで開催しています。
参加者の皆さんからよく頂く質問にお答えしたいと思います。

FAQ♯1 ワークショップで呼吸法の後で、お昼ごはんを食べたり、コーヒーを淹れたりしてると、「すぐにアイスバスに入らないと呼吸の魔法が切れちゃう気がするんですけど、大丈夫ですか?」

 呼吸法によって血液がアルカリ性になる効果は、主に腎機能によって個人差がありますが、3-6時間は持続します。朝6時頃に呼吸法をやった場合、お昼頃までは効果が残っていると考えて大丈夫です。
 ただし、夕方仕事が終わってから、お風呂に入ったついでに冷水シャワーをやるという場合には1ラウンドでも呼吸法をやってからにしましょう。
 ファンダメンタルズ・ワークショップは全く初めての人のために、午前中の呼吸法の後で、アイスバスがすこし楽になる食事とお茶で、さらにハードルを下げてから、午後のアイスバス体験に臨みます。
 毎朝のルーティーンでは、時間の制約のためでもありますが、呼吸法のあとすぐに冷水シャワーというのが集中力が途切れなくてよいと考えています。

FAQ#2 「1分半しか息が止められないんですけど、、、」

 健康法としてヴィム・ホフ・メソッドを実践する場合には、息止めの時間は気にしなくてもOK
 これまでのべ100名の生徒さんをみてきた印象では、息止めの時間に最も影響があるのは、脳の活動量>脱力・筋肉量>前日の炭水化物摂取量
これまでで最も長く息を止められたのは、瞑想の習慣のある女性で8分でした。ちなみに私の朝のルーティーンでの息止めは2分程度です。
 個人差が大きく他の人と比べるのには、あまり意味のないパラメーターですが、自分の体調を確認するのには役に立ちます。今日は胸郭が良く動いたとか、寒くて腹筋が硬かったとか、全身リラックスできたとか、腰の力が抜けきらなかったとか、、、
 逆に、アスリートなど体格とか代謝とか個人差を無視したカテゴリーでの仁義なき戦いをしている人達は別です。酸素飽和度50%以下まで息を止められるようになると、マラソンやロードバイクなどVO2Maxが記録に反映されやすい競技では、去年と同じ練習にヴィム・ホフ・メソッドを追加すると3%程度のタイムの更新が見込めます。
 また血液がアルカリ化していると、赤血球にはプラスに帯電し、酸素が張り付いて組織に酸素を渡せなくなります。コントロールされた深呼吸(Controled Conscious Deep Breathing)の後半では酸素飽和度100%でも筋肉などの組織は酸欠状態が始まっています。このため呼吸数を60回にしたからといって、息止め時間が伸びないこともあります。

FAQ#3 「呼吸法で頭がくらくらして気持ちいいんですけど、、、」

 頭がくらくらするのは、血液のアルカリ化に反応して、血管がすこし締まるためと考えられています。問題ありません。
 一方、頭痛が出た場合は、ペースを落として鼻呼吸にしてみてください。それでも頭痛がおさまらない場合は中止してください。
 なお、片頭痛がもともとある方は、息を止めているリテンション・タイムに緊張が解けて血管が広がると頭痛を誘発する場合があります。

FAQ#4 「手足だけじゃなくて、口がピリピリしますが、大丈夫でしょうか?」 

呼吸法によって、血中の遊離Caイオンが少なくなると、筋収縮の閾値が下がり、痙攣しやすくなります。振動している程度なら大丈夫です。手首が曲がったり(T-Rex hand)、脚が攣ったり、口がすぼまったりしたら、ペースを落として鼻呼吸にしてみてください。

FAQ#5 「先生のお手本は、お腹と胸しか動いてないんですど、脚が動いたらダメですか?」

腸腰筋とハムストリングの緊張やバランスで呼吸運動に伴い骨盤が動きます。これはいい悪いではなくて、膝を立てたり、膝下に枕を入れると、腸腰筋やハムストリングによる干渉を抑えることができ、骨盤の動きは減ります。

FAQ#6 「家でやるときは呼吸法をやらなくてもいいですか?」

 呼吸法をやらなくても大丈夫です。寒中水泳に関する研究では、うつの軽減や免疫力の向上などの効果が報告されています。
 あらかじめ呼吸法を行っておくことのメリットは、血液のアルカリ化・神経細胞の膜電位の変化によって痛み刺激の閾値が上がり、痛みに鈍くなります。このちょっとの違いでアイスバスから逃げ出したくなるか、2分以上浸かって、心の静けさを味わえるかの違いが生まれます。
 サウナに行くと、まず体を洗ったら、水風呂に5分程度入って、休憩して、サウナ室に行くという順番で利用しています。ポスターには、家で呼吸法をしてからと書きましたが、旅先であったり、あらかじめ呼吸法で準備(Priming)ができるわけではありません。呼吸法と寒冷暴露の相乗効果をねらってこそヴィム・ホフ・メソッドですが、別々に訓練したからといって、デメリットはほとんどありません。

FAQ#7 「呼吸法3ラウンド目くらいから手足が冷えるのですが、なにが起こっているのでしょうか?」

ヴィム・ホフ・メソッド基本呼吸法のControlled Conscious Deep Breathingのパートでは大きく吸って軽く吐くことで、二酸化炭素が吐き出されて、血中二酸化炭素濃度がどんどん下がっていきます。二酸化炭素は老廃物のようなイメージを持っている方も多いかと思いますが、血管を開くという大切な作用があります。二酸化炭素がほとんどない状態では、手足などの末梢の血管が締まり、手足が冷たくなります。冷える感じがするのだけではなく、実際に皮膚温計で手関節の皮膚温を計測してみると、通常34度程度のところ30度くらいまで下がっていました。(n=8)

FAQ#8 シザーキックは何のために?

シザーキック5分



キツいだけのようなシザーキックですが、腸腰筋を限界まで使う目的があります。
呼吸法の前の戦士のポーズで腸腰筋を伸ばし、
呼吸法の後のシザーキックで腸腰筋を限界まで使う。

腸腰筋はミトコンドリアの密度が最も高い筋肉で、呼吸法で酸素をたくさん送ると反応して働きやすくなります。

腸腰筋を鍛える効果は、脚が持ち上がりやすくなる事ですが、実生活の中でよく感じられる効果は、2-3日後に「躓きにくくなる」「階段やランニングが楽になる。」などです。


ヴィム・ホフ・メソッド基本呼吸法

FAQ#9 凍傷ってなに?

凍傷になった皮膚は冷たく、凍傷の程度・病期によって、白、赤、茶、紫、黒などに変色する事があります

治療としては、温水で皮膚を温め直す、痛み止めの内服、感染を防ぐための抗生物質の内服などがあります。

組織の損傷がひどい場合は、手術で損傷した組織を取り除かなければならず(デブリードマン)、さらに重症では損傷した体の一部を切断しなければなりません。

軽い凍傷の場合、お風呂などで再加熱する時に、熱感、腫れ、チクチク感などを感じることがあります。

より深刻な凍傷の場合、再加温後、数時間から数日後に液体を含んだ水疱が出現することがあります。

どんなに寒冷暴露の訓練をしても、コアを守るために、手先・足先・耳・鼻・頬などが凍傷になる事があります。Don’t force it.

FAQ#10 寒冷暴露の前にトレーニングは必要ですか?

とくに必要ありません

クライオセラピーは、アスリートが運動後の回復法として人気がありますが、健康目的の場合には、事前に運動をする必要はありません。

寒冷曝露の理想的なタイミングは、ご自身にとって有益なときです。自分の身体の声を聞き、ご自身にベストなタイミングを見つけ下さい。冷水シャワー・アイスバス日誌をつけると良いでしょう。

FAQ#11寒いところに行くと肌に赤い蕁麻疹みたいなのが出ます。寒冷暴露の練習をしても大丈夫でしょうか?

冷たい水に入った後、かゆみを伴う発疹が出たり、気が遠くなったりしたことはある場合は、寒冷暴露は避けて下さい。寒さで気が遠くなる、息苦しくなるなどの経験したら、寒冷蕁麻疹かどうかアレルギー内科や精神科で相談して下さい。過去には、幼少期のトラウマによる精神科的反応で息苦しくなった方もいました。

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