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「足るを知る者は智、自ら知る者は明なり」。

自分のバランスを考える。バランスには人それぞれいろんな要素があって、例えば、睡眠、食事、性欲みたいなわかりやすい人間的な欲がまずあって。そして、仕事、恋愛、家庭、生活、料理、お金、みたいな「生きる」に近いことがあって。あとは、推し活、テレビ、動画、読書、音楽、みたいなプラスアルファではあるものの、「あってほしい」「ないと困る」「あれば充実する」という人によって粒度の違う要素もある。

バランスとしてどんな要素があって、その中でもそれぞれがどんな割合になっているのかを知ることってけっこう重要なんだと思う。年齢によって、時間によって、置かれている状況によって、それらは常に動いて、変化して、だからこそわからなくなる。

自分のことなのに、バランスが崩れることが気持ち悪くて、整えようと思っても、そのタイミングで全部がぴったりなることってなかなかない。

ぐらぐらグラグラぐらぐらグラグラ。

私は、いつになったらこのバランスゲームを自分の手綱でできるようになるんだろうと思う。逆に、どうしていつまで経ってもぐらぐらグラグラしたままなんだろうと思う。

時間が足りない、お金が足りない、欲が足りない、余白が足りない、気持ちが足りない、勇気が足りない、やる気が足りない。

足りないものを数えることばかりがうまくなる。いまあるものに目を向けることのほうが建設的で、将来的で、重要だとわかっている。

「足るを知る者は智、自ら知る者は明なり」。

古代中国の哲学者・老子の言葉で、他人の性質や考えを理解することは賢いことだが、自分自身の性質や弱点を深く理解することはさらに高い明智を持つことを意味している。


他人には変に講釈を垂れるくせに、いざ自分になるとよくわからなくなってしまう私は、まだまだ明智ではないのだと思う。誰かを言っているうちは、自分のことを見なくて済むから気持ちいいのだ。自分でわかっていて、それでもまだ目を逸らしてしまうことを「弱さ」のひと言で片付けていいのだろうかと自問自答する。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。