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人差し指1本で、好きな人を見つける

久しぶりに気持ちが動いて、またマッチングアプリを再開した。

画面に出てくる写真カードを、左へスワイプしたら「スキップ」、右へスワイプしたら「いいね」、その2択を1日に20カード、つまり20人以上に対して行っている。

すいすいすいすいすいすい。

わりとちゃんとプロフィールを見るほうだと思うけれど、気分的にはほとんど、すいすいすいすいすいすい、だ。

「人差し指1本で、誰かを好きになれるの?」「すいすいすいすいすいすい、で恋愛が始まるの?」、今のところ、そんな自分の中から鳴る声を無視している。


気持ちが動いたきっかけが、私の中で明確にあった。「ああ、もうちゃんと恋をしよう」「ここから進んじゃおう」と、そのときの私は思った。そしてその日のうちにスマホの中で化石と化していたマッチングアプリを開いて、もう一度プロフィールを設定し直して、写真だって最新のものに変えた。「おすすめ」と書いているところに出てくるカードをすいすいすいすいすいすいで振り分けて、ちょっとだけメッセージに進んだ人だっている。返信、こなくなっちゃったけど。「次よ、次」と自分で自分を励まして、頑張ってアプリを開いている。


周りにも、マッチングアプリで出会い、恋人になる友人が増えてきた。そして彼女たちに聞くと、みんな口を揃えてこう言う。「マッチングアプリじゃなかったら出会えなかった人に出会えた」。一方でこうとも言う。「とはいえ、まだまだ出会ったばっかりだから、どんな人かは正直見えてる部分しかわからないかも」。

なるほどなるほどなるほど。彼女たちが話してくれることはどれも真実だ。

これまでの自分の範囲外で出会い、新しい世界を知る。仕事も価値観も食事の仕方もメッセージの送り方1つも、違うものがあるという。でも、だからこそ楽しくて面白くて、もやっとするともいう。たった数回会って、恋人になる。その不思議さに、なんとも言えない気持ちになる。

さっき返信が来なくなってしまった相手からは、きっともう返信が来ないような気がした。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。