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「良い!」と思える目を養っていく

毎月末、会社で1ヶ月を振り返る月次のミーティングをしている。私が働いている会社は、社長と私の2人だから俗にいう1on1だと言われればそうだし、とはいえ1on1と言わないのは常日頃からマンツーマンであるからだ。

そんな月次ミーティングにはいくつかのアジェンダ(会議の目次的なもの)があって、そのうちの1つに「佳きことシェア」というのがある。1ヶ月の中で、自分が「良き!」と思ったことをお互いにシェアするという至って簡単で、だけども実は難しいアジェンダだ。

そもそも「佳きことシェア」を始めたのは、月次ミーティングを始めてから半年経ったころ。

それまでは1ヶ月の振り返りとして、できたこと、できなかったこと、良かったところ、反省点などを挙げ、2人で改善点やすぐにできそうな仕組み化を検討していた。ダブルチェックの工程を入れてもらったり、報連相をこまめにとるための方法を考えたり、みっちり3時間をかけて、一緒に一つひとつ「ベスト」を探りながら進めてきた。

できることがちゃんと自分の目で見えて、できなかったことも「なんとなくできなかった」じゃなくて、どうしてそうなってしまったのかという原因にちゃんと言葉をつけられるようにもなっていた。

この時間は今もそうだけど、私にとって、働くうえ目に見える形で積みあがる財産になっている。


ただ、それらももちろん大事だけれど、もっと情緒的なところがあっても良いよなあとも思っていた。

だから半年が経ったタイミングで月次ミーティングの見直しとして、アジェンダの整理や今のスタイルはどうなのかを相談したところ、この「佳きことシェア」というのが追加されたのだ。


佳きこと。例えば、冬のある月末で私は「帰り道の電車の込み合う車内で、目の前のスーツの男の人がケンタッキーのバーレルを持っていたこと」をシェアした。冬のケンタッキーバーレルほど良きものはない。仕事帰り、そのバーレルを待っている家族がいるのかもしれない、と想像しただけで「良き!」と私は胸が震えた。

またある月は「桜を撮影している人」をシェア。この人のスマホの中に春が入ったことが「良き!」と思ったし、もしかしたらSNSに投稿したりして、春を知らせているのかと思うと、いいな~と思ったのだ。


こんなふうに、1ヶ月のうちで「良き」と思ったことを見つけてシェアをするのだ。

1ヶ月のうちでちゃんと自分のアンテナを外に向けて、「良い!」と思うことを探す、インプットの練習にも、小さな幸せを見つける練習にもなっていて、「佳きことシェア」をするようになると、ほんとうに小さなことに「あ、今の佳きだな」と思えるようになる。そんな目が養われていく。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。