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年齢を重ねたら、あんこが食べれるようになる?
あんこを食べられるようになったのは、いつだっただろう。ほら、なぜかあんこって、小学生のときは意外と不人気なんだよね。あんこよりもケーキ、あんこよりもクッキー、あんこよりもヤンヤンつけぼー、あんこよりもねるねるねるね。洋菓子が美味しいし、ヘンテコな名前のお菓子が美味しいし、チョコのほうが圧倒的に美味しい。
かくいう私も完全にそうだった。あんこって、なんか舌触りがあんまりよくなくて、甘いっちゃあ甘いけど、「美味しい」と思ったことはなくて。なんだろう、小豆独特の豆感がけっこう苦手だった。おまんじゅうはできれば求肥だけ食べたかったし、どらやきは挟んでいる生地だけを食べたかったし、あんぱんはパンだけが食べたかった。一緒に食べる美味しさが、私は全然わらかなかった。
小学生のとき、おじいちゃん・おばあちゃんがいる家に行くと決まっておまんじゅうなり、どら焼きなり、ようかんなり、あんこが使われたお菓子が出てきた。私のおじいちゃん・おばあちゃんちでもそうだし、近所のおじいちゃん・おばあちゃんの家でもそうだった。年齢を重ねると、みんなあんこを美味しいと思うんだ、と私は思っていた。同時に「私はきっとならないけどね」とも思っていた。
しかしどうだろう。26歳の私は、まんまとあんこを美味しいと思っている。洋菓子も好きだけど、和菓子も好きだ。練り切りはむっちゃ美味しいし、おまんじゅう、どらやきは言わずもがな美味しい。さらりとした舌触りのこしあんも好きだけど、むっちりとした小豆感が感じられるつぶあんも美味しい。
なんでやねん、私。数行前で「私はきっとならないけどね」と思っていたのに、年齢を重ねてちゃんと「あんこ」にハマっている。
先日、おばあちゃんの家に遊びに行くからと、8個セットのおまんじゅうを手土産に持っていった。「今日は、お土産持ってきたんだ~!」と意気揚々と見せた瞬間、おばあちゃんは言った。
「あ~ワッフルとかがよかったなあ~」
おばあちゃんがもっと好きになった。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。