京急・日ノ出町駅

　　

　夏も終わり、少しずつ人肌恋しい季節になってきた。秋の夜長に、ちょっと仕事につまづいて、学生時代のことを思い返していたら、無性に日ノ出町～黄金町辺りを歩きたくなった。

　横浜と言えば誰もが思いつくのがみなとみらい。みなとみらいに行くとなれば「ＪＲ桜木町」を使うのが一般的なのだが、私は京急・日ノ出町駅から桜木町までを散歩するのが好きだった。

　日ノ出町から桜木町までは徒歩１５分。意外と近い。途中、左手にストリップ劇場「横浜ロック座」、落語や漫才が行われることでお馴染みの「横浜にぎわい座」、右手に横浜最大の飲み屋街・野毛などが立ち並ぶ雑多な通りをひたすら真っ直ぐ進むと、見慣れた大きな観覧車が見えてくる。

　一方、下り方向はというと、黄金町方面。この辺は何もないように見えて、近年まちづくりが活発で、これまた味わい深いアートの街なのだ。高架下に文化芸術スタジオが建てられたりしている（※詳しい方、色々教えてください！！）。毎年桜の時期になると、「大岡川桜まつり」なるものが開かれ、多くの人で賑わう。少し外れて若草町方面に行くと、シネマ好きなら絶対に立ち寄ったことがあるであろう映画館「シネマ・ジャック＆ベティ」。近くにあるミニストップで、よくアイスを買っていた。

　大学のあった金沢八景から日ノ出町までは、ＩＣカード使用で約２８０円（２０１９年９月３０日時点）。横浜まで行って、ＪＲに乗り換え桜木町まで行くとプラス約１３０円かかる。時間のお金を天秤に掛けて、うーん、学生にとって見れば、絶対に安い方が良い。歩けば、その街の匂いがわかる気がしてうれしかった。歩いた。とにかく歩いた。

　バイトがあるときは、伊勢佐木町方面へ向かい、伊勢佐木モールを抜けてＪＲ関内駅まで歩いていた。モール街には未だに、まじかよお兄さんみたいな派手なスーツを来たキャッチのお兄さんが歩いていたりする。有隣堂とＡＢＣマート。吉野屋、横浜文明堂もあったか。

　みんなが知る「ヨコハマ」へは、いつでも京急日ノ出町駅を通らなければならなかった。最近、横浜に行ってない。最後に行ったのはいつだったか...