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代表インタビュー|創業家三代目が家業を辞め、Willboxを立ち上げた理由

業界初の国際物流マーケットプレイスを運営するWillbox株式会社では、サービスを知っていただくため、またWillboxで働くメンバーのことをお伝えするため、noteをスタート!第一弾となる今回は、Willboxの創業者であり代表の神 に、創業の背景や組織の今、Willboxの未来について聞きました。

<プロフィール>
神 一誠(Kami Motonari)
1989年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、ディップ株式会社にてアルバイト求人広告「バイトル」の法人営業に従事。その後、株式会社マイナビにて新卒採用サイト「マイナビ」の法人営業に従事し、当時最短最年少で支部長に就任。その後、家業の総合物流会社を経て2019年にWillbox株式会社を設立し、「Giho」を2020年から提供開始。

起業する気も、物流業界で働く気もなかった

ー まずはこれまでの経歴について教えてください!
大学卒業後、新卒でディップ株式会社に入社し、バイトルという求人広告の法人営業を経験。その後、株式会社マイナビ、オープンハウスディベロップメントを経て家業の総合物流会社に入社しました。

いつか家業を継ぐことも考えていましたし、プライベートでは長男の存在が明らかになったタイミングだったので、これまでのジョブホッパーだった人生とは真逆の安定した人生を選択。起業という発想は全くなかったですね。

ー そこから起業しようと思ったキッカケは何ですか?
家業に入社し海外現地法人の台湾に駐在していたときに、現場作業の仕事をすればするほど多重下請け構造や繁忙期閑散期のアップダウン、情報が人に紐づけられた属人化など物流の「負」の部分が多く見えてきて、どうにかしたいと思うようになりました。既存の商慣習にデジタルを当て込んでも意味がない!物流業界に新しい仕組みがあれば様々な知見をデジタル化し、多くの人が利用できるサービスになるはず!と考え、徐々に「国際物流をより良くしたい!」と思うようになったのです。

ー 台湾駐在で印象的だった出来事はありましたか?
現地でギホーさん(陳技芳 先生)に出会ったことです。実は弊社のプロダクト「Giho」は彼へのリスペクトからこの名前にさせていただきました。

私は赴任当初すぐに実際の物流現場に配属され、職人さんたちと一緒に超大型の産業機械を輸出するための梱包箱を作っていました。安全靴に軍手、ヘルメット、そしてトンカチを持ち、40度を超える作業場の中で爪の間まで真っ黒になりながら日々作業をしていました。

その後、資材を管理する部署に移り、資材調達や木箱設計のノウハウを丁寧に教えてくれたのがギホーさんです。彼は勤続25年以上、貨物を見るだけで見積書がはじき出されるスゴ技の持ち主。自社の資材状況や他社の案件受け入れ状況などを加味し、総合的な物流プランの提案ができる方でした。

ー そんな凄腕の持ち主がいたのですね・・・!
はい。すごい!と感銘を受けた反面、この人と同じレベルの人材を増やすことがかなり難しいと感じ、そこでITの力を使うことでギホーさんの能力を再現できないかと考え、Gihoを作り始めました。

もともとGihoというサービスは家業の物流会社が職人の技術を活かし、100年生き残るために構想したサービスでした。大手荷主企業様や物流事業者様へヒアリングしてみたところ、皆さん共通の課題を抱えていたのです。

ー 具体的にどのような課題でしょうか?
例えば荷主様は見積取得に最短1〜2日、長くて1週間以上かかる上に物流自体のリードタイムもコントロールできません。また、価格も誰に聞いても言われた言い値でやる世界で、さらに金額が適正なのかわからない状態。安全面に関してもどの下請け業者に流れているか不透明かつ、わかったとしてもその業者が最適か安全なのか判断が難しい状況でした。

他にも、荷主様と同様に物流事業者も課題を抱えており、1日の6割以上を見積書作成に費やし、8割が失注。多重下請け構造なので、末端業者になるほど薄利多売のビジネスです。さらに、下請けになるとたたかれるという厳しい現実を目にしました。

私はこれらの課題に対してGihoが業界の「時間・お金・安全」を大きく変えるトリガーになると確信し、父に相談したところ「家業のことはいい。お前が業界を変えてこい」と背中を押してくれました。家業からの資本関係もなし、顧客の紹介もなし、まっさらな状態でGihoはスタートを切ったのです。

業界内に新しい「仕組み」と「場」を創ることへのチャレンジ

ー Gihoというサービスは具体的にどんなサービスですか?
Gihoは業界初の国際物流マーケットプレイスです。2023年現在165社を超える物流事業者様(輸送、梱包、倉庫、通関、船など)が登録し、最適な物流を提供できる「仕組み」となっています。

既存の商慣習で行われるリアルな物流とは異なり、デジタル上での受発注や国際物流の業務ができる新しい物流プラットフォームとなっており、もちろんここには既存の物流とは違った新しいルールやフローがあります。

以前、ヒアリングをして明確になった「時間・お金・安全」という物流業界の永遠の課題を解決。例えば国際物流の一連の見積書を取得するには、通常2日〜14日間かかりますがGihoでは10秒で取得することができ、そのまま物流事業者様へ発注することも可能となりました。

よく物流業界の課題として挙げられる「紙」や「FAX」などのアナログな手法は、実はそこまで大きな課題ではないと捉えています。むしろ、今の物流スキームは「最上級」の方法だと認識していますが、あまりにも限られた選択肢とブラックボックス化された構造には疑問があります。そのため我々は既存の商慣習にデジタルを持ち込み紐解くより、新しいデジタルだけの産業構造を創った方が業界を変革できると考えたのです。

ー レガシーな業界でも既存プレイヤーさんたちと住み分けをすることで、他社にはマネできない新しい物流サービスが実現できたのですね!
そうですね。Gihoというサービスはよく「フォワーダー」でしょ?と思われることが多いのですが、「フォワーダーだけどフォワーダーではない」というのがGihoの立ち位置です。

※フォワーダー:自らは輸送手段を持たず、船舶・航空機・トラックなどを利用し、荷主と直接契約して貨物輸送を行う事業者のこと

実際にこのサービスの中には、大手フォワーダー様たちも既に入ってきており、新しい物流の仕組みとして認識されています。実作業を行う物流事業者様たちも、現場作業を抱えているため自社独自のDX化は困難を極めますが、Gihoのようなサービスに協力すると自然にDXされるため、協力企業が増加中です。

立ち上げ以来、本気で業界課題を解決したいモノ好きなメンバーが集結

オフィス移転時の記念写真

ー 現在Willlboxではどのような人が働いていますか?
現在、業務委託のメンバーも含めると27人です。先日、みなとみらいのクイーンズスクエアにオフィスに移転し、10月には5人入社しました。

メンバーは物流業界の出身者に限らず未経験者もいます。毎週月曜日に開催している「Willbox Value up MTG」と称した勉強会では、業界のドメイン知識をインプットしてもらっています。特に物流業界はインターネットで出回っている情報が、現場感と違うことが多いため正確な情報を取り入れてもらうためにテーマを区切り、経験者がリアルな物流現場に関する講義をします。

これから入社する人に関しても業界の経験は必要ないのですが、物流に対する興味はぜひ持っておいてほしいです。

その他にも、Willboxでは行動指針となるバリューに「Will」というものを掲げています。字のごとく意志や未来を示しており、Willbox社員が大切にする10か条が記載されています。2021年7月より開始した「All hands MTG」では、チームごとの週次報告や今後についてのディスカッションが行われており、事業をスケールさせるために有意義な時間を共有しています。

Willboxエントランス

ー スタートアップならではの雰囲気や視座の高さを感じます。代表が意識していることは何でしょうか?
会社として「環境」を整えることは当然だと捉えています。まだまだフェーズ的にも我慢してもらっていることも多いですが。勉強会では業界のドメイン知識をインプットしてもらいますし、業界の裏話もします。また、勉強会のみならず事業が加速するために出来る限りの投資を会社として実行中です。

有難いことにWillboxではオーナーシップを持ったメンバーが多いため、私が企画することはごくわずかです。そのため私はメンバーからの企画や要望を「いいね!いっちゃおう!」とGOサインを出すだけ。実際に投資が必要な事象については、予算をもとに投資実行を判断します。

海外展開は当たり前。業界の「課題解決屋」として機動力のある組織を創る

展示会の様子

ー Willboxをこれからどんな組織にしたいですか?
注力しているのは「数字」と「課題解決」です。Willboxは「数字」にとてもこだわっており、事業計画のKPIは常に意識しますし、投資家さんからお金を預かっている以上、成果を残すことは当然だという認識でビジネスサイドの全員が動いています。

そのため、Willboxは「セールスが強い会社」と言われることが多いのですが、課題解決のうえで欠かせない、エンジニアチームによるテクノロジーの力を用いて産業構造を変革していきたいとも考えています。

Willboxはビジネスチームとエンジニアチームが業界内にある「課題解決」に向けて一緒に動く、機動力のある組織を目指しています。

ー 目指す組織像に向けて具体的に行っていることはありますか?

物流業界は外から見るよりもとても複雑な業界です。特に国際物流は多くの利害関係が絡み合っています。しかしテクノロジーの力を持ち込めば、ここで働く全ての人々の生産性を向上できることが明確です。だからこそ、Willboxという会社はビジネスチームとエンジニアチームが、顧客の「課題」というキーワードを軸にディスカッションを重ね、解決策を一緒に考えています。

そのため「こんな機能を作ってほしい!」という提案ではなく「こんな課題を見つけた!」というようなよき相談相手であり、お互い違う領域のプロとしてディスカッションをしています。これがWillboxの風土ですね。

みなとみらい

ー 所属するチームが違っても目指すところはは同じ。お互いがリスペクトし、課題解決に向けて動いているのですね!
はい。とにかくWillboxではビジネスチームとエンジニアチームが、共通の解像度で事業を進めることに注力していますし、きっとそれが機動力を高める重要な要素だと考えています。

さらにWillboxのビジネスモデル上、海外展開は必然と視野に入っています。異なるローカルルールに対応することや、世界中の物流事業者データベースを保有することが今後の事業展開にも繋がるので、しっかりと業界に筋を通す方法でマーケットを取りにいきたいですね。

また、Gihoというサービスは、物流業界の新しい仕組みでしかありません。国際物流の課題を本当に解決するには、マーケットプレイスによる「取引コストの削減」とSaaSによる「業務効率の向上」を同時に行わなければ意味がありません。我々のGihoはその両方を実現していきます。

ー 今後、どういう方と一緒に働きたいですか?
物事を構造的に捉え、オーナーシップを持って取り組める方です。やはり物流業界はとても複雑で特殊な世界です。「物流」を提供するだけではなく、顧客の「課題」を解決する必要があります。しかしそれが難しい。

もしかしたらAとBをくっつけたらできることや、違った角度から見たら発見できることなど、常に考えることができればゴールにたどり着けます。Willboxではこれを「構造化スキル」と呼んでおり、それを実現するにはオーナーシップを高い視座で持つことが必要です。そして何より「業界を変えたい」という大義名分を感じられることが必要だと思います。

ー さいごに、この記事を読んでくださった方にメッセージをお願いします。
Willboxは「国際物流をより最適に、よりスマートに。」というミッションを掲げており、メンバー全員が本気で取り組んでいます。国際物流や弊社に興味を持っていただいた方も、これから何かにチャレンジをしたい人、今も何かにチャレンジしている人、これが最後のチャレンジだと思っている人、人生一度きりです。Willboxは常にGet things doneの精神で事業を進めます。ぜひ一緒に物流の世界でチャンスを掴みにいきましょう!

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