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IQ神話

最近、生まれついての高IQ者(ギフテッド)の話題を見かけることが増えて来た気がします。
軽く流し読みしただけの印象ですが、いろいろと苦労があるもんなんだなぁという当事者発信と、半分僻みにも似た第3者発信が混在していて、どちらにも(その立場だったら)納得出来る点も多い気がします。

で、今回言いたいのは、それらとは全く異なる観点です。

実際、自分のIQなんてちゃんと分かってる人の方が少ない現実にも関わらず「ギフテッドはこうだから〜」という誘導的な記事に違和感を感じます。
悪いのは高IQ者ではなく、誘導的な記事です。そこは誤解無きよう・・・

IQは固定?

IQとは、生まれついての本質的な部分と、訓練や日々の生活、仕事などで獲得する後天的な部分の合算のはずです。
というのも、IQテストの説明書きに「連続してテストすると高スコアになるので、1年以上期間を開けてテストするように。」といった旨の但し書きがあることから、初見か慣れているかが判別出来ないことが分かります。
ポイントは「慣れ」です。

少し掘り下げてみます。
建築家や設計士など、空間認識能力を要する仕事をずっと続けていた人と、経理など短期記憶(ワークメモリ)を多用する仕事を続けていた人、生まれつきのIQが100だったら30年、その仕事を続けていても同じIQなんでしょうか?
先天的なIQと成長によって獲得した能力に違いはあるんでしょうか?

私が思うに、生きている限り人の能力は成長します。
過去に見たネットニュースによると、80歳くらいまでは脳細胞が大幅に減ることはないようです。
つまり、80歳近くまで自身の脳力を維持し、やり方次第で伸ばすことすら出来ることになります。

つまり、先天的、後天的問わず、それらをひっくるめてIQ(知能指数)と呼んでいて、線引きの1つとして130以上をギフテッドとしている。
そう定義し直してみるとIQは可変であることになります。
どうです? IQの見方が「神話」から「現実」に変わって来ませんか?

IQは可変!

開業医や画家、自営業者など、定年が無い仕事に就いている方は、高齢になっても矍鑠かくしゃくとしているのも同じ理由なかもしれません。
(認知症は考慮しないとすればですが)

要約すると、使っている能力に関わるIQは死ぬまで向上、もしくは維持が可能であり、初期値が100だった人がギフテッドの領域まで伸びる可能性だってゼロではない。となります。

どこまでが生まれつきで、どこからが後天的なのか判断出来ないわけだし当然ですよね。

記事のどこが気に入らないのか?

ずばり言ってしまうと、ギフテッドだから大変! 社会に適合出来なくてもしょうがない コミュニケーション能力云々・・・という切り分けが気に入りません。

誘導的な記事を書いている人は、これまで何の努力もせず、自己の能力を伸ばして来なかったと推察されます。
だって、記事を読み解くと論旨は「高IQの人だってダメな部分があるんだから、自分が何の努力もして来なかったことも正当化出来るよね」になってしまうから。

IQは固定値ではないのに、自分のダメな部分を正当化する言い訳に使おうとしていること、ギフテッドを能力があっても認められなくて可哀想に。いっそ何も無ければ良かったろうに・・・
といった視点しか持っていないことが、そもそも世の中の損失です。

多様性の世にあって、こういった高IQ弱者(少数者)に上手く活躍してもらえるような提言、環境作り、待遇改善を提案する記事こそ求められているものなのでは?
そう思うわけです。

また、高IQ者全てがギフテッドではありません。
後天的に向上した人だっているはずです。
望むべくは「IQ神話」を脱し、ギフテッドと肩を並べられるくらいまで自己の能力を研鑽したいものです。

80歳まで頑張れば、そこそこまで迫れるはずですから。

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