歳をとるということ
人は生き齢を重ねていくもの。
その過程で多くの物を得て、そして手放していくのは当然のことだろう。
人は皆欲張りである。
両の掌に手当たり次第に物を握りしめようとする。
掌に乗り切らなければポケットに、ポケットに入りきれなければ上着の裾を捲り上げてその中に溜め込んでいく。
当然、ある瞬間を過ぎると持ち切れなくなった荷物を1つ、また1つと落とし始める。それでも新しい物を拾い、持ち切れなくなった物を落としながら先に進むのが人生なのかもしれない。
人はいつしか、拾う物の数より落とす物の方が多くなってくる。
あれだけ持っていた荷物が知らないうちに随分と減っていることに気付き、そして思うだろう。
あぁ、歳をとるとはこういうことかと。
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