荒川和久/独身研究家・コラムニスト

新刊「居場所がない人たち」「知らないとヤバい」発売中!他著書「一人で生きるが当たり前に…

荒川和久/独身研究家・コラムニスト

新刊「居場所がない人たち」「知らないとヤバい」発売中!他著書「一人で生きるが当たり前になる社会(中野信子さんと共著)」「結婚滅亡」「超ソロ社会」「結婚しない男たち」等。東洋経済、プレジデント、ヤフーにて連載、メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージから。

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  • それ、幻想かもよ!

    本当の自分とか幸せとか、そういうのって全部幻想かもしれないよ。

  • 日経COMEMO

    • 13,184本

    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

  • 知ってるつもりの歴史の真実

    教科書で習った歴史が真実とは限りません。小説や映画でみた時代劇の虚構を事実と誤認している人もたくさんいます。歴史を学ぶとは年号とか政治の流れではなく、その時人がどう動いたのか?という話だと思います。

  • 結婚できないのは男のせいだ!

    独身研究家の荒川が送る「結婚できない女たち=ソロ女」の生態を座談会形式の生声で明らかにしていくセミドキュメンタリーマガジンです。タイトルの意味は最期にわかります。

最近の記事

便利なものに逃げても結局何も生まれない

舘ひろし「マッチングアプリを語る」 彼はマッチングアプリそのものをよく知らなかったらしいが、なかなか名言がちりばめられている。 「出会いに関して便利になっているだけで恋に関しての便利ではない」 結局、マッチングアプリなんてものは、人間のショーケース化であって、言葉を選ばずにいえば、江戸時代の吉原遊郭の「張り見世」のようなもの。 「張り見世」とは、遊女屋の道路に面した格子つきの部屋(見世)に,遊女が並んで客を待つこと。客は格子の間から眺めて、格子をはさんで会話を交わし好

    • 生涯働けるってことは悪いことではない

      超高齢少子化と人口減少が不可避だと本当はわかっている官僚は、いろいろ手は打っている。税金というか歳入を減らさないために。 女性活躍なんたらもその一環だし、高齢者の就業促進もそれ。年金の改革もそうだ。 少子化で今後支え手となる現役世代が減る一方で、高齢人口が増え続けるわけだから、今までのように「高齢者を現役が支える」というモデルは通用しなくなる。 とはいえ、高齢者を見捨てるとは言えないわけだから、今まで支えられる側だった高齢者の年齢定義を後ろ倒しにしようとする。年金受給開始

      • 降水確率100%なのに「傘はいらない」っていうわけ?

        例の人口戦略会議が出した消滅可能性自治体のリリースが話題だが、2100年人口8000万人とか現実離れしてる内容である段階でもう取り扱う価値はそもそもない。が、これに対して消滅可能性自治体と名指しされた各都道府県の知事が煽られて不快感を表明している。 そんな中で島根県の丸山知事は以下の通り大層ご立腹である。 「人口減少は市町村や県単位の問題でなく、都市部に人口が集中する日本社会の構造を放置してきたことが引き起こしている現象だ」と述べ、国全体の問題として捉えるべきだと主張され

        • 夫が育休をとれば出生率はあがるのか?

          「〇〇すれば出生率はあがる」という論説を振りまく有識者とされている連中が多いのだが、それらはほぼ嘘である。 「夫が育休をとれば出生率はあがる」もそうなのだが、検証してみたい。 積水ハウスが公開している「男性育休白書2022」なるものがある。 これは、男性の家事育児力を以下の指標に基づいて都道府県別にランキングしたものだそうだ。 1.女性の評価 男性が行っている 家事・育児の数と、男性が子育てを楽しみ、家事や育児に積極的に関与すると思うかどうかを4段階で評価したもの

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        記事

          「この川を泳いで渡ったらお金をあげる」というのは政治じゃない

          またこんな記事が出て、相変わらず財務省あがりの御用学者が何か言ってるのかと思いきや、国政政党の党首まで参加していて呆れた。 結論からいえば全く的外れの議論でしかなく、いちいち記事の内容に反論するのもバカバカしいのであるが、端的にこれに対して正しい指摘をしているヤフコメをご紹介したい(2728もの共感がされている)。 以上終わりにしてもいいのだが、それではあまりに無責任すぎるので、なぜ「第三子に1000万円給付」が単なる机上の空論の鉛筆なめなめに過ぎず、結果として少子化対策

          「この川を泳いで渡ったらお金をあげる」というのは政治じゃない

          奴隷から「七転び八起き」で国を救った男の話

          「人生、山あり谷あり」とはよく言ったもので、想定以上にうまくいくこともあれば、絶対に大丈夫だと慎重に堅実に進めていても思わぬ失敗をすることもある。結果としての成功失敗は、必ずしも本人の努力や運だけの問題ではない。 また、失敗しても復活できる者も確かにいる。だからといって、「失敗しても何度も挑戦すべきだ」と簡単に言えない。たった一度の失敗で終わってしまう者もいるからだ。こればかりは統計や確率論では語れない。法則もない。あるのは、その時の本人と周りの環境がどうだったかによって変

          奴隷から「七転び八起き」で国を救った男の話

          「人も町も不老不死ではない」という当たり前の話

          地方のメディアにニュースを配信することが生業の共同通信にとっては、地方が衰退するのは避けたいのだろうが、誰がなんといおうと地方は衰退する運命。 現実的に考えてほしい。そもそも国全体の絶対人口が今後毎年80万人以上も50年間減り続けるわけで、今ある自治体数を維持していくこと自体は完全に不可能。2100年までには、全体の人口が半分に減るが、地方の人口は20年もまたずに半減するところはたくさんある。だから、自治体間の人の取りあいをしたところで所詮は目先の話でしかない。 また、地

          「人も町も不老不死ではない」という当たり前の話

          「己を知る」ために必要な「ありがとう」の言葉

          社人研の2024年推計結果が発表されて、各メディアが以下のような記事をあげているんだが… 高齢者が増えるのは今に始まったことではないし(現に日本今世界一の高齢化率の国)、単身世帯が増えるって話も実際に世帯類型別で単身世帯が「夫婦と子」世帯を抜いてトップになったのは2010年の国勢調査段階だし、単身世帯が4割になるという推計も5年前の社人研の推計で発表していることであって、特に「急にふってわいた話」ではない。 高齢の一人暮らしが増えるのはその通りですが、その内訳は未婚の高齢

          「己を知る」ために必要な「ありがとう」の言葉

          「出会う」ためにはまず「出る」ことが必要である

          新海誠監督の「すずめの戸締り」が地上波で初公開されて、Xはその話題で持ち切りになっていた。たくさんのファンがいる中で、本作について私如きが考察をするのははばかられるのでやめておくが、この作品において私個人が感じた「とても大事なこと」について一点だけ書いておきたい。 それは、本作に何度も流れるひとつの言葉「いってらっしゃい」にもかかわるが、「出る」という行動についでである。 主人公岩戸鈴芽は自ら望んだわけではないが、九州から東北までの旅をする羽目になる。そのきっかけは、草太

          「出会う」ためにはまず「出る」ことが必要である

          女性の高学歴化と社会進出が起こす「結婚と出産のインフレ」ジレンマ

          台湾の若者を取り巻く問題が日本や韓国に酷似(中国とも)していて、誰が考えても問題の本質は経済的な問題だと思うのだが…。 そんな中、久しぶりに支離滅裂な出鱈目な話を目にしたので言及したい。但し、これは厳密には少子化について言及したものではないが。 日本と韓国と台湾の年齢別の女性労働力率のデータを比較して、日韓でいわれているM字カーブが台湾には見られないことから、 そして、それは「小さな子どものそばには母親がいなければいけない、という規範がないから」とかいってるわけだが、別

          女性の高学歴化と社会進出が起こす「結婚と出産のインフレ」ジレンマ

          「吾輩は猫である」にて予言されていた結婚滅亡

          夏目漱石の「吾輩は猫である」という有名な小説がある。題名なら誰しもが知るところだと思うが、あれに書かれている内容を今も覚えている人は少ないだろう。 覚えているのは大体、冒頭の「吾輩は猫である。名前はまだない」というところだけだ。 かくいう自分も、小学校あたりの読書感想文のために読んだ記憶があるが、覚えているのはなぜか主人公の先生(漱石がモデル)が、自分の鼻毛を原稿用紙に几帳面に並べていく様を猫が観察しているシーンしかない。 というわけで、何の気まぐれか今更ながらにこの「

          「吾輩は猫である」にて予言されていた結婚滅亡

          見せたくないモノを見えないようにする 

          こちらの動画を見て、どのカップの中にモノがあるかをじっくり観察していただきたい。別に手品ではないのでちゃんと見ていれば100%当たるはず。時間のない人は1分15秒すぎくらいからみればいいと思う。 動画の中でネタバレしているが、ほとんどの人はここに出てくるアヒルの存在は見えなかっただろう(最初から知っていれば簡単にわかるのだが)。 元ネタは2004年にイグノーベル賞を受賞した有名な「見えないゴリラ実験」である。 アヒルにしてもゴリラにしても、ある一点に興味が集中していると

          見せたくないモノを見えないようにする 

          賃上げされたといってもその実態は?

          賃上げのニュースが相次いで、連合の一次集計では賃上げ率は平均5.28%で、前年の同時点(3.80%)から1.48ポイント上昇した。 これ自体は喜ばしいことたが、とはいえ、当たり前だが全ての企業が一律でこの割合であがるわけではない。ニュースなどで個別に伝えられる企業は大抵大企業だ。 日本において大企業の就業者は全体の3割でしかない。上澄み3割が賃上げしたところで残りの7割が変わらないのであればあまり意味はない。意味はないどころか格差が拡大するだけで余計に悪い。 実際、202

          賃上げされたといってもその実態は?

          ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

          テレ東でやってる「YOUは何しに日本へ?」をたまたま見たのですが、そこで密着取材されてたウガンダからの留学高校生ニコラスくん。 高校から留学してきたのに、日本語も堪能で、しかもちゃんと敬語も使い分けるし、日本人が書けないような漢字まで習得している。謙虚で礼儀正しくて、決してオラオラもせず、かといってウェーイでもなく、物静かでとても冷静。 高校では生徒会長もやるくらいだから、同級生からの人気もあるのだろう。 京都の大学にも晴れて合格し、夢は母国の大統領。 ホントに20年後と

          ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

          利権に群がる政治家と我利業者が少子化を加速させる

          久しぶりに呆れたニュースを見た。 毎年のように「今年がラストチャンス」とか言っているんだが、閉店セールといいながらいつまでも閉店しない店みたいなことしている場合か? 出生数が増えないことは、1990年代後半からゼロ年代頭にかけて第三次ベビーブームが来なかった時点で確定している。一人当たりの母親が産む子ども数が減っていないのに、全体の出生数が減り続けているのは、そもそも産む母体の数の減少「少母化」によるものであり、ラストチャンスというのなら、それは2005年までにやるべき

          利権に群がる政治家と我利業者が少子化を加速させる

          価値観とは、年代ではなく、立場と役割で変わるもの

          昭和の時代には、企業の運動会どころか文化祭や社員旅行などのイベントがあったものだ。そんな話を聞くと「会社の人間と運動会して何が楽しいのか?」と思うかもしれないが、そもそも企業はかつての「ムラ」共同体の代替機能を果たしていたものだし、部署はひとつの疑似家族的なものでもあった。 別にそれがいいという話をしたいわけではないが、いつの頃からか(1990年代に入ってから?)運動会も文化祭も社員旅行もなくなった。そもそも昔は、会社にも趣味的な部活動があったものだが、それもなくなっている

          価値観とは、年代ではなく、立場と役割で変わるもの