見出し画像

【東京五輪】野球日本代表メンバー選出案について(5月初頭時点)

■ はじめに
新型コロナウイルスの感染状況は縮退することなく、未だ東京五輪の開催は危ぶまれている状況だが、アスリートは今できる準備を行っている。野球とて今年は観客の入場制限や無観客での運営など、各球団難しい舵取りを行い、選手達も今まで以上に自己管理を重ねながら、ペナントレースを戦っている状況だ。開催の賛否は様々な点であろうが、開催前提で代表メンバーを展望してみた。

ところで野球は、2008年の北京オリンピック以来の開催。故星野仙一氏が率いたチームは金メダルはおろかメダル獲得する叶わず、監督・選手達が打ちひしがれていたあの忌々しい記憶が蘇ってくる。それぐらい代表戦は重く、日本の野球ファンの中には筆者を含め、優勝(金メダル獲得)を至上命題と考えている人も少なくないだろう。

■ 出場チーム
出場チームは、日本を含む計6チーム。下表の通り実はまだ全て決まっていない状況だ。

アメリカ大陸予選では、アメリカ、キューバ、カナダ、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ、コロンビア、ニカラグアで予選を戦い、優勝したチーム五輪への出場券を獲得する。また、世界最終予選では、上記アメリカ大陸予選で2位、3位となったチームが台湾、中国、オーストラリアの計6チームで行われ、優勝したチームが五輪への出場権を獲得する。予選を勝ち抜くことは容易ではなく、強豪国と目されている国であっても、五輪本番の出場が叶わないといったことは十分に考えられる状況だ。

【出場国の状況】

画像1


■ 開催形式、日程
日程は、7月28日~8月7日で開催され、計16試合が行われる。その開催形式は変則的であり、大きくオープニングラウンドとノックアウトステージに分かれている。

オープニングラウンドでは、A組とB組に分かれ各々3試合を戦い、A組、B組内での順位付けを行う。なお、この時点で敗退することはなく、全てのチームがノックアウトステージに進むことができる。

ノックアウトステージでは、オープニングラウンドでの順位に基づいて変則的なトーナメントが組まれ、第7試合と第11試合で負けたチームは敗退するというシステムになっている。

優勝を前提とした場合、少なければ計6試合、多くて8試合を戦うことになる。当然、こういう試合数を鑑み、投手、野手の数のバランスを考えながら代表選手を選出していくことが必要になる。

【ノックアウトステージの日程】

画像2

■ 選考結果
さて、今回の選出で僅か24人しか選べないという点が選出の難易度を上げている。これまでの国際試合では、28選手を選ぶことができただけにかなり少ない印象だ。

現代表監督の稲葉篤紀氏は候補選手185人を3月中に提出したとされており、出場24選手は5月下旬から6月初旬にかけて一旦選出される。その後、故障者などの入れ替え可能な期間を経て、7月上旬に最終決定される見通しだ。

選考にあたっては、過去の実績も勿論大事だが、ただでさえベンチ入りできる選手が制限される中でコンディション不良の選手を連れていくことは得策でないと考えている。

なお、残念なことではあるが、MLB(米大リーグ)に所属する選手達の出場許可は下りないことが不文律となっており、ダルビッシュ有、前田健太、菊池雄星、大谷翔平、筒香嘉智、秋山翔吾といったトッププレイヤーは選出対象外とした。

但し、朗報もある。五輪開催期間、プロ野球公式戦は中断されるため、各球団が選手達の代表への派遣を拒むというケースは少ないように思える。サッカーの日本代表と比べて歴史が浅いこともあってか、「代表戦は無理をしてでも行くものではない。何よりペナントレースが大事だ」とサッカーファンならば仰天するようなメンタリティが未だ野球界に存在するのが実態だ。このあたりの意識も少しずつ変わっていくことを切望する。

さて、漸く本題に入ろう。投手は計11人、野手は計13人の陣容とした。まず、投手陣だが、下表の通りである。

先発投手は、日程も加味すると、3人が妥当だろう。菅野智之、大野雄大、田中将大、森下暢人、山岡泰輔、山本由伸らが3枚の先発枠を争うだろうが、やはりそこは経験豊富な先輩たちに先発マウンドを任せるのが得策だろうか。

また、今季は各球団のクローザーの不調が目立ち、代表に選出しづらい状況下にあるが、その中で山本由伸のリリーフ経験は貴重だ。彼ならばロングリリーフでも最終回の締めでもどちらの起用にもこたえることが可能だろう。2009年のWBCではクローザー藤川球児の調子が今一歩上がってこない中、時の指揮官原辰徳が最終回にマウンドに送ったのはダルビッシュ有だった。通常のペナントレースとは異なる選手の起用法もこのような大勝負、短期決戦では重要な決断となる。

【投手】

画像4

※年齢は2021年に迎える年齢

さて、野手に話を移そう。捕手3人、内野手6人、外野手3人、DH1人を選出した。まず捕手について。捕手はリスクヘッジのため、3名を選出。貴重な枠に2名ではなく、3名の選出は賛否が分かれるところだろうが、不測の事態の発生により捕手不在は避けなければならず、3名とした。
次に内野手、外野手と見ていきたいが、ベンチ入りできる選手が限られた中で鍵を握るのが複数の守備を守れるユーティリティプレイヤーの存在だが、その代表格でもある西武の外崎修汰が怪我で戦線離脱しており、選出は困難な見通しだ。そこで推したいのがソフトバンクの周東だ。稲葉政権下ではこれまで「足のスペシャリスト」としての起用が主だったが、打撃・守備でも急成長を果たしており、「走攻守」を携えた代表クラスの選手になりつつあると私は感じている。内外野を守れる点もとても魅力的だ。

山田と浅村は一塁手での起用を想定。調子が良い方を起用すればよいだろう。二塁手は菊池としたい。打撃にムラはあるが、安定的かつ流れを変えることのできる守備は捨て難い。また、菊池の調子が悪いようであれば、山田、浅村に代えることも可能であり、ここは3人で1セットと考えることもできる。三塁手は激戦区。昨季覚醒した阪神の大山、DeNAの巧打者宮崎、代表には欠かせない存在だったソフトバンクの松田宣浩など候補者は数多くいるが、セ・リーグを代表する選手となったスラッガーの岡本和真を起用したい。

外野手は左翼手吉田正尚、中堅手柳田悠岐、右翼手は鈴木誠也で文句は出ないだろう。球界屈指の巧打者近藤健介、昨季首位打者を獲得した佐野恵太、かつて2年連続セ・リーグMVPに輝いた丸佳浩、阪神の新スピードスター近本光司らも控えているが、申し訳ないが涙を飲んでの落選となろう。

DHには近年の実績、今季の勢いを鑑みて村上宗隆を選出したい。守備に難があるが、DHであれば安心して打撃に集中することができる。長年日本代表の主砲として活躍してきた中田翔、生粋のホームランバッター山川穂高と先輩たちも虎視眈々と代表入りを狙っているだろうが、村上の好調さを買いたいところだ。

【野手】

画像4

※年齢は2021年に迎える年齢


■ スタメン発表
下表の通り左右のバランスを鑑みて打順を組んでみたが、まさに「オールスター」でありワクワクする布陣だ。実は考えている間が一番面白く、いざ試合が始まったら視ているだけでも胃が痛い試合が続く。この1ヶ月でも選手達に好不調の波が訪れ、首脳陣も選考に日々頭を悩ませることになろうが、私としても戦況を注視しつつ、5月下旬時点で、再び提示したい。読者の皆様におかれては、今日私が選んだ選手達がコンディションをキープできるのか、はたまた今は名前が挙がってきていない選手達(例:佐藤輝明)が大逆転で代表入りを果たすのかなど、楽しみにしていただきたいところだ。

【スターティングメンバー】

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?