【プロ野球 名場面第5回】18歳近藤真一 プロ初登板ノーヒットノーラン(1987年)
近藤真一は享栄高時代、1986年の春・夏の甲子園に出場。超高校級左腕として活躍しました。同年秋のドラフト会議には5球団から指名を受け、抽選の結果中日が交渉権を獲得。入団に合意しました。
ルーキーイヤーの開幕を2軍で迎えた近藤は、8月に1軍行きを命じられます。8月9日の巨人戦、先発予定だった江本を前日リリーフで使ってしまい、星野監督はこの18歳に白羽の矢を立てました。高卒ルーキーの先発を予想すらできなかった巨人の王監督は右の先発を予想し、駒田を1番に据えるなどしましたが、完全に裏をかかれる形となりました。
近藤は145キロの力強い速球に、カーブ、そしてこの日のために覚えたフォークを駆使し、18歳とは思えない落ち着きぶりで巨人打線を抑えていきます。
打線も、落合の先制ホームランなどで着実に加点していき、9回表を終わって6‐0と大きくリードします。
そして、最後の打者は篠塚。大きく曲がるカーブに篠塚は手が出ず、ここにプロ初登板ノーヒットノーランが完成しました。18歳の大快挙に名古屋球場は大いに沸いたものです。
その後、近藤は8月3勝を挙げ、史上最年少月間MVPに輝き、翌シーズンもオールスターまでに7勝を挙げました。然し、この頃から故障に苦しむことになり、以後勝利を獲得することはできませんでした。1993年を最後に25歳で現役を引退し、その後中日のコーチやスカウトを務めるなど、中日一筋の人生を歩んでいます。
現役時代は短かったですが、あれほどの鮮烈なデビューは後にも先にもないことでしょう。近藤真一の快投は、私たちの脳裏に深く刻まれています。
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