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日本共産党 田村智子参議院議員代表質問 新自由主義転換・性暴力根絶・平和を守る提案 2021.12.10 一問一答文字起こし!

みなさん こんにちは。
 前回の志位委員長衆議院代表質問から少し経ってしまいましたが、やっと田村智子参議院議員の国会代表質問を文字起こしできました!

 その間に各委員会質疑はどんどん進んでいてなかなか追い切れていません。でも、それらが集約されているのが代表質問なんですよね。これをしっかりと押さえておくことが大切だと思います。

 タムトモさんのこの代表質問はくりみわり@nutcracker_1892さんもnoteにまとめてくださっています。
こちらはテーマごとにまとめられていて、その部分の編集された動画も公開されています。まだご覧になっていない方はぜひこちらもご覧くださいね。


質問1


 わたくしは、日本共産党を代表し、岸田総理大臣に質問いたします。
まず新型コロナ対策です。「感染第6波」、「インフルエンザとの同時流行」、「オミクロン株の市中感染」、こうした事態を想定して外来診療入院医療ともに体制の強化が求められています。

 ところが政府は、コロナ病床の確保を要請しながら高度急性期と急性期の病床20万床削減計画をいまだに進めている。これはコロナ対策と相矛盾する。中止すべきではないか?(という)昨日の衆議院におけるわが党の質問に総理の答弁がありませんでした。改めてお聞きします。明確にご答弁ください。(拍手)

 昨年医療機関はコロナ補助金があっても圧倒的に赤字経営となりました。最悪の事態を想定した体制をつくるには、医療機関全体への財政支援が不可欠です。ところが、病床確保の補助金以外、まともな国の補助金がありません。驚いたのは、発熱外来の補助金まで昨年度で終了し、診療報酬の加算も9月で終了してしまったことです。

 外来診療の体制確保を含め、第6波に備える財政支援を直ちに行うべきではありませんか?

 来年度に向けて診療報酬引き下げが議論されていることも重大です。安倍政権の下で7年間にわたって診療報酬は引き下げられ、経営基盤は弱まり緊急事態への体制確保に大きな困難をもたらしました。その反省に立ち、医療の基盤強化の支援策を今こそ進めるべきです。総理の答弁を求めます。

岸田首相答弁
 田村智子議員にお答えいたします。医療提供体制の確保についてお尋ねがありました。

 新型コロナ対応が続く中においても、地域の医療ニーズに合わせ、質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指して地域医療構想を進める必要がありますが、あくまでも病床の削減や統廃合ありきではなく、地域の実情を十分に踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。

 また、先般お示ししている新型コロナ対応の全体像を確実に実行するため、今回の経済対策において「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」等により、病床の確保、患者の受け入れといった、それぞれの段階に応じた支援を準備しております。令和4年度診療報酬改定については予算編成過程でしっかりと検討をしてまいりたいと思います。

田村議員の質問に答えているようで答えていない模範的なスルー答弁だと思います。

質問2


 総理は「通常に近い経済社会活動を取り戻すまで、断固たる決意で新型コロナでお困りの方の生活を支え、事業の継続と雇用を守り抜きます」と宣言されました。

 ならば、総選挙で総理自身が公約した「コロナでお困りの皆様への給付金支給」をやろうではありませんか。

 今示されている給付金では困っていても対象外となる人がたくさんいることを総理はお認めになりますか?
また、住民税非課税など、低所得世帯への給付金は生活保護世帯にも支給されますか?
その場合収入認定から除外されるのでしょうか?
事務費だけで967億円という子育て世代へのクーポン支給は囂々たる 非難の嵐です。抜本的見直しをすべきではありませんか?

以上国民への給付金について、明確な答弁を求めます。

岸田総理答弁

 コロナでお困りの皆様への給付金支給についてお尋ねがありました。
新型コロナの影響が長期化する中、様々な困難に直面した方々が速やかに生活くらしの支援を受けられることが重要であり、そのための施策の一つとして生活保護世帯を含む住民税非課税世帯に対して十万円を給付することとしています。
 そのうえで本給付金は生活保護制度における収入認定からも除外する方向で検討をしております。
 
そのほか、今回の経済対策においては、さまざまな施策を講ずることとしております。新型コロナの影響を受けた方々に様々な施策を通じて広く重層的に支援を行っていきたいと考えます。

 そうして、子育て世帯へのクーポンを基本とした給付については新型コロナの影響が様々な人々に及ぶ中、子育てにかかる商品やサービスを直接お届けすることでより直接的にそして効果的に子供たちを支援することが可能である取り組みであると考えております。

子育て世帯への現金とクーポンだけではない対策をほのめかしていますが、具体的には何も提示されていません。本来であればこのタイミングで「コロナでお困りの皆様すべてに給付金が行き届くように多彩な支援を検討しています」ぐらい言ってほしいところです。

質問3

 中小企業への支援についてお聞きします。
菅政権は、財政審議会の議論に明らかなように、中小企業の新陳代謝淘汰の立場で緊急事態宣言のさなかに持続化給付金の申請打ち切りまでしました。

 岸田総理はこの淘汰という立場を撤回されますか?

 今年1月以降最悪の感染拡大が続く中で、菅政権は野党の提案に聞く耳を持たず、持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を拒否し続けました。協力金や月次支援金で支援したといいますが、コロナ関連の経営破綻は9月以降3か月連続で過去最多を更新しており、支援の不十分さは明らかです。

 この反省に立って事業復活支援金は今年1月以降の売り上げ減を対象とするなど抜本的な拡充が必要と考えますがいかがですか?

 今、多くの事業者がこれまでに受けた融資の返済、社会保険料や税金の延納分を含めた支払いに直面しています。コロナ融資の返済減免、社会保険料や税金の特別減免などを直ちに講ずるべきではありませんか?

岸田首相答弁
 また、中小企業への支援についてお尋ねがありました。
 これまで、新型コロナの影響により厳しい状況に直面する中小企業等の事業継続を支援する観点から新たな給付金や資金繰り支援制度施策を推進してまいりました。
 新型コロナの影響で売り上げが減少した事業者に対して11月から来年3月までの5か月分を一括して支給する事業復活支援金より支援をしてまいります。上限額は昨年の持続化給付金を超える額としていることに加え、新たに売上高の減少が30%以上の事業者も対象としております。
 なお、今年1月から10月までは一時支援金や月次支援金などによる支援を行ってきたところであります。事業者の資金繰りについては既存の融資の返済猶予などについて柔軟に対応するよう官民の金融機関に対して配慮を要請しております。
 加えて税社会保険料の納付が困難な人々に対しては猶予の仕組みを設けているところであります。

返済期限猶予ではその期間が終了した時点で2重3重の債務が同時委襲ってくることになることを田村議員は指摘していますが、そのことについてはスルーしています。国民や中小企業の立場に立って物事を考えていないから、これまでのはこれまでの支援金で十分だという政府の身勝手な判断になっていると思います。

質問4

 また、消費税5%への減税は個人消費を喚起し中小企業の納税負担を軽くします。さらには、複数税率が解消され、中小事業者やフリーランスにとって重い負担となるインボイス制度も必要なくなります。これこそコロナ危機の下での暮らしと事業継続への支援策ではありませんか?答弁を求めます。

岸田首相答弁
 消費税率の引き下げについてお尋ねがありました。
 消費税については社会保障にかかる費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から社会保障の財源として位置づけられており、当面消費税について触れることは考えておりません。
 なお、インボイス制度は複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、周知広報、あるいは事業者への支援、こうした円滑な制度移行に向けての取り組みを進め万全の対応を行っていきたいと思います。

これまで、消費税の増税分が大企業の法人税減税分と同等の金額となっている事実があらゆる場面で指摘されています。どんなに消費税を社会保障につかうとなっていても、この間どんどん社会保障は切り詰められてきていますし、その一方で大企業は法人税が優遇制度により減税され、防衛費はついに6兆円を超える規模にまでなっています。消費税が5%になれば複数税率ではなくなりますからインボイス制度も不要になります。みんながハッピーになれるのにね。

質問5

 「新しい資本主義」についてお聞きします。
規制緩和、構造改革などの新自由主義的政策は、富めるものと富まざる者、持てる者と持たざる者の分断を生んできました。

 「格差が広がれば経済の好循環は実現せず社会政治も不安定化する。
小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する。」

これらは総裁選で岸田総理の言葉です。

 総理、小泉改革以降の新自由主義的な政策とはどういう政策でしょうか?小泉政権の構造改革、特に派遣労働の対象拡大など、労働法制の規制緩和は非正規雇用を増やし、フルタイムで働いても年収200万円に満たないワーキングプアを生み出し、格差と貧困を拡大し、経済の停滞をもたらしました。

 新しい資本主義とは、この、規制緩和路線を転換するということですか?はっきりとお答えください。(拍手)

岸田首相答弁
 新しい資本主義についてお尋ねがありました。1980年代以降世界の主流となった「市場や競争に任せればすべてうまくいく」という自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、格差や貧困の拡大など多くの弊害も生み出しました。
 コロナ禍の先にこうした弊害を是正しながらさらに力強く成長するため、成長も分配も実現する新しい資本主義を実現していきたいと考えております。
 このため官と民がともに役割を果たし、成長戦略と分配戦略を実行してまいります。
 とりわけ、「人への分配はコストではなく未来への投資である」との考えに立って賃上げの推進、同一労働同一賃金や下請け対策の徹底、仕事と子育ての両立支援等を図るとともに非正規雇用の方を含め再就職や正社員化に向けた学び直しや職業訓練の支援、協力に進めてまいります。

「新しい資本主義」はイメージ戦略以上の具体的なものはまだ何も示されていません。成長戦略と分配戦略の実行が何を指しているのかよく見ておく必要があると思います。
「人への分配はコストではなく未来への投資」という考え方は賛成です。しっかりと取り組んでほしいです。

質問6

 新しい資本主義の下での分配、賃上げ政策についてお聞きします。
給与を引き上げた企業への法人税減税が柱となっていますが、この賃上げ減税は、すでに2013年度から実施され減税額は2兆円を超えています。

 では、どれだけの賃上げになったのか。2012と2020年の平均賃金を比較すると、年収で名目僅か4.5万円の賃上げ、実質賃金は-22.4万円です。

 賃上げ減税は、効果があったのでしょうか。

 しかも減税額の44.2%は大企業向けであり、トヨタ自動車1社だけで、359億円もの減税と推計されます。そもそも巨額の内部留保を積み増している大企業に賃上げ減税が必要でしょうか?

 やるべきは、内部留保を活用して賃上げを と大企業に強く要請することではありませんか?答弁を求めます。(拍手)

 1990年には世界でトップクラスだった日本の平均賃金はその後名目でもほとんど上がらず、実質賃金で下がっていった。欧米諸国はもとより、韓国にも抜かれ、異常なまでに賃金が上がらない国が日本です。非正規雇用の割合が国際比較で高い。大企業と中小企業の格差が多い。ケア労働など女性が多い専門職の低賃金など、構造的な問題への抜本的な対策が必要だと考えますが総理の認識を伺います。

岸田首相答弁
 賃上げ税制についてお尋ねがありました。賃上げは税制のみならず、企業収益や雇用情勢等に影響を受けるものであり、自公政権の中で2%程度の賃上げを達成してきており、税制も寄与してきたものであると考えております。
 私自身、経済界の代表と向き合い自業績がころ名前の水準に回復した企業については3%を超える賃上げを期待する旨、直接働きかけを行いました。

 また、民間企業の賃上げを支援するために様々な施策を講じ、環境整備に全力で取り組んでまいります。

この答弁も、賃上げ税制は数値を挙げて効果がなかったのではないかというタムトモさんの質問に対して、具体的なことは示さず正面から答えることをしていません。

質問7

 賃上げを政策的に進めるために、一つには労働法制の改正を求めます。労働者を直接雇うことを原則とする。「派遣労働や短期の雇用契約は、一時的、臨時的業務に限定する」 など、法規制によって構造的に正規雇用の割合を増やしていくことが今こそ必要ではありませんか?

 二つに、最低賃金時給1500円という目標を明確にして中小企業を直接支援し、短期間に思い切った引き上げ政策を持つことです。最低賃金は10年かけて全国平均でわずか、193円しか上がっていません。今年四月、バイデン米国大統領は、連邦政府と契約する業者について、最低賃金を最低$10.95から$15に一気に引き上げる決断をしました。

 日本でも全国一律自給1500円へ、思い切った引き上げを行うべきではありませんか? 中小企業への直接の支援が最大のカギです。

 わが党は中小企業の社会保険料、事業主負担の軽減を提案してます。
本気の賃上げのために真剣に検討いただきたい。総理の認識を伺います。

 また、医療介護保育などケアー労働の賃金は国家資格にふさわしく専門性と経験を評価した抜本的な引き上げを政府の責任で行うよう要求いたします。

岸田首相答弁
 雇用や賃金に関する構造的な問題への対策についてお尋ねがありました。
 派遣労働者は有期雇用労働者については、同一労働同一賃金の導入など、制度が適切に運用されこれらの方々の待遇改善や雇用安定が図られるよう、指導監督等徹底してまいります。
 最低賃金についてはすでに骨太の方針において、感染症拡大前にわが国で引き揚げてきた実績を踏まえて「地域間格差にも配慮しながらより早期に全国加重平均1000円とすることを目指す」このように骨太の方針で明らかにしておりますが、この方針に基づいて引き上げに取り組んでいきたいと思います。

 そして社会保険料については若者子育て世帯を中心に保険料負担の増加を抑制し、所得の増加につなげていくことが重要な課題です。このため、社会保障制度を支える人を増やし、能力に応じてみんなが支えあう持続的な社会保障制度を構築し現役世代の保険料の負担増の抑制目指してまいります。

 また公的価格の見直しを行い、介護保育の現場で働く方や地域で新型コロナ医療対応などをおこなう医療機関で勤務する看護職の方々の給与、これを引き上げてまいります。

現状の賃金格差を解消するため、アメリカでも時給1500円を目指すといっています。日本の格差と貧困の状況、特に雇用の関係から女性が低収入に陥っていることによる貧困を早く何とかするためには、やはり最低時給1500円を目指すべきだと思います。そのことで様々な問題(子供の貧困、貧困からくる精神的ストレスの軽減、少子化問題の軽減、女性差別問題の軽減など)が
解決の方向に向かっていくのではないでしょうか。岸田首相の答弁でいう1000円を目指す取り組みでは遅いし、そうだとしてもそのための手立てが見えません。タムトモさんは、時給1500円を実現させるために中小企業に対する支援を行うべきだと提案しています。

質問8

 機構危機打開への戦略についてお聞きします。
COP26では石炭火力の廃止が焦点となりました。イギリス・ドイツ・フランス・EU・ポーランド・韓国・ベトナム・インドネシアなど、46の国と地域が石炭火力の新設中止、CO2排出削減措置を取らない石炭火力の段階的廃止を明記した「石炭火力の廃止宣言」に賛同しました。日本が賛同しなかったのはなぜか。まずお答えください。

 総理は、火力発電のゼロエミッション化として、アンモニアや水素への燃料転換を強調しましたが、これこそがCOP26で日本が化石賞を受賞した理由です。アンモニアは1トンの製造に対し、1.6トンのCO2を排出すると、経産省の資料で示されています。

 そのため、石炭8割、アンモニア2割で火力発電を稼働した場合、CO2削減効果はわずか4%というのが気候ネットワークの試算です。しかも、アンモニア製造は高コストです。わざわざCO2を大量に排出し、高いコストをかけて火力発電のためにアンモニアを製造する合理性はありません。

 結局これは石炭火力発電の延命の策ではありませんか?
政府のエネルギー戦略では、2030年どころか、2050年以降も石炭火力発電を稼働させるつもりなのでしょうか? 総理の明確な答弁を求めます。

 破局的な気候変動を防ぐには、一刻も早く石炭火力発電をやめなければなりません。2050年までに、再生可能エネルギー100%を目標として、2030年までに本気の再エネ普及を行うことを強く求めます。

岸田首相答弁
 そして、石炭火力発電の廃止宣言についてお尋ねがありました。
日本は日本の取り組みを進めております。石炭火力については2030年に向けて非効率な石炭火力のフェードアウト、着実に進めてまいります。さらに2050年に向けては水素・アンモニアやCCUS等を活用してそれらのコストを引き下げつつ脱炭素型の火力に置き換える取り組みを推進するなど我が国としてもしっかり取り組んでまいります。

 また、再生可能エネルギーについては、最大限の導入を進めており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強力に推進をしてまいります。

これはタムトモさんの質問意図を全く無視した答弁です。
この岸田首相答弁に対するタムトモさんの質問と考えれば意味合い的にも時系列的にもすっきり来ることに気づきました。前後関係が全く逆です。

質問9

 11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー。日本でも女性に対する暴力をなくす運動が取り組まれました。

「あなたの望まない性的な行為は性暴力です」
「傷つけたほうが悪い」
「性暴力に言い訳は通らない」

 内閣府が作成したポスターです。言い訳の事例も「二人きりで食事したよね?」「お互いお酒飲んでたし」「そんな服装してるしさぁ」など書かれており、内閣府がここまでの啓発活動をしたことを評価いたします。

「あなたの望まない性的な行為は性暴力」
この啓発は、系統的に大規模に行うことが大切だと考えますがいかがでしょうか? 勇気を持って性暴力被害を告発する幾多の運動の下で今、刑法の性犯罪既定の議論が法制審議会で行われています。同意要件の新設など、被害の実態に見合った改正を求めるものです。

 同時に性暴力性犯罪をなくすために、また、互いの性を尊重する人間関係を築くために、「科学的で包括的な性教育」が必要ではないでしょうか?

 ユネスコは各国の研究成果を踏まえ、WHOなどと協力して、性行為のリスクだけでなく相互の尊重と平等に基づく愛情や人間関係という、ポジティブな側面を含む、「包括的セクシャリティー教育」を推進するために「国際セクシャリティ教育ガイダンス」を発表しています。この中で、性交、避妊に関する科学的情報など重要な話題を無視し、省略することはスティグマや無知を引き起こし、助けを求める障壁を作り出すと指摘しています。

 日本では、性交も避妊も学校で教えることがタブー視されたままです。文部科学省は性暴力の被害者にも加害者にも傍観者にもならないためとして、命の安全教育を今年度から実施しています。被害者は悪くないこと。自分の体を大事にすること。被害への対応など実践的で大切な内容だと思いますがこれは包括的な性教育とは異なります。

 子供たちは公教育で性や生殖についての科学的な知識や、性にかかわる人権意識を形成する機会もないままにインターネット等で氾濫する暴力的でゆがんだ制の状況に触れている。これが日本の現状ではないでしょうか?

 性暴力はもちろん、予期せぬ妊娠を防ぐうえでもユネスコのガイダンスにも学びながら公教育における性教育の実践をしていくことが大切だと考えますが総理の見解をお聞きします。

岸田首相答弁
 そして、性暴力をなくすための教育についてお尋ねがありました。
性犯罪性暴力は重大な人権侵害であり、決して許すことはできないものです。政府では毎年女性に対する暴力をなくす運動という啓発活動を行っておりますが、引き続き強力に進めてまいります。
 ご指摘の科学的で包括的な性教育としてユネスコのガイダンスがあるということ、これは承知をしておりますが、我が国の学校では性に関しては学習指導要領に基づき、保健体育科の授業をはじめ、児童生徒の発達段階を踏まえつつ教育活動全体を通じて指導しております。今後とも児童生徒が性に関して正しく理解し適切な行動をとれるよう指導の充実にも努めてまいりたいと存じます。

この質問ではタムトモさんはめちゃくちゃ重要なことを解説してくれています。それに対し岸田首相の答弁は、総論賛成各論反対という感じでしょうか。私は現在の性教育において人権を中心に据えた取り組みが必要だと考えています。現在の日本の性教育は情報をタブー視して教えていないから様々な性暴力や性犯罪が発生しやすい要因になっていると考えています。
もっと学びなさい。そうお伝えしたいです。

質問10

 4月原爆投下直後の黒い雨被害者救済について、広島高裁判決は現行九全員に原爆手帳の交付を認め、特定の疾病の発症がなくても放射能による健康被害が否定できなければ被爆者とする画期的な判断を示しました。

 政府は上告を断念し、管総理は「同じような事情にあった人を早急に救済する」という談話を出しました。ところがいま行われている被爆者手帳交付の新たな審査指針の検討で国は、「特定の病気になったことも考慮するとの基本的考え方」を示し、広島からは判決からの後退を批判する声が起こっています。

 広島出身の総理として高裁判決の立場を堅持し幅広く救済すべきではありませんか? 森友、加計学園、桜を見る会などの政治の私物化、河合元大臣による広島での選挙買収。いずれも真相解明に蓋をし、辺野古新基地建設では国が行政不服審査請求制度を乱用し、遺骨の眠る土砂まで使って埋め立てを強行しようという、「聞く耳持たない強肩政治」とわが党は断固として対決します。

岸田首相答弁
 黒い雨訴訟を踏まえた対応についてお尋ねがありました。
いわゆる黒い雨訴訟の原告と同じような事情にあった方の救済については本年7月の総理談話と1審2審の事実認定の結果を踏まえて対応していくこととしております。広島県広島市などの意見を丁寧に聞きながら検討を進めたいと考えており、厚生労働省において広島県や広島市、長崎県や長崎市を交えた協議、既に2回行われたと承知をしております。遅くとも令和4年度当初には可能な限り多くのかたの救済を開始できるようスピード感をもって取り組んでまいります。

これも聞かれたことに答えていません。「同じような事情にあった人を早急に救済する」
はずなのに、被爆者手帳交付において「特定の病気になったことも考慮するとの基本的考え方」を示して後退している現状について聞いています。

質問11

 日本学術会議の任命拒否問題についてお聞きします。学術会議の専権行為である会員の推薦に官房副長官が介入した。これが事の始まりだったと、内閣府の資料が示しています。

 憲法が保障する学問の自由への侵害そのものです。学術会議は今年の総会で改めて任命を求めています。官邸の違法な介入を認め、6人を直ちに任命すべきではありませんか?

岸田首相答弁
 そして日本学術会議会員の任命についてお尋ねがありました。
昨年10月の日本学術会議の会員の任命については日本学術会議法に沿って任命権者である当時の内閣総理大臣が判断を行ったものであることから、一連の手続きは終了してものと承知をしております。日本学術会議の在り方については梶田会長とコミュニケーションをとりながら未来志向で検討を進めており、引き続き小林大臣の下で取り組んでもらいたいと考えております。

これも通り一辺倒な回答で質疑になっていません。タムトモさんは官房副長官が介入したことを含めて政府の責任を問うています。そもそも菅内閣の時から任命しなかった理由をまともに答えられない国民に向き合うことができない状態を岸田内閣になっても引き継いでいることが明確になりました。

質問12

 11月30日米軍の戦闘機F16がエンジントラブルで緊急事態に陥り燃料タンク二つを投げ捨て青森空港に緊急着陸しました。燃料タンクの一つは民家からわずか20mに落下。一歩間違えば大惨事となっていました。

 防衛省は翌日、F16の飛行中止を米軍に要求。しかしその翌日、政府の要請を無視し事故原因の究明もなく飛行が再開されました。

 総理は米軍に抗議しましたか? いつまで米軍の勝手放題を放置するのですか? F16はこれまでも事故を繰り返しています。1985年に50機が配備されて以降、燃料タンクの投棄20回、模擬爆弾投棄は12回、さらには13機が墜落事故を起こしています。住民は日常的に大惨事の危険性にさらされているのです。

 国民の命と安全を守るためにF16の撤去を在日米軍に要請すべきではありませんか?

 米軍機による事故は部品や装備品、コンテナの落下、墜落、不時着等多発しています。しかし日本は独自の事故調査を一切行うことができません。 

 全国知事会は2018年に日米地位協定抜本見直しを求める提言を全会一致で採決し、航空法や環境法令を在日米軍に適用し、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保証などを求めています。

 総理、これは当然の要求です。国民の安全のために地位協定の抜本的な見直しへ動く時ではないのか答弁を求めます。(拍手)

岸田首相答弁
 そして、F16戦闘機の事故及び日米地位協定の改正についてお尋ねがありました。

 ご指摘の事故については、極めて遺憾なものであり、安全対策の説明もないまま飛行が再開されたこと。これは極めて遺憾であると考えております。その旨防衛大臣から米国国防長官に伝えてあります。一方でF16戦闘機は我が国の防衛及び地域の安定に資するものであり、撤去を求める考えはありません。しかし当然のことながら安全管理の徹底はこれからもしっかりと求めてまいります。

 日米地位協定については事案に応じた最も適切な取り組みを通じて一つ一つの問題に対応してきております。今後とも目に見える取り組みを積み上げることによって日米地位協定のあるべき姿、不断に追求していきたいと考えます。

国内に外国の軍事基地がこんなにたくさんあること自体が異常なことだと思います。まるでいまだに日本が占領されているかのように日本の権利がないものとして扱われる地位協定の見直しは必ず実施してほしいです。

質問13

 自民党は防衛費GDP比2%を念頭に増額を目指すと総選挙の公約に掲げ、補正予算は過去最大7700億円の軍事費を計上。今年度の軍事費は6兆円を超えます。さらに岸田総は敵基地攻撃能力保有の検討まで表明しました。
 2015年の安保法制強行以降、自衛隊の装備も訓練も戦争する国造りの道を急速に歩んでいます。尖閣諸島や南沙諸島に対する中国の軍事的脅威、軍事的威嚇、北朝鮮の核開発やミサイル発射は絶対に許されない。これは政府与党ともに一致七ています。

しかし、軍事に軍事で対決し先制攻撃にもつながる敵基地攻撃能力まで持とうとする。これは軍事的緊張と軍拡競争を強め、また、増税と社会保障予算の更なる削減を伴い国民の命暮らし安全を脅かす道ではありませんか?

 憲法を生かした平和外交への具体的で真剣な努力こそ求められていることを述べ質問を終わります。(拍手)

岸田首相答弁
 そして防衛力、敵基地攻撃能力についてお尋ねがありました。
 平和安保法制は日米同盟をかつてないほど強固にし、抑止力を向上させました。戦争する国づくりとの指摘は当たらないと考えます。
 何よりも大切なことは国民の命や暮らしを守るために必要なものは何なのか、こうした現実的な議論をしっかりと突き詰めていくことです。防衛費についても金額結論ありきでなく必要なものを計上してまいります。
 また、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討してまいります。この検討は憲法の範囲内で専守防衛の考え方を維持しつつ行うものであり、先制攻撃であるとか、軍事的緊張と軍拡競争を強めるとのご指摘、これは当たらないと考えます。我が国の平和と安全の維持は国民の命と暮らしの不可欠な前提であり、安全保障と社会保障は相対立するものではないと考えております。
以上です。

ここでいう抑止力の向上が何を生み出したか。それに対抗する勢力の軍拡やそれに伴う軍事的緊張が増大したことはだれの目にも明らかです。もう子供の喧嘩威嚇のようなばかばかしいことやめませんか?日本に限らず各国政府はもっと大人になってほしいと思います。
国家の抑止力競争に国民はお金(税金)を払って付き合わされています。
この答弁からも岸田政権は安倍菅政権にもまして国民の声を聴かないことがよくわかります。

最後に

 いかがでしたでしょうか。
 今回のタムトモさんの質問はこれまで以上に熱いものを感じました。
岸田首相は衆議院の志位委員長の代表質問にも、参議院のタムトモさんの代表質問にも正面から答えていません。
安倍政権からひどくなった国会軽視の姿勢は岸田政権もしっかりと引き継いでいるようです。

野党は批判ばかり

 そういう人は国会を見ていないか、野党が怖い政権勢力のいうことを鵜呑みにしている状況ではないでしょうか。

 今回のタムトモさんの質問でもたくさんの提案がされています。政府はそれをスルーして、批判していることだけを取り上げて攻撃しています。

 そもそも、野党は政府与党の暴走を止めるために批判することが仕事ではないでしょうか?

 政府・与党が暴走して国民を苦しめている状態を野党が批判して改善させる。そして、政府与党も野党もお互いをリスペクトして政策を率直に論議する。これが国会の正しいありかたなのではないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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