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2Dアクション『ENDER LILIES』が傑作だった

 アクション系はリアルめグラフィックの3Dが多くて、たまには2Dアクションをしたいなあと思っていた今日この頃。白羽の矢が立ったのがこのゲーム。『Hollow Knight』や『Bloodstained』を楽しめたので、このゲームは外さないだろうという安心感があった。『ENDER LILIES』が1周年セールで過去最安値だったので逃す手は無かった。

メトロイドヴァニアの王道を行く

 メトロイドヴァニアとは、「特定のイベントなどを経てアクション能力が強化され、今まで行けなかったエリアに到達できる2Dアクション」とでも言うのだろうか。わかりくいので噛み砕くと、「ステージ選択型ではない、全マップがつながっている。多彩なアクションや攻撃がある。アクションが増えることで行ける範囲が拡大する。2Dゲーム」である。本作はそんなメトロイドヴァニアのど真ん中を行く作品であった。このジャンル好きには確実に刺さる作品だろう。
 ダークファンタジーな世界観で、中世の剣と魔法モノ。記憶を失くして目覚めた少女リリィの傍らには黒衣の騎士がいた。少女は白巫女という特別な存在らしいが詳細は分からない、滅びた国からの脱出を目指しての冒険が始まる。

公式ローンチトレーラー


多彩な攻撃であり、多彩な仲間

 マップを奥へ奥へと進んでいき、ボスを倒すと新たな攻撃方法を得る。20種類を超える攻撃は、どんなプレイヤーの戦闘スタイルも満足させてくれるだろう。強化もできるので、序盤の攻撃でも「挙動は好きだが火力が低すぎてもう使えない」ということもない。ちなみに私の場合は大きい隙に大きい攻撃を打ち込むスタイルと、隙皆無の「出し得」スキルの構成が肌に合った。下の画像のごついおじさん(ゲルロッド)と有翼のシスター(シーグリッド)をメイン攻撃として使い倒した。

序盤から心強い基本装備3人衆

 すべての攻撃が、単なる攻撃方法というよりも仲間というイメージなのも印象的。倒したボスの魂が顕現して力を貸してくれるのだ。会話こそできないが、彼らにもストーリーがあり、ボス同士で縁があるものや縁がある場所があったりする。思いを馳せながら戦うのもオツであった。休憩場所では装備した魂たちが顕現してくれるのだが、これが何とも仲間たち感が強くてうれしい。


手に汗握る、バランスの良いバトル

一番苦戦したボス、ミーリエル

 アクションの難易度は、リリィの操作性や回避性能が良い代わりに敵の攻撃力が非常に高いという形でバランスがとられている。一撃でやられることはなく、3,4回でゲームオーバーという調整。こちらの回復手段は隙が大きいので、回復するときもハラハラである。焦って甘えた回復行動をしてしまったときに限り手厳しい攻撃を仕掛けるボス、というお約束パターンを何度も経験した。適度な難しさと良い緊張感によって、勝利時には清々しい達成感がある。
 画像のボス「ミーリエル」はタフで攻撃力も高く、最も苦戦したボス。このころにはリリィの能力も最大限に強化されており、敵側も全力で殺しに来ている感があり楽しいバトルであった。


プレイヤーに優しい仕様が多い

探索を助けてくれるマップシステム

青=未完了、オレンジ=完了とわかりやすい

 同じマップを何度も探索する本作において、マップは心強い味方となってくれる。単なる地図ではなく、各部屋の未発見要素の有無を教えてくれるのだ。これにより探索範囲を絞ることができ、むやみやたらに走り回って疲弊するということがない。この補助機能があっても探すのに一苦労するものもあったので、親切すぎて簡単ということもない塩梅である。非常に快適なプレイを提供してくれた。
 マップ埋めが好きな私は、オレンジの部屋が増えていくたびにウキウキである。

ストーリーまわりもきっちり整備

手記などのTIPSはいつでも読み返せる

 このゲームのストーリー回りは極めて優秀である。ストーリーを進める中で過去の出来事を断片的に見せられ、その時点ではどういう意味か分からないシーンも多い。しかし、多くは語らないが状況が理解できるようなTIPSが用意されている。これらはいつでも見返せるし、整理されて並んでいる。加えてさらに、既に観たムービーシーンの再生機能もついている。ゲームプレイの邪魔にならないように配慮しつつ、詳しく知りたいプレイヤーにはきっちりと整えて対応する。できるホテルマンみたいな開発陣である。


今後の展開もあるとか

 楽しませてもらった本作、発売一周年のタイミングの公式による発言曰く「今後の展開」がある様子。DLCや次回作があるのか、非常に楽しみ。ぜひプレイしたいものである。


まとめ

 ダークファンタジーや2Dアクションが嫌いじゃない(ここ重要。好き!とまでいかなくてもよい)ならきっと楽しめる、ぜひおすすめしたい一本。

これにてさようなら。


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