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読書記録*01:推理小説に勝利!

 最近、ダイエットのための散歩をしながらの読書にはまっている。スマホで読めるのは本当に助かるなあ。kindle unlimited最強!キャンペーンで3か月199円だったのは最高すぎた。

1.辻村深月 『ハケンアニメ!』

 アニメ業界をテーマにしたお仕事小説。
 なんやかやでお仕事系は楽しい。他の作品で感じた辻村深月ワールドは微妙な感じだったけど、映画化ということで読んでみた。登場人物への印象が、三人の主人公の業界内での立位置が大いに違っていて、アニメーション業界についていろいろな角度から書かれていて楽しめた。
映画化するほどか?とは思った。

2.上橋菜穂子 『獣の奏者』シリーズ4冊

 本編4巻+外伝1巻。本編4巻も、当初は2巻完結のところを追加で2巻分書いたようで、確かに第2巻まででまとまっていた。個人的にはここまでで良かったかなという印象。
第1巻:
造語わんさかファンタジーなので、興が乗るか少し不安だったけれど構成が上手いのか、楽しんで読めた。思えば『鹿の王』もそうだったなあと思いだし、著者に感服仕った。
第2巻:
兵器開発、しゃーないやん派なので大体敵対者側の論理に共感しがち。どっちが正しいとかは知らん。
第3巻、第4巻:
 3巻は特に盛り上がりに欠けてイマイチと感じた。主人公が大人になったこともあって、ワクワク感より苦悩が目立つのもあって少しシリアスさが強い。先が見えない中であがき続けるエリンの、とにかくエゴを押し通す姿は良かった。その選択はどうなん?ってところも多いけど、やりたいからやる!選んだ道だから!には首肯。
外伝:
 まだ読んでいない。

3.殊能将之 『ハサミ男』

 連続殺人犯が探偵役になり、模倣犯を探す奇妙なミステリー。
 よく名前をみかけるので、いつかは読みたいと思っていた。小説の肝の部分は予想がついていたので驚けなかった。物語の都合上、とんでもない偶然が起きていた!(理由なし)にゲッソリした。アンフェアじゃないか?
 この問題を解決するには、著者が初めに「一つだけ約束します。この物語内の○○という要素はマジで偶然です。それ以外は偶然か必然か教えません。」みたいなことを書いて始めるしかない。と思っていたら、次のミステリー小説であんなことになるとは思わなかった。

4.倉知淳 『星降り山荘の殺人』(ネタバレあり)

 雪山の館に閉じ込められちゃった!というド定番シチュのミステリー。『ハサミ男』の感想に書いた、作者からのメッセージが欲しいという要求が早くも現実になった。要所要所に読者あてのメッセージがあった。書く側もできるだけフェアでいたいと思ったんだろう、作者の気持ちが分かって嬉しかった。

ただ、著者からの「一つだけ約束します。この物語内の○○という要素はマジで偶然です。」みたいな念押しが無いのが気になったので、これはミスリード狙いなのではないか?という疑念が湧きあがった。そこで、いったん読む手を止めて、この文章を活かすための仕掛けを考えたのち、再び読書を再開した。すると、私の考えていた仕掛けのための準備としか思えない展開となり、大当たりの期待がどんどん高まっていった。そして物語が佳境に入った瞬間。
 果たして大当たりであった。そのまま非常に気持ちよくなって読了。小説は著者との勝負ではないとわかっていても、勝った!と言いたくなるほどであった。

5.西條奈加 『まるまるの毬』

 親子三代が営む和菓子屋のお話。特定の業界を舞台に、その歴史や豆知識みたいなものが散りばめられた作品は大好物です。思案勝ちな職人爺が、家族を案じていろいろと気を揉み続ける。江戸時代を舞台にした作品を読むことがほとんどないので、その時代設定も楽しめた。なんとなく読んでしまう、そして和菓子が食べたくなるようなお話であった。


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