最高の緊迫感を味わう『THE DARK PICTURES:MAN OF MEDAN』を知ってほしい
ホラーゲームはあまりやらないけれど、映画であったりゲーム実況であったりホラー系のコンテンツは大好き。たまには自分もやってみるかということで、先日PS Plusのフリープレイに来ていた『MAN OF MEDAN』はホラーアンソロジーシリーズ、THE DARK PICTURESシリーズの第一弾と銘打っている。本作のみで完結しているので遊びやすそうということもあり、たまにはこのジャンルもやってみるかと手を伸ばした。
このシリーズは2019年に発売された本作を皮切りに、既に3作が発売されており、2023年発売予定の第4作目でシーズン1完結、とする予定のようだ。シリーズ化している作品というのは、一定以上の成果を上げているということなので(多少は)安心できるなあ、などと思ってプレイを開始した。
あらすじは公式HPから引用。よくある映画的シチュエーションといった印象。
単なるホラーゲームではない
本作には大きな特徴がある。ホラーゲームというのは、あまり高くない自由度の中で決められた唯一のストーリーラインを辿っていき、ミスなどで道を踏み外せばゲームオーバーとなってリスタートというものが多い。「死んでしまったけどそれはそれ。ちょっと前のセーブ地点に戻ってもう一度チャレンジしよう。」というものだ。
しかし本作では、とにかくあらゆる場面で「時間制限のある選択肢」や「QTE」(後述)が登場し、その結果がストーリーを左右する。訪れるイベントが変わってくるのだが、ゲームオーバーは無い。ミスによって誰かが死んでしまったのなら、そのまま物語は続く。しかも、強制的にセーブされるのでやり直しは効かない。
ハラハラの極めつけとなるQTE
QTEとはクイックタイムアクションの略語である。要するに「急に画面上に現れるボタンを、時間内に押せ」というもので、浸透しているのかしていないのか微妙なラインの用語である。本作にも採用されており、シナリオ分岐におけるウェイトがとても大きい。何度かミスったら死ぬから。それも即強制セーブで。
このゲームはムービーシーンが多く、当然その間はコントローラーを操作しないのだが、急にQTEが発生する。しかも結構難易度が高い。つまり、いつでも心が休まらず、コントローラーを握りしめている必要があるのだ。これが鬱陶しくもあり、しかし同時にある種の緊張感をもたらしていた。好き嫌いの別れる種の緊張感だろうが、私にとっては結構楽しいものであった。ホラーゲームをやっている以上、どのような形であれ緊張感を求めているのだろう。
一風変わった緊張感の与え方ではあるが、私のようにハマるかもしれないので、一度は体験してみてほしい。そして、「うわぁ、ミスった…」という緊張からの絶望を味わおう。
なお、通常の一度押すだけのQTEと見分けがつきにくい連打QTEが難関であり、そこで何度かミスをしてしまった。あれは初見殺し過ぎた。
お手頃なボリューム感
一周目の(一周しかしていないが)クリア時間は5時間ほど。ホラーゲームは長引くと飽きがちなので、コンパクトにまとまっている方が好みな私にとっては悪くないまとまり方だった。
定価の3200円ほどでは、もう少しボリュームが欲しいところではある。しかし、今ならサブスクサービスなどで0円、セールで2000円程度とお安く手に入れることができるので、あまり気にせずに気楽にやるのに良いだろう。
なお、結末の分岐が幾つもあることを考えると、周回分の時間も楽しめるともいえそうだが、このゲームは周回プレイをするのに向いていないので、あくまで一周だけ楽しむつもりでやるのがおすすめ。周回プレイに向いていない理由は、既読ムービーの早送りやスキップ、選択肢前セーブなどが無いことから分岐点までのアクセスが悪いためだ。これはもうどのレビューを観てもめちゃくちゃに不満点とされており、擁護しようがない。諦めよう。
この手の映画風ホラーゲームをやったことが無ければ、価格面・時間面も加味してオススメと言いたい。実際、私は少し間を空けて2作目もやってみようと思えている。
まとまりは無いけれど、率直な感想ということでこれで終わり。
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