気持ちは高校生

アメリカを終のすみかと決めた高校時代の友人Mくん夫婦が、一時帰国中。15、16歳の頃からの仲良しだから、今は甲府に身を隠している?Tくんも加えて、何はさておき会うことにしている。5年くらい前までは、5人だった。一番賑やかで元気で、時間をもてあましていた専業主婦のY子が悪性リンパ腫で早々と逝ってしまってからは、まずは4人で、そのあとで、連絡が付くクラスメートたちと飲む。でも、今年は昼間にビール1ぱいだけ、おいしいごはんと珈琲と、留まることのないお喋りをして陽が高いうちに解散した。
「何だよ、ずいぶんシワシワになったじゃないの」、テーブルの上に置いた私の手を見て、大きな声で言うヤツ。お互い様じゃん、私たち同じだけ歳取ったんだよ。端から見れば立派な年寄りでも、こうやって喋っていると気持ちはすっかり高校生に戻っている。あの日、あのとき、部室の前で、校庭で、教室でたわいのないことを延々と話し、笑っていたのと同じだ。3年生で進路別クラス替えになる前の春休み、鎌倉に遊びに行った写真もたくさん残っている。
アメリカで暮らした年月の方がうんと長くなったMくん、「懐かしくて洗足池まで行ってみた」と画像も届いた。洗足池は中学、高校の時に私が住んでいたところだ。シワは延びないけれど、気持ちはキュンと青春だ。


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